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墓地に不吉な霧が立ちこめ、ダニー・エルフマンの音楽が不気味に盛り上がっていく。フランケンシュタイン邸のゴシック様式の尖塔(せんとう)に電流が走り、近くの風車は炎に包まれる。
まるでハロフィーン映画の一コマのようだ。だが一つ異なる点がある。舞台は春の日差しに包まれたフロリダ中部だ。

エピック・ユニバースで客と対峙するフランケンシュタイン博士の助手
Photographer: Thomas Simonetti/Bloomberg
この光景が繰り広げられているのは、米コムキャストの新テーマパーク「エピック・ユニバース」内にあるホラーのビレッジ「ダーク・ユニバース」。このパークは同社が70億ドル(約1兆円)を投じてフロリダ州オーランドに建設し、5月22日にオープンする。
かつては秋の数週間に限られていたモンスターやホラーをテーマにしたアトラクションが、常設になる方向だ。テーマパーク側は年間を通じて訪問客を怖がらせ、新たな収入源にしたい考え。
テーマパークのパイオニアであるウォルト・ディズニーをはじめとする他のテーマパーク運営会社も、全米各地で背筋の凍るようなアトラクションを企画している。娯楽業界はホラーへの関心の高まりをビジネスチャンスと捉えているようだ。
「怖い連中が大活躍だ」と、シンシナティを拠点とするテーマパーク・コンサルタントのデニス・スピーゲル氏は語る。
テーマパークで客を怖がらせるという構想自体は新しいものではない。例えばカリフォルニア州南部のナッツベリーファームは1973年以降、ハロウィーンイベントを毎年秋の夕方に開催している。パリや北京などさまざまリゾートでも、ハロウィーンの催しは早ければ8月に始まり、11月中旬まで続くこともある。
だが恐怖体験の施設を常設にするアイデアが出てきたのはごく最近で、北米のホラー映画ブームの時期と重なる。米国とカナダでは、ホラー映画の年間興行収入は約10億ドルと、全体の約1割を占める。「人々は安全な場所で恐怖を体験し、つかの間の現実逃避を楽しむ」と語るのは、長年ホラー演出に携わってきたパフォーマー兼デザイナーのテッド・ドーティ氏だ。

エピック・ユニバースのダーク・ユニバースにあるフランケンシュタイン邸
Photographer: Thomas Simonetti/Bloomberg
映画「ノートルダムのせむし男」や「ミイラ再生」などが劇場で公開された1920-30年代、モンスター映画はユニバーサルの映画スタジオを資金面で支えた。コムキャスト傘下のユニバーサル・ディスティネーション&エクスペリエンスは、映画に登場した一連のモンスターを、オーランドのアトラクションに活用してきた。
没入体験
エピック・ユニバースの入園チケット(大人料金139ドルから)を購入すれば、ダーク・ユニバースに入れる。ここは、没入型エンターテインメントの傑作だ。ビレッジ内の「バーニング・ブレード・タバーン」では死に神ビールや、くいの形のガーリック風味ブレッドスティックを味わえる。くいは吸血鬼を追い払うとされる。
ライド「モンスターズ・アンチェインド」は、巨大なフランケンシュタインなど十数体のレプリカと遭遇できる。さらに「ダークムーア・モンスター・メーキャップ・エクスペリエンス」では、美容サロンならぬ「醜悪サロン」でさまざまな悪霊に変身できる。フェースペイントは45ドルから、おおかみ男の耳までついた全身メークは169ドル。ミッキーマウスも真っ青だ。

ダーク・ユニバースではキャラクターになりきるモンスターメークも体験できる
Photographer: Thomas Simonetti/Bloomberg
ホラー分野へのユニバーサルの挑戦はこれだけにとどまらない。8月14日には、ラスベガスストリップ近くに初の常設型お化け屋敷「ユニバーサル・ホラー・アンリーシュド」をオープンさせる予定だ。
ディズニーもホラーに力を入れているが、もっとファミリー向けだ。同社は5月27日から、オーランドの「ハリウッド・スタジオ」で常設ショー「ディズニー・ヴィランズ:アンフェアリー・エバー・アフター」を始める。クルエラやフック船長、マレフィセントといった古典的な悪役たちがそれぞれ自分の話を語る演出だ。
このショーは、ディズニーが「マジックキングダム」で計画中の常設のヴィランズエリアの下準備とも言えるが、実現まではまだ数年を要する見込みだ。
時代を反映
では、なぜ訪問客はぞっとするような恐怖体験のために並ぶのか?
ホラー映画の専門家で作家のダン・マディガン氏によれば、人類は古代ギリシャ神話や北欧神話の時代からモンスターの物語に魅了されてきた。そうした物語はその時代特有の不安を反映していることが多い。例えば英ビクトリア朝時代の抑圧された性欲がドラキュラに見え隠れしたり、宇宙に関心が向いた時代には宇宙人襲来への恐怖が垣間見える。

ダス・ステーキハウスのデザート(上)と、エピック・ユニバース内バーニング・ブレード・タバーンのハンターズ・ガーリック・ステーキ
Photographer: Thomas Simonetti/Bloomberg
「モンスターは社会からはみ出した存在だ。多くの人がそうした物語に自分を重ね合わせる」と語るのは、ユニバーサルで最高クリエーティブ責任者を務めるブライアン・ロビンソン氏だ。
ラスベガスの「ホラー・アンリーシュド」を手掛けた同社幹部ペイジ・トンプソン氏は、通年営業の施設にすることで訪問客はキャラクターやストーリーにもっとじっくり触れられるようになると語る。このアトラクションは13歳以上を推奨するが、ユニバーサルでは照明を付けて恐怖感を抑えたバージョンや、モンスターのメーク方法などが学べる舞台裏ツアーなど、それほど怖くないイベントも準備している。
ただ主なターゲットは正規料金を支払う大人だろう。ユニバーサルの「ハロウィーン・ホラー・ナイト」のチケット販売実績によれば、訪問客は友人や同僚と一緒に恐怖を楽しむ傾向がある。トンプソン氏は独身さよならパーティーなど団体向け販売も視野に入れている。ホラー・アンリーシュドが人気となれば、同様の施設が他の都市にもできる可能性がある。
それだけではない。「結婚式に関する問い合わせが既に3件きている」と、トンプソン氏は明かした。
(原文は「ブルームバーグ・ビジネスウィーク」誌に掲載)
原題:Horror Becomes a Year-Round Business for American Theme Parks(抜粋)