
本記事はフォーティネットジャパンが提供する「FORTINETブログ」に掲載された「Fortinet Training Institute、退役軍人向けにサイバー教育の機会を拡大」を再編集したものです。
世界中でビジネスが拡大し続けるにつれて、有能なサイバーセキュリティの専門家を求める声も高まっています。しかしリーダーたちは、適正なスキルを持つサイバー人材の発掘、採用、定着は依然として難しいと指摘しています。フォーティネットのグローバルサイバーセキュリティスキルギャップレポート2024年度版では、回答者の70%が慢性的な人材不足によって組織の侵害リスクが増大していると答えています。
サイバーセキュリティに新たな人材を呼び込もうと、独自の募集およびトレーニングプログラムを実施している組織があるのは喜ばしいことです。ITの意思決定者の約4分の3は、女性を対象とした体系的な採用活動を行っていると回答し、60%はマイノリティ向けに同様のプログラムを実施しています。
しかしながら、退役軍人専用の採用プログラムがある組織はわずか45%で、退役軍人の配偶者支援に取り組んでいる組織は36%にすぎません。退役軍人の多くは、規律が高くセキュリティが厳重な環境で確固たるスキルを身につけており、さまざまなスキルをサイバーセキュリティでのキャリアに大いに生かすことができます。
軍関係者と退役軍人およびその配偶者向けにサイバーセキュリティの進路を広げる
スキルギャップを解消するため、フォーティネットは長年にわたり、Fortinet Training Instituteを通じて高度なスキルを持つ多様なサイバーセキュリティ人材の育成に尽力しています。そこでは、サイバーセキュリティでのキャリア形成または向上に必要な知識を習得することを目的に、さまざまなプログラムを主催しています。フォーティネット退役軍人プログラムもその一つで、軍関係者と退役軍人およびその配偶者のサイバーセキュリティ業界への転職を支援しています。このプログラムは、当社のパートナーネットワークを通じて米国、カナダ、英国、オーストラリア、ニュージーランドなど、世界各地で提供されています。
これまでに3,000人以上の退役軍人や配偶者が同プログラムを活用しており、無償で自己学習型のサイバーセキュリティトレーニング、オンラインラボ、業界認定資格を取得するための試験バウチャー、フォーティネットパートナーによる指導とトレーニング、キャリア開発サービスなど、その内容は多岐にわたります。
昨年夏には、フォーティネット退役軍人プログラムに2つのイニシアチブが新たに加わりました。これは、フォーティネットのグローバルネットワークを通じて、退役軍人とその配偶者にトレーニングと教育の機会を提供する継続的な取り組みの一環です。
Networking Fundamentals Bootcamp
フォーティネットは昨年11月、Cerco Academy、Helping Heroes、Hire Heroes USA、Institute for Veterans and Military Families、TechVets、VetSecなど多数のパートナーと協力し、2回目のNetworking Fundamentals Bootcampを開催しました。9週間にわたる同プログラムでは、インストラクターによる毎週のライブセッションと自習形式のオンライントレーニングが含まれ、データ通信やコンピュータネットワーキングの基礎を学習します。
データネットワーキング初心者向けの入門編として作成されており、IT、コンピュータネットワーキング / インフラストラクチャ、およびサイバーセキュリティの基礎知識と、サイバーセキュリティの仕事について講義を行います。受講者は、このプログラムでネットワーキングの基本的概念と用語を理解してから、サイバーセキュリティのキャリアパスに関連するより高度な学習課題に挑戦することができます。
ブートキャンプに参加したCERCO Academyのメンバーで退役軍人のChung Fu Wong氏は、次のように語っています。「Networking Fundamentals Bootcampでは、高度なサイバーセキュリティの概念を理解する上で不可欠な知識を習得できます。将来サイバーセキュリティの資格を取得するには、ネットワーキングの基本原理を確実に理解する必要があるため、このような基礎知識は非常に重要です。基礎知識を身につけることで、サイバーセキュリティの資格試験に合格し、キャリアを伸ばすための能力が身につきます。」
このブートキャンプでの成功と関心の高さを受けて、フォーティネットは2回目のセッションを開催しました。同セッションは、当社の教育支援および退役軍人プログラムのパートナー全50社が利用でき、世界中から400件近い参加申し込みがありました。
Industrial Network Cybersecurity Program
昨年夏、フォーティネットの教育機関パートナーであるブリティッシュコロンビア工科大学(BCIT)と、退役軍人プログラムのパートナーであるCyber Catalyst Talent SolutionsおよびTech Vets Canadaが、技術的かつ実践的なサイバーセキュリティの専門知識を習得したいと考える退役軍人向けに、対面式のブートキャンプを開催しました。フォーティネットは協賛企業として、トレーナーのMike Paezが産業用制御システムのサイバーセキュリティに関するワークショップを担当しました。また、チーフセキュリティストラテジスト兼脅威インテリジェンス担当グローバルバイスプレジデントのDerek Mankyは、基調演説を行ったほか、ブリティッシュコロンビア州バーナビーにある当社のセキュリティオペレーションセンターで見学ツアーを実施しました。
