ヘッジファンドは1-3月(第1四半期)に、いわゆる「マグニフィセント・セブン(M7)」と呼ばれる米大型ハイテク株の保有を減らす一方で、米国に上場している中国企業株の比率を高めた。ゴールドマン・サックス・グループが指摘した。
ベン・スナイダー氏らゴールドマンのストラテジストは20日付のリポートで、貿易摩擦の激化にもかかわらず、中国企業の米国預託証券(ADR)に対する投資が膨らんだと指摘。
ヘッジファンドが最も多く保有する中国銘柄は、アリババグループや通販アプリ「Temu」で知られるPDDホールディングス、百度(バイドゥ)などだという。同リポートはヘッジファンド684本の総株式ポジション3兆1000億ドル(約446兆円)相当を分析した。
こうした持ち株構成の変化は、中国テクノロジー銘柄の魅力が高まっていることを示している。中国が次世代テクノロジー開発で存在感を増している兆しに、海外投資家は注目している。
中国のスタートアップ「DeepSeek(ディープシーク)」が今年発表した人工知能(AI)モデルは、世界に衝撃を与え、M7株が大幅下落するきっかけとなった。
M7銘柄と比べて、中国企業の多くは割安なバリュエーションで取引されている。アリババの予想株価収益率(PER)は約13倍、PDDは10倍未満だ。
M7銘柄の中でPERが20倍を下回るのは、グーグルの親会社アルファベットのみだと、ブルームバーグのデータが示している。
ただし、ゴールドマンのストラテジストは、今回の銘柄変更はタイミングが悪かったとも分析。M7銘柄は4ー6月(第2四半期)に入ってから10%超のリターンを上げている一方で、中国勢のADRは貿易摩擦の影響を受けて伸び悩んでいるという。
ゴールドマンによると、M7の一角であるアマゾン・ドット・コムやメタ・プラットフォームズ、マイクロソフト、エヌビディア、アルファベットは依然として、ヘッジファンドの主要なロング(買い持ち)ポジションとして人気を維持している。

HSBCグローバル・アセット・マネジメントのグローバルチーフストラテジスト、ジョー・リトル氏が語る
Source: Bloomberg
原題:Hedge Funds Cut Magnificent Seven Stocks, Bought China ADRs(抜粋)
🧠 編集部の感想:
ヘッジファンドが「マグニフィセント・セブン」を売却し、中国企業のADRsを買い増す動きは、テクノロジー株の評価変化を示しています。特に、中国企業の相対的な割安感は、投資家にとって魅力的に映るのかもしれません。しかし、貿易摩擦の影響が懸念される中、タイミングの難しさも感じられます。
Views: 2