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ナショナリストを語る3人は右翼団体の闇を垣間見る──映画『凶気の桜』レビュー福田 光宏

🧠 あらすじと概要:

映画『凶気の桜』あらすじと要約

あらすじ
2002年に公開された『凶気の桜』は、渋谷を舞台にした青春バイオレンスドラマ。主人公の山口進(窪塚洋介)は、混沌とした現代日本に対し「本物の愛国心」を取り戻そうとする若者。仲間と共にナショナリスト集団「ネオ・トージョー」を立ち上げ、街の「浄化活動」を開始するが、その過激な思想は次第に渋谷の裏社会に波及。右翼系暴力団の会長、青田(原田芳雄)と関わりを持つことで、進は理想と現実の狭間で苦悩する。

要約
本作は、単なる暴力描写にとどまらず、若者たちの反発心や孤独を描き出す。進たちは、自分たちの「正しさ」を信じて暴力に訴えるが、その選択がもたらす現実の残酷さが強調される。映画は、2000年代初頭の日本社会をリアルに反映し、暴力を「正義」と考える彼らの姿には切なさが残る。特に、窪塚洋介の演技は圧巻で、作品は極端な思想に対する鋭い社会批判を展開し、観る者に「何を信じて生きるのか」という普遍的な問いを投げかける。

ナショナリストを語る3人は右翼団体の闇を垣間見る──映画『凶気の桜』レビュー福田 光宏

福田 光宏

非常に面白かった。池袋ウエストゲートパークとどちらが早いか分からないが、窪塚洋介が一番乗ってた時期の作品。

主人公たちや右翼団体のトップたちが、ちゃんと散々な結末を辿る。

本作に出た消し屋は他の小説にも登場するらしく、彼にも何らかの結末が会ってほしいと思う。

消し屋に憧れた市川が、戦争の火種に使われるのは1番酷かった。

—2002年に公開された映画『凶気の桜』は、渋谷を舞台にした異色の青春バイオレンスドラマだ。監督は薗田賢次、主演には当時カリスマ的人気を誇っていた窪塚洋介。暴力、ナショナリズム、そして若者たちの空虚な叫びを、リアリズムとスタイリッシュさで鮮烈に描いている。あらすじ主人公・山口進(窪塚洋介)は、渋谷で生まれ育った若者だ。混沌とする現代日本に対し、彼は「本物の愛国心」を取り戻すべきだと強く信じている。戦後社会の中で失われた倫理観や、価値観の多様化によって歪んでしまった現実に憤りを覚える進は、小菅(須藤元気)、市川(RIKIYA)と共に、自ら立ち上げたナショナリスト集団「ネオ・トージョー」のリーダーとして街の「浄化活動」を始める。彼らのモットーは「暴力こそ正義」。その過激な思想と行動は、次第に渋谷の裏社会にも波紋を広げ、右翼系暴力団・青修同盟の会長である青田(原田芳雄)の目に留まる。青田に気に入られた進は、やがて彼の思想や行動に疑問を抱きつつも、組織的な抗争の渦へと飲み込まれていく。若者たちの迷走と信念『凶気の桜』が描くのは、単なる暴力や反社会的行動ではない。そこには、自分たちなりの“正しさ”を信じ、理想を追い求める若者たちの不器用で過激な生き様がある。進たちは、社会への反発心や孤独、そしてどこにもぶつけようのない怒りを「愛国」という形に変えて、暴力に訴える。だがその行き着く先には、彼らの理想と現実のギャップが残酷なまでに突きつけられる。鋭い社会批判とスタイリッシュな映像美この作品は、2000年代初頭の東京の空気感を見事に映し出している。渋谷という街が持つエネルギーと危うさを背景に、無秩序な若者たちの思想と衝動を鋭くえぐるように描いている点も見逃せない。暴力描写は容赦ないが、それを正義として信じる彼らの姿には、どこか切なさと純粋さが感じられる。また、窪塚洋介の狂気と繊細さをあわせ持つ演技は圧巻で、須藤元気やRIKIYAといった異色キャストも作品の雰囲気を一層強烈にしている。結びに『凶気の桜』は、今の時代にこそ改めて観るべき映画かもしれない。極端な思想や暴力をテーマにしながらも、その奥にあるのは「何を信じて生きるのか」という普遍的な問いだ。現代社会の歪みの中で、自分の信じる道をどう選ぶか。進たちの選択が、観る者の胸に重く問いかけてくる。—

福田 光宏



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