トランプ米大統領は25日、ロシアとウクライナとの停戦に向けた協議について、双方が合意に「非常に近い」との認識を明らかにした。ウィトコフ米特使とプーチン大統領がモスクワでこの日行った4度目の会談を受け、トゥルース・ソーシャルに投稿した。
トランプ大統領は「ロシア、ウクライナとの協議、会談は順調だった。彼らは合意に非常に近い。両者は今こそ非常にハイレベルでの協議を行い、『合意をまとめる』べきだ」とコメントした。
「主要な点でほぼ合意が成立している。流血を直ちに止めろ。この残虐で無意味な戦争の終結を促すために必要であれば、どこにでもわれわれは赴く」とトランプ氏は訴えた。
トランプ政権は、ウィトコフ特使とプーチン大統領との25日の会談などを通じて、ロシアとウクライナに停戦を迫る圧力を強めている。
ロシア大統領府はこの日、ウィトコフ氏がプーチン氏に挨拶し、両氏が席に着く短い動画を公開。ウシャコフ大統領補佐官(外交政策担当)とドミトリエフ大統領特別代表(経済協力担当)も同席した。
ウシャコフ氏はモスクワで記者団に対し、3時間に及んだ会談は「建設的」で、ウクライナを含む複数の問題で米ロの立場は近づいたと説明した。プーチン氏とウィトコフ氏は、ロシアとウクライナの直接対話再開の可能性も協議したという。
ブルームバーグ・ニュースは24日、米国がロシアに対し、ウクライナが独自の軍隊と防衛産業を持つ権利を認めるよう求める方針と報じた。
近く大統領就任100日を迎え、戦争終結を急ぐトランプ米大統領は23日、ウクライナのゼレンスキー大統領を非難し、和平案を受け入れるよう圧力を強めた。この和平案については、ロシアに有利に働くとの批判がある。
ウクライナとその欧州支援国の要求にロシアが応じ、ウクライナの軍事力維持に同意するなら、プーチン氏がこの戦争の主要目標の一つに掲げていたウクライナの「非軍事化」を断念することを意味する。

米国のウィトコフ特使
Photographer: Anna Moneymaker/Getty Images North America
ブルームバーグのこれまでの報道によると、米国が提示する和平案のこのほかの内容は明らかにロシア寄りだ。ロシアによる2014年のクリミア併合を承認し、戦線を現状で凍結させ、ウクライナの南部と東部の広い地域をロシアが支配し続けることを事実上認める。ウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟も拒否する。
国際社会は、違法な併合に正当性を与えないよう、クリミアをロシア領と認めることに抵抗してきた。ゼレンスキー氏は、ロシアに領土を譲らないと繰り返し述べている。
トランプ氏は25日に公開された米誌タイムとのインタビューで、「ウクライナがいつかNATOに加盟できるようになるとは思わない」と発言。「クリミアはロシアのままだ。(ゼレンスキー氏も)それは理解している」と語った。
トランプ氏は24日、この戦争で「双方に」大きな圧力をかけていると述べ、プーチン氏が「合意を望んでいると思う。すぐにわかるだろう」と続けた。ロシア側から提示された譲歩について問われ、トランプ氏は「戦争をやめ、国全体の占領をやめれば、かなり大きな譲歩だ」と答えた。
ロシアのラブロフ外相はCBSニュースのインタビューで、なお交渉が必要な点があるとした上で、合意に向けて「正しい方向に進んでいるサインが複数ある」と述べた。
交渉が続く一方でロシアはウクライナに対する攻撃を継続。今週は首都キーウなどを標的とした今年最大のミサイル・ドローン攻撃があり、少なくとも12人が死亡した。また、ロシア当局によると、モスクワ州で25日に自動車に仕掛けられた爆弾が爆発し、ロシア軍参謀本部作戦総局のモスカリク副局長が死亡した。
原題:Putin Meets Trump Envoy Witkoff for Talks on War in Ukraine (3)(抜粋)
(トランプ大統領の投稿内容を追加して更新します)
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