ドイツ銀行は、構造的なドル下落トレンドにより、今後数年間で米国通貨は対ユーロで過去10年以上の最安値水準まで下落すると警告している。

  同行のストラテジスト、ジョージ・サラベロス氏とティム・ベイカー氏は、ドイツの財政強化や米国の世界での役割の変化に加え、米国の関税の悪影響により、投資家が米国資産を手放し、ドル相場は下落に転じると指摘した。

  米国の政策に対する不透明感が高まり、世界の基軸通貨としてのドルの地位が疑問視される中、ドルは今週前半、16カ月ぶりの安値まで下落した。ブルームバーグ・ドル・スポット指数は4月に入り4%近く下落し、過去2年間で最悪の月となった。

  ドイツ銀行のストラテジストらは、リポートで「ドルの大きな下落トレンドが始まる前提条件が整った。ここ数カ月の歴史的な展開を考慮すると、ユーロ・ドル相場は長い下降サイクルに入ると予想している」との見方を示した。

Deutsche Sees Euro Rally To $1.30 as Dollar Weakens

 

 

  ドイツ銀行は現在、ユーロが2027年末までに1ユーロ=1.3ドルまで上昇するとみている。過去にこの水準を付けたのは2014年で、ブルームバーグがまとめた予想中央値1ユーロ=1.15ドルを大きく上回る。同行は円も1ドル=115円と、2022年以来の円高水準になると見ている。1カ月前の同行の予想は、ドイツ銀行はそれぞれ1ユーロ=1.15ドル、1ドル=125円だった。

  ストラテジストらは、ユーロは「安全な逃避先への資金流入」や、欧州への投資拡大を目指す外貨準備マネジャーの恩恵を受けるとしている。ユーロは今月5%以上上昇しており、今週、1ユーロ=1.15ドルを超えた。

  ゴールドマン・サックスのグローバル外為・金利・新興市場戦略責任者のカマクシャ・トリベディ氏も今週、ブルームバーグテレビジョンのインタビューで、ドル安が「今後も続く」との見解を示した。

原題:Deutsche Sees ‘Major’ Dollar Decline as Investors Dump US Assets (抜粋)

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