ホシザキは、真空マイクロ波の解凍機「HVM-8TA3-T」を7月28日に発売する。価格は295万円(税別)。スーパー、コンビニエンスストア、焼き肉チェーン店、回転寿司チェーン店などへの導入を目指す。
業界唯一とする、真空冷却とマイクロ波加熱を組み合わせた方式の業務用解凍機。真空環境で氷が昇華する現象を利用し、内部と表面の温度差を小さく保つ。従来の温塩水(約40℃の温かい塩水を使った解凍)や流水による解凍では難しかったムラの少ない解凍が可能になるため、ドリップを抑えて素材本来の美味しさを引き出すという。電源は三相200V。
タッチパネル式の操作系を採用し、食材の重さと解凍レベルを選ぶだけで調理可能。解凍品質を誰でも簡単に安定させられるとする。解凍時間は大幅に短縮され、たとえばマグロのさく(5kg)は従来2時間かかっていたものが約40分で完了する。
- 主な解凍時間の目安:現行の解凍時間→真空マイクロ波解凍機の解凍時間
- マグロ赤身のさく(5kg):約2時間(温塩水解凍)→約40分
- 赤えび(2kg):約30分(流水解凍)→約20分
- しらす(1kg):約12~24時間(冷蔵庫解凍)→約20分
- 帆立(0.5kg):約10分(温塩水解凍)→約15分
- 牛タン(1.5kg):約12~24時間(冷蔵庫解凍、温風式解凍庫解凍)→約15分
旧モデルから約3割の価格ダウンを実現し、縦型から横型に設計変更。天面を作業台として活用できる仕様にしつつ、モーターの変更によって静音化を実現した。従来は高価かつ大型で導入が難しかったが、中小の飲食チェーンやスーパーなどにも導入しやすい設計となっている。
必要な分だけ短時間で解凍できるため、売れ残りを抑えて食品ロスの削減に貢献する。冷凍食品のまま輸送保管し、店頭で適宜解凍することで、輸送回数も減らせるため、結果として物流コストや人手不足といった現場課題の解決にもつながるとする。
本体サイズは1,100×600×800mm(幅×奥行×高さ)。処理能力は0.5~8kg/回。
🧠 編集部の感想:
ホシザキの真空マイクロ波解凍機は、素材のドリップを抑えつつ、解凍時間を大幅に短縮できる画期的な技術です。操作が簡単で、食品業界の効率を高めることが期待されます。また、食品ロスの削減にも寄与し、持続可能なビジネスモデルの形成にもつながるでしょう。
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