参加者がイベントのハンズオンラボで利用できるよう、当社はFortiGate Rugged 60Dファイアウォールも寄贈しました。これらのデバイスは現在もBCITに設置されており、学生たちが今後の授業でコンピュータ情報システム管理(CISA)プログラムに利用する予定です。これは、参加者に実際のデバイスを体験してもらう目的に加えて、環境の持続可能性と地域社会への還元という当社のコミットメントを反映したものです。BCITのIndustrial Network Cybersecurity ProgramのRoger Gale主任は次のように述べています。「フォーティネットがハードウェアを寄贈してくれたおかげでプログラムは大幅に強化され、受講者は最先端のサイバーセキュリティの知識とスキルを身につけることができます。寄贈していただいたデバイスは、高度なトレーニング機器やカリキュラム開発などの重要なリソースとなります。サイバーセキュリティ教育に対するフォーティネットの取り組みは、将来のサイバーセキュリティプロフェッショナルを支援し、サイバーセキュリティのエコシステム全体を強化するものです。」
退役軍人を支援するその他の最近の活動
フォーティネットは昨秋、カナダのCyberCatalystと共同で、オタワでの同国国防省のサイバーセキュリティカンファレンスにおいて、OTセキュリティとゼロトラストネットワークアクセスに関するワークショップを実施しました。さらに、2回目の年次退役軍人プログラム諮問委員会をバーチャルで開催し、退役軍人への支援強化、ライブセッションおよびワークショップの拡充、フォーティネット退役軍人プログラムを通じたトレーニングや人材採用に関する顧客およびパートナーネットワークへの周知などを協議しました。
2024年10月末には、当社パートナーのVetSecが主催するバーチャルイベント、VetSecConにおいてプラチナスポンサーを務めました。このイベントでは、当社の資格認定プログラムを紹介し、サイバーセキュリティへの転職に関心のある退役軍人に適したキャリアパスを詳しく説明することができました。
2025年には、退役軍人コミュニティを支援しサイバーセキュリティのトレーニングと教育を利用しやすくするために、2つの画期的な活動を開始しました。
まず、カナダ退役軍人省のDigital Employment Series(デジタル雇用シリーズ)に参加し、数百人のカナダ退役軍人や軍人配偶者と交流しました。ここでは当社パートナーのTech Vets Canadaと、フォーティネットでトレーニングデリバリ担当マネージャを務めるカナダ退役軍人も加わり、サイバーセキュリティ職に転向するための進路を紹介しました。出席者は、サイバーセキュリティの道に進むために、フォーティネットのトレーニングプログラムがどのように役立つか、また業界認定資格を取得する方法を知ることができました。
次にフォーティネットは、Hire Heroes USAの専門能力開発カンファレンスを後援しました。同組織が支援する人材の40%は退役軍人、70%は女性です。「Web Application Security—Understanding the Threats(Webアプリケーションセキュリティ:脅威を理解する)」と題したセッションでは、フォーティネットの主任トレーナーで米海軍退役軍人のShaun Carriveauが司会を務め、参加者は一般的なWebの脅威に対する防御について有益な情報を得ることができました。Hire Heroesの人事担当ディレクター、Amy Dobson氏は次のように話していました。「フォーティネットは、我々の年に一度のトレーニングイベントを素晴らしいセッションで盛り上げてくださいました。ありがとうございます。フォーティネットによる当チームへの熱心な指導によって、私たちのパートナーシップが深まるだけでなく、退役軍人や軍人配偶者の方々に優れたサポートを提供することができます。仲介およびトレーニングパートナーとしてフォーティネットが果たす役割は、Hire Heroes USAでの我々の活動になくてはならないものです。私たちはフォーティネットの継続的な貢献に大変感謝しています。」
両イベントによって、教育とトレーニングならびにサイバーセキュリティでの就職機会を通じて、退役軍人や不当に処遇されている人々の活躍を支援するというフォーティネットのコミットメントはさらに前進しました。
サイバーセキュリティ人材の多様化に対する継続的コミットメント
退役軍人は問題解決に適任の人材であり、強固な防御態勢を堅持しつつ、実際の脅威に対峙するときには指揮系統に従うことが重要であると理解しています。このようなスキルはサイバーセキュリティの職務に不可欠であり、退役軍人がセカンドキャリアを始めるのに役立ちます。
フォーティネットは、将来のサイバー人材を多様化し育成するさまざまな活動を支援し、退役軍人や軍人配偶者など見過ごされている人々が、サイバーセキュリティ職のスキル習得に必要な知識やリソースを利用できるよう尽力しています。
軍関係者のサイバーセキュリティ業界への転職を支援するフォーティネット退役軍人プログラムについて、詳しくはこちらをご覧ください。
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