「ポケモンに似過ぎている」と話題になったパルワールドは、2024年9月に任天堂および株式会社ポケモンから特許権侵害で訴えられました。この訴訟の中で、パルワールドを開発するポケットペアは「ファイナルファンタジーXIV」「ARK」「ゼルダの伝説」など多数のゲームが任天堂が保有する特許を古くから使用しているため、そもそもの任天堂の特許申請は無効なものであると主張しています。
Pocketpair’s defenses against Nintendo’s patent lawsuit unpacked: ARK, Craftopia, Zelda, FF14 etc. may render asserted patents invalid – games fray
https://gamesfray.com/pocketpairs-defenses-against-nintendos-patent-lawsuit-unpacked-ark-craftopia-zelda-ff14-etc-may-render-asserted-patents-invalid/
Palworld dev fights Nintendo lawsuit with comparisons to Fallout, Monster Hunter, and more | VGC
https://www.videogameschronicle.com/news/palworld-dev-fights-nintendo-lawsuit-with-comparisons-to-fallout-monster-hunter-and-more/
Palworld lawyers state existence of Titanfall 2, Ark, and even The Legend of Zelda invalidates Nintendo’s patents | Eurogamer.net
https://www.eurogamer.net/palworld-lawyers-state-existence-of-titanfall-2-ark-and-even-the-legend-of-zelda-invalidates-nintendos-patents
任天堂とポケットペアの特許侵害訴訟において、ポケットペアは「仮想空間におけるフィールド上で任意のキャラクターにアイテムを投げるギミック」に関する特許、「キャラクターを捕獲するために捕獲アイテムを利用するギミック」に関する特許、「キャラクターが別キャラクターに搭乗して移動するギミック」に関する特許の3つを侵害したとして訴えられています。
任天堂に訴えられたパルワールドの開発元ポケットペアが争点となる3件の特許を明かすも海外ではさまざまな反応が噴出 – GIGAZINE
ゲーム業界に関する規制問題に関する詳細な分析レポートなどを作成しているgames frayは、2025年4月18日に東京地方裁判所で訴訟記録を閲覧し、ポケットペアが特許侵害訴訟でどのような主張を展開しているかを報じました。games frayによると、ポケットペアの主張内容を入手したのは同メディアが初めてだそうです。
ポケットペアは任天堂が「ポケットペアが侵害している特許」として挙げている3つの特許について、特許で保護されているシステムや技術を使用するゲームがすでに存在していたため、任天堂が特許侵害を主張する特許はそもそも認められるべきではなかったと主張しています。
任天堂が特許侵害を主張している「仮想空間におけるフィールド上で任意のキャラクターにアイテムを投げるギミック」に関する特許について、ポケットペアは自社ゲームのCraftopia(2020年9月4日リリース)の技術を先行技術と組み合わせるだけで実現することができたと主張しています。「仮想空間におけるフィールド上で任意のキャラクターにアイテムを投げるギミック」に関する特許は2024年7月30日に出願された特許ですが、それ以前にリリースされた「ルーンファクトリー5」「タイタンフォール 2」「ピクミン 3 デラックス」では、プレイヤーキャラクターがモンスターや捕獲アイテムを解放し、特定方向に発射するアクションを実行しており、「ピクミン 3 デラックス」「Far Cry 5」「トゥームレイダー」では投てき可能なオブジェクトにさまざまな種類のエフェクトが存在します。
さらに、「Pocket Souls」「OCTOPATH TRAVELER」「Monster Super League」「ファイナルファンタジーXIV」では、フィールド上のターゲットを選択し、捕獲操作が成功する可能性を示すことができることが容易に想像できたと主張。
加えて、捕獲アイテムによって捕獲率が異なることは、ポケットモンスターシリーズによって30年以上にわたって続いている要素であると述べ、「仮想空間におけるフィールド上で任意のキャラクターにアイテムを投げるギミック」に関する特許の無効を主張しました。
さらに、「キャラクターを捕獲するために捕獲アイテムを利用するギミック」に関する特許については、「Pocket Souls」と「OCTOPATH TRAVELER」「Monster Super League」「ネクソモン」「Craftopia」「ピクミン 3 デラックス」「NukaMon Capture Ball」(Fallout4の人気MOD)「モンスターハンター 4G」の技術を組み合わせることで、特許出願前から実現することができたとして、特許の無効を主張しました。
「キャラクターが別キャラクターに搭乗して移動するギミック」に関する特許については、「ARK: Survival Evolved」が存在するため特許は無効であると主張。さらに、「ArcheAge」と「ARK: Survival Evolved」「ゼルダの伝説」「Unity」(ゲームエンジン)を組み合わせて特許の無効を主張することもできると述べています。
games frayは「ポケットペアとその弁護士らは、特許の無効性や非侵害性を主張する論拠を展開するために、多大な努力を払ってきたことは疑いの余地がありません」「任天堂は3件の特許をめぐって訴訟を起こしており、ポケットペアはそのうちのどれかひとつでも敗訴したくないはずです」と報じています。
なお、ポケットペアは2024年12月のアップデートでモンスターボール風の捕獲アイテム「パルスフィア」を投げてモンスターを召喚する機能を削除しました。なお、一部ではポケットペアがパルワールドをNintendo Switch 2向けにリリースすることを検討していることが報じられています。
この記事のタイトルとURLをコピーする