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概要
この記事では、AIによるコーディングの進化とその影響を掘り下げています。特に「ファストコード」という概念を取り上げ、AIが提供するコーディングの迅速さとそのコスト効率に焦点を当てています。また、エンジニアの役割や今後のソフトウェア開発の傾向についても言及しています。
要約の箇条書き
- Claude Sonnet 4の性能が驚異的で、高品質かつ迅速なコーディング能力を保持している。
- エンジニアとAIの性質は異なり、エンジニアは「0から作りたい衝動」がある。
- コードベースが大きくなると、エンジニアはメンテナンスを重視し、書き直しを躊躇することが多い。
- AIは「0から1を作る」段階で、高度なプログラムを迅速に生成可能に見える。
- 将来的には、必要なソフトウェアがその場で生成され、捨てられる「ファストコード」時代が来る。
- 一部の機能においては、エンジニアの手が必要ない場合も存在する。
- 製造業全般において、コストが下がることでファスト化が進むと予測される。
Claude Sonnet 4の脅威的なレベルに驚いている。そのレベルだけなく明確にGoogle I/Oの発表後に当ててきた。まだ製品ラインに余裕があるらしい。そして速い。o3の推論モードが「高品質。だけど遅い」というパラダイムで性能を伸ばしている（そうしないと性能向上が望めない）という状況でコーディング能力は「高品質。そして速い」がキープされている。
エンジニアが必要なくなる、という話をするとエンジニアの作業をそのままAIが代替するシナリオを想定されがちだが、エンジニアとAIの性質は全く異なる。エンジニアには「0から作りたい衝動」というのがある。コードベースが大きくなってくると小回りが効かなくなりメンテナンスも大変になり0から書き直したくなる。しかし実際は書き直すコストがメリットにギリギリ合わずにメンテ能力が高いエンジニアが勝つ。
AIによるコーディングは0からの立ち上がりが非常に滑らかで「0から作りたい衝動」に十分見合うコストで書き直しができる。Claude Sonnet 4ではこの立ち上がりの先、つまり0→1の1が初歩的なプログラムではなく中程度のサービスとして使えるレベルまで伸びたように見える。
こうした傾向を見ると、おそらく将来のソフトウェアは必要になったその場で生成され、実行され、捨てられる。つまりファストコードになる。AIでコーディングしている人なら「0→1はすごいがある程度複雑になるとエンジニアの手が必要になる」という感想を持っていると思う。しかしだからエンジイアが必要というわけではなく、請求書を読み込む、画像の一部を切り抜く、リアルタイム翻訳をするといった機能であればメンテナンスが必要ない一筆書きのソフトで完了する。
こうした「ファスト化」はコストが下がると必ず起きる現象で、例えば現在でもオートクチュール（人間の仕立てによる服飾）はユニクロなどのファストファッションと比べて圧倒的に質が良い。しかし機能性対コストで言えば中程度の服飾には敵わない。ファストフードも料理人が作るようなクオリティだから選ばれるのではなくコスパで選ばれる。つまり製造業全般においてコストが圧縮されるとアウトプットの質が上位レベルを飲み込む前に、中程度の製品ラインにおいてコスパの逆転が起きてファスト化が進展する。
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