この記事はQiita Tech Festa 2025参加記事です。
今日はThe Browser Company がArcの次世代版とも言える位置づけで開発したAI搭載ブラウザ『Dia』を触ってみたので、簡単な紹介と個人的感想を書いていきます。
普段私はArcを使っており不満は基本ありませんでした。そんな中The Browser Companyからこんな発表がありました。
「Arcブラウザの積極的な新機能開発を停止し、経営資源をAI(人工知能)を中心とした新しいブラウザ「Dia」の開発に集中させる」
「じゃあDia触ってみよか!」くらいの軽いノリです。Arcより優れているといった意図の記事ではありません。
Arcについては、すでに詳細な説明がされている記事や動画等が存在しているので、簡単にまとめます。
※ 下記で紹介している内容はほんの一部です。
ArcとはChromeをベースにしたWebブラウザです。ベースこそChromeですが、独自に大幅なカスタマイズが施されており、タブを増やさずに開発者の馴染み深い階層構造型でブラウザ体験の向上を図っています
1. サイドバーによる操作性の向上
Arcは従来のブラウザと異なり、サイドバーを中心に操作します。タブやフォルダ、スペースといった階層構造でページを整理でき、情報管理がしやすいのが特徴。
2. 階層構造でページを仕分け
タブ→フォルダ→スペースという3層構造で、用途ごとにページや情報を分類できます。仕事・趣味・学習など目的別にスペースを作成し、効率的にブラウジングが可能。
3. お気に入り機能が便利
よく使うサイトを最大12個まで「お気に入り」としてサイドバー上部に固定できます。どのスペースにいてもすぐにアクセスでき、作業効率が向上。
4. タブに有効期限を設定
一定時間使っていないタブは自動的にアーカイブされます。タブが増えすぎて管理できなくなる問題を解決し、常にスッキリした作業環境を維持。
前置きが長くなってしまいましたが、以降本題である『Dia 』について紹介をしていきます。
Diaは現在ベータ版の提供となっており、Arcの既存ユーザーや招待されたユーザーのみが利用可能です。
対応環境はmacOS Sonoma以降が動作するApple Silicon搭載Macに限定されます。
1. Diaの概要
DiaはAI活用を前提に設計されたChromeベースのブラウザです。
ArcにもAI導入されていましたが、DiaではAI機能がブラウザのインターフェースに統合されています。ここが大きな違いのようです。
Diaでは、どのウェブページからでもチャットや質問ができるAIアシスタントが導入されており、タブ間でコンテキスト情報を取得し、作業を効率化できます。
2. 主な機能
- チャット:どのタブからでも直接Diaと会話し、ヘルプや情報取得が可能です
- タブメンション:他のタブの情報を参照しながら作業できます
- ライティング・コーディングスキル:文章作成やプログラミングの支援機能が組み込まれています
3. パーソナライズとカスタマイズ
- ライティングやコーディングのスキルは自分好みにカスタマイズ可能です
- ワークフローに合わせて独自のカスタムスキルも作成できます
4. 他ブラウザからの情報インポート
- ブックマーク、履歴、パスワードなどを他のブラウザからインポート可能です
- プロファイルや拡張機能の管理もサポートされています
1 公式サイトからDiaをインストール
2 Dia用のアカウントを作成
Arcユーザーも、Diaの専用アカウントを作成する必要があるようです。Arcアカウント用に使用していたメールアドレスを使ってアカウント作成しましょう。
3 旧ブラウザ(Arc, Chrome)の拡張機能やフォルダ設定をインポート
基本的にデフォルトインポート設定でインストール手順が進むので、あまり意識しなくてもいいです。意図的に旧ブラウザの設定をインポートしたくない方は注意しましょう。
1.チャットで質問や要約
Diaの一番のメイン機能です。
Diaブラウザでは、常に右側にチャット欄が表示されており、どのページからでもチャットでAIに質問・要約してもらうことができます。
これはDiaが事前にコンテキストを取り込んでいることで実現されてます。
また英語のドキュメントやサイトを閲覧する際に「サイト全体ではなくて部分的に内容を理解したい!」といったことありませんか?
Diaではカーソルでセレクトした部分に対して、AIのコンテキストを限定することができます。
2.動画要約
テキストだけでなく、動画の要約も可能です。
例えばYoutubeのURLをコンテキストに取り込み、時系列を添えた要約も可能です。
さらに右側のチャットから気になる内容の時間へジャンプすることもできます。
短い動画ではあまり効果を発揮しませんが、長い動画の際は役に立ちそうです。
3.複数タブ参照
ここまでの説明だと「一つのページの内容しかコンテキストとして取り込まれないの?」と思う方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。
Diaでは開いているページだけでなく、直近アクセスしたページやブックマークをしたページも取り込むことができます。
タブのメンション機能を使用することで、複数タブを参照でき、さらには情報を統合してAIが回答するようです。
4.ライティング機能
個人的に一番推しの機能です。
Diaではライティング支援のアシスタントがあります。取り込ませたページの情報を元に、文章を生成してくれます。さらにその文章を、カーソルで指定した場所にインサートができます。このインサート部分が個人的に好きです!
まさに今私が書いているqiitaの執筆にも使える機能です。例えばDia公式サイトの要約をそのままqiitaに添付したいとします。この場合やることは3ステップだけです。(一応gif貼りましたが、画質荒いです。。。)
- 公式サイトのページをタブで指定して、コンテキストに取り込み
- ライティングしてとチャットで依頼
- インサートしたい位置にカーソルを合わせ、チャットに表示のインサートボタンを押す
このように文章を生成後、コピペの手間なく好きな位置にインサートできるのが個人的に嬉しいと感じました。
ちなみにDia公式のデモでは、ミーティングの予定を調整するメール画面を開いた状態でGoogleカレンダーをチャット内でメンションすれば、Diaが適切な日程を提案してくれるといった使い方が紹介されてました。さらには先ほど紹介したライティング機能を用いて、メールの文章生成を行うという活用方法も紹介されてました。すごく面白いですね!
5.独自のカスタマイズ
Diaには独自のカスタマイズ機能も実装されています。例えば、先ほど紹介した文章生成に関してはどのような文章形式でDiaに生成してもらうのか設定が可能です。
さらには独自コマンドを定義することができます。
morningというコマンド名を定義して天気予報を出力するようにしました。今回は検証なのでかなり適当ですが、いつもAIに指示する内容がある場合は、コマンド化すると便利かもしれません。
今回はAI搭載ブラウザのDiaを触ってみました。「NoteBookLMやGeminiでも似たようなことすでにできるよな〜」と思っていたのですが、使ってみるとブラウザ自体にAIが統合されていることの魅力を感じることができました。意外とページやツールを跨がなくていいって楽なんだな!ということに気づかせてくれるいいツールでしたね。
ただArcを使っている私としては、フォルダ構成無くなるのが正直痛かったりもします、悩みどころですね(笑)
まだベータ版なので、これからどんどん進化することを期待します!
この記事で触ってみようかなという方が増えれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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