愛知ドビーが5月28日に発売するバーミキュラの新製品は、焼き・煮炊きができる雪平鍋「VERMICULAR YUKIHIRA(バーミキュラ ユキヒラ)」。実際に使用してみると、バーミキュラならではの食材のおいしさを引き出す調理はそのままに、鋳物製品の「重くて使いづらい」イメージを一新する使い勝手のいい鍋なのがわかる。
ラインナップは16cm/18cm/20cmの3サイズで、価格は順に17,300円、18,300円、19,300円。カラーはマットブラック、シーソルトホワイト、オイスターグレーの3色。すでに先行予約を開始しており、現段階ではオイスターグレーが人気とのこと。
味噌汁や煮物といった和食に用いられる雪平鍋を、バーミキュラの鋳物ホーロー技術で進化させ、慣れ親しんだ家庭料理をアップデートする鍋に仕上がっている。
蒸し焼きや煮物、だし不要の「焼き」味噌汁といったユキヒラならではの料理から、野菜の下茹で、炊飯、揚げ物といった毎日の調理までできる本製品を体験してきたのでレポートしたい。
鋳物ホーローの落とし蓋で旨みたっぷり蒸し焼き
鍋底には雪平鍋の特徴である槌目模様を取り入れた。この槌目模様には表面積を広げて加熱性能を高める役割がある。これに加え、食材から出る余分な水分を瞬間的に蒸発させる「瞬間蒸発ホーロー」を採用することで、雪平鍋でありながら食材を焼き付けることができる。別売の落とし蓋と組み合わせれば、焼き付けながら蒸し焼きにする独自の調理法が可能だ。
また一般的なアルミの雪平鍋は熱が逃げやすく、食材を入れた瞬間に温度が下がって食材がこびりついてしまうが、鋳物は蓄熱性が高いため温度が下がりにくい。こびりつきを防ぎながらしっかりと焼き目をつけることができるそうだ。
この焼き付け性能を活かした「牛肉とたまねぎの蒸し焼き」を試食してみると、調味料は塩しか使っていないのにしっかりとした甘みを感じて驚いた。しっかりと焼き付けることでたまねぎの旨みが最大限に引き出されているようだ。
煮魚を作るときにも、最初に魚を焼き付けることで生臭さが消えるため、熱湯をかけて霜降りにするなどの下処理が不要だという。
別売オプションでドロップリッド(落とし蓋)が用意されている点も特徴。
愛知ドビーの代表取締役社長 土方邦裕さんはドロップリッドについて「日本の伝統的な雪平鍋を用いた料理には、落とし蓋を使うものが多くあります。ただの落とし蓋ではおもしろくない、よりいいものを作りたいと試行錯誤した結果、鋳物ホーロー製の落とし蓋にたどり着きました」とコメントしている。
鋳物ホーロー製の落とし蓋には調理するうえでのメリットがある。一般的な木製の落とし蓋は調理中に水を吸ってしまうが、鋳物ホーロー製であれば、食材を蒸し焼きにした際の水分をしっかり鍋の中に還元することができる。そのため、水分量が重要となる炊飯も可能だ。
また裏面に施したリブが煮汁などの対流を促すようになっており、食材にしっかり熱が回るのもポイント。
なお、通常の炊飯もできるが、落とし豚とお米の間に具材を挟むことで水分や熱の対流が生まれやすくなるため、炊き込みごはんのほうがおすすめとのことだ。
だしいらずの「焼き」味噌汁がおいしい
ユキヒラのユニークなレシピ、「焼き」味噌汁を実際に作ってみた。始めに豚肉やさつまいも、たまねぎを焼き付け、そこへ水を加えて煮ることで食材の旨みが溶け込み、だしをとらなくてもおいしく仕上がるのだという。
調理の最初に、鍋を強火で30秒予熱する。そうすることで食材がこびりつきにくくなるそうで、豚バラ肉を入れてひっくり返す段階でもスムーズに肉がはがれた。これなら焼く調理も気兼ねなくできて、お手入れも楽そうでうれしい。
食材を焼いた鍋でそのまま煮る・炊くことで、鍋に残った食材のうまみを余さず料理に取り込むことができるのもポイント。出来上がった味噌汁は豚バラの旨みとさつまいも、たまねぎの甘みが引き出されていて、だしがなくても物足りなさはまったくない。焼き付けることで焼きいものようなこんがりした香りが楽しめるのもよかった。
ドロップリッドのほかに、煮る最中や一時保存に使用できるステンレスリッドも別売で用意。薄い形状のため、複数サイズを揃えてもかさばらず、スタッキングしやすい。
なお、ユキヒラもバーミキュラの他製品同様、再ホーローコーティングやサイズ変更に対応。長く使えるようになっている。
ユキヒラはバーミキュラ オーブンポットの特徴である無水調理には対応しないが、フライパンなどにも採用されてる焼き性能はきちんと備えている。18cmタイプで900gと軽く、気軽に使える片手鍋形状であるうえ、フライパンとして目玉焼きなども焼ける本製品。個人的には使用頻度がぐっと増えそうな気がしている。
🧠 編集部の感想:
バーミキュラの「ユキヒラ雪平鍋」が登場し、焼き味噌汁など新しい調理スタイルを提供するのは興味深いです。使い勝手が良く、鋳物製の特性を活かした調理法は家庭料理の幅を広げてくれそう。見た目もおしゃれで、日常使いにぴったりなデザインが魅力ですね。
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