資産家で著名投資家のスタンレー・ドラッケンミラー氏率いる投資会社は、年初にアルゼンチン株が史上最高値を記録した後、同国株に連動する上場投資信託(ETF)の保有を一部減らした。
デュケーヌ・ファミリーオフィスは、引き続き12億ドル(約1700億円)規模のグローバルX・MSCIアルゼンチンETFの主要保有者の一角を占める。規制当局への届け出によると、1-3月に保有口数を19%減らし、44万3800口とした。
このアルゼンチンETFは、ここ2年間で2倍余り上昇し、新興国市場の他のETFを上回るパフォーマンスを示している。背景には、ミレイ大統領が南米2位のアルゼンチン経済の立て直しに成功するとの期待感がある。また、他のアルゼンチン資産では、ドル建て国債が昨年、新興国市場で最も好調な投資対象の一つだった。投資家がアルゼンチン国債を保有する際に求める上乗せ利回りは大幅に低下した。
ブルームバーグがまとめたデータによると、デュケーヌ・ファミリーオフィスは2024年初頭からこのポジションの構築を開始した。
アルゼンチン経済は、緊縮財政によってもたらされた深刻な不況から回復しつつある。インフレは鈍化し、国際通貨基金(IMF)からの資金流入が増加する中、ミレイ氏は為替市場の規制を解除することが可能になった。
それでも、ウォール街ではミレイ大統領とそのチームは外貨準備をさらに積み増す必要があるとの見方が強い。当局はペソが1ドル=1000ペソの水準に上昇するまでは、外貨準備の積み増しは行わない方針だ。ブルームバーグのデータによると、ペソは1ドル=約1145ペソで推移している。
もう一つの大きな懸念は、リバタリアン(自由至上主義者)であるミレイ氏が今年後半に予定されている中間選挙で議会の支持を拡大できるかどうかだ。この選挙は、アルゼンチン国民が引き続き同氏の緊縮財政政策を受け入れる意思があるかどうかを測る重要な試金石とみなされている。
原題:Druckenmiller Pared Argentina ETF Bet After Record-Setting Rally(抜粋)
🧠 編集部の感想:
ドラッケンミラー氏がアルゼンチンETFの保有を縮小したことは、投資家の利益確定やリスク管理の重要性を示しています。アルゼンチン経済の回復に期待が寄せられる中での行動は、慎重な姿勢を反映しているように思います。今後の政治情勢や経済指標に注目が集まる中、さらなる波乱の可能性も否めません。
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