土曜日, 5月 24, 2025
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トランプ氏、EUと海外製スマホへの関税賦課警告-金融市場再び動揺 – Bloomberg


トランプ米大統領は23日、欧州連合(EU)からの輸入品に6月1日から50%の関税を課す考えを示した。またスマートフォンへの25%の関税賦課案についても、全ての海外製デバイスに適用されると述べた。貿易戦争をさらに激化させ、市場の動揺を誘い、企業に混乱をもたらしている。

  トランプ氏は23日、EUとの交渉が引き延ばされていると非難し、米企業が訴訟や規制によって不当に標的にされていると改めて主張。6月1日に発動予定の追加関税をEUが回避できる可能性については懐疑的な姿勢を示し、「合意は成立した。50%だ」と強調した。

  大統領執務室で記者団に対し「彼らは正しいやり方をしていない。そろそろ、私のやり方でゲームを進める時だ」と主張した。

  これとは別に、アップルが「iPhone」を米国内で製造しない場合、同社に対して少なくとも25%の関税を課すと表明。その後、アップルのみならず韓国のサムスン電子を含む全ての携帯電話メーカーに対し、米国内で製造されていない製品には25%の関税を賦課すると警告した。

  「そうでなければ不公平だ」とトランプ氏は語った。

海外製スマホへの関税賦課について語るトランプ米大統領

Source: Bloomberg

  トランプ氏が欧州との「ディールを求めていない」と発言したことを受け、株価は下げ幅を拡大。S&P500種株価指数が0.7%安と4日続落したほか、ナスダック100指数は0.9%、ダウ工業株30種平均は0.6%それぞれ下落した。アップルはテクノロジー株への売りを主導し3%余り下げた。

  これに先立ち、トランプ氏は自身のソーシャルメディア、トゥルース・ソーシャルに「貿易において米国を搾取することを主な目的として設立されたEUは、対応が非常に難しい」と投稿。EUの「強力な貿易障壁、付加価値税、ばかばかしい企業罰則、非通貨的な貿易障壁、通貨操作、米国企業に対する不公正で不当な訴訟」を批判した。

  トランプ氏の投稿後、ベッセント米財務長官はFOXニュースの番組で「大統領は、EUの提案は他の主要な貿易相手と比べて質的に劣っていると考えている」と説明。「今回の措置がEUに対する強い刺激となり、交渉が前進することを期待している」と語った。

関連記事:ベッセント氏、貿易合意「次々発表されるだろう」-90日猶予終了に向け

  アップルを巡ってはトランプ氏は、「私はティム・クック最高経営者(CEO)に対し、米国で販売されるiPhoneはインドやその他の国ではなく、米国で製造・組み立てられることを期待していると以前から伝えている。そうならない場合、アップルは米国に少なくとも25%の関税を支払わなければならない」と投稿した。

  アップルはこれまでも、製造業の雇用を米国に戻すと主張するトランプ氏の批判の的になってきた。iPhoneのサプライチェーンを長年にわたり中国に依存してきたアップルにとって、トランプ氏の要求はかなりの難題となる。

関連記事:アップルへの圧力強めるトランプ氏、iPhone国外生産なら「25%関税」

  今回のトランプ氏の一連の発言は、通商交渉をめぐる新たな駆け引きと受け止められている。同氏は先週、貿易相手国・地域に対する関税率を「向こう2-3週間以内に」決定すると述べ、全ての相手国と協定を交渉するだけの余力が政権にはないと説明していた。

  EUは今週、交渉の再開を図るため、米国に新たな通商提案を伝えた。事情に詳しい関係者によると、EUの新たな枠組みには、国際的な労働権、環境基準、経済安全保障、影響の少ない農産物・工業製品に対する双方の関税を段階的にゼロにするなど、米国の利益も考慮した提案が含まれている。

  だが、米国側はこの提案に不満を持っている様子だ。ラトニック商務長官は21日、ニュースサイト「アクシオス」のイベントで、一部の貿易交渉は「不可能」なことが判明したと述べていた。

  欧州委員会の報道官は今回のトランプ氏の投稿前の段階で、シェフチョビチ欧州委員(通商担当)が23日にグリア米通商代表部(USTR)代表と電話協議を行い、交渉の進捗状況を確認する方針だとしていた。

Trump Plans To Rally Fractious House Republicans On Tax Cut

トランプ米大統領

Source: Bloomberg

  アイルランドのマーティン首相は、トランプ氏の今回の動きについて「極めて遺憾だ」と表明。Xへの投稿で同首相は「関税は全ての当事国・地域にとって損害をもたらす。交渉による解決こそが双方、さらには世界貿易全体にとって最良の結果だ」と強調した。

   スウェーデンのスバンテソン財務相は、「米欧両方の経済を傷つけ得る理不尽なエスカレート」だとトランプ氏の投稿について表現し、「われわれが必要としているのは自由貿易の拡大で、縮小ではない」と主張。フランスのサンマルタン貿易担当相は「欧州はこれまでと同じ姿勢を維持する。対立緩和を目指すが、対抗措置をとる用意はあるということだ」とXに投稿した。

関連記事:関税50%をトランプ氏が示唆した欧州、首脳ら「冷静さ」呼び掛け



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🧠 編集部の感想:
トランプ氏の関税引き上げの発表は、さらなる貿易戦争の激化を懸念させます。企業や市場に与える影響は計り知れず、特にアップルなどのテクノロジー企業への影響が懸念されます。交渉の行方が不透明な中、冷静な対応を求める声が高まることが期待されます。

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