これまでアメリカ政府が難色を示していた日本製鉄によるUSスチール買収計画について、トランプ大統領が両社の提携を承認したことがわかりました。トランプ大統領、および両社はいずれも「買収」ではなく「提携」と表現しています。
U. S. Steel Statement on President Trump’s Leadership – www.ussteel.com
https://www.ussteel.com/newsroom/-/blogs/u-s-steel-statement-on-president-trump-s-leadership
Trump approves Nippon purchase of US Steel – POLITICO
https://www.politico.com/news/2025/05/23/trump-approves-nippon-purchase-us-steel-00368171
USスチール買収計画 トランプ大統領 日本製鉄とのパートナーシップを承認する意向 | NHK | 日本製鉄 USスチール
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250524/k10014815311000.html
トランプ大統領はSNS・Truth Socialの自らのアカウントに、日本製鉄とUSスチールの件について以下のような内容の声明を投稿しました。
「多くの検討や協議を重ねた結果、『USスチールがアメリカにとどまり、ピッツバーグの本社を維持する』ことを、私は誇りを持って発表します。長年にわたり、『United States Steel』の名前は偉業の代名詞となっていました。そして今、再びそうなるのです。これは、USスチールと日本製鉄の間で計画されたパートナーシップで、少なくとも7万人の雇用が創出され、アメリカ経済に140億ドル(約2兆円)をもたらします。投資の大部分は、今後14カ月の間に行われます。これは、ペンシルベニア州史上最大の投資となります。私の関税政策は、鉄鋼が再び、そして永遠に、『メイド・イン・アメリカ』であることを保証します。ペンシルベニア州からアーカンソー州まで、そしてミネソタ州からインディアナ州まで、『アメリカ製』が帰ってきます。2025年5月30日、ピッツバーグにあるUSスチール本社で、盛大な集会を開きましょう。みなさん、おめでとうございます!」
トランプ大統領の発表に先立ち、USスチールは「トランプ大統領は豪胆なリーダーであり、アメリカやアメリカの労働者、アメリカの製造業のために、最善の取引をする方法を知っているビジネスマンでもあります」と、トランプ氏のことを絶賛。
また、「USスチールはアメリカ企業であり続け、日本製鉄との提携を通じて、今後4年間で巨額の投資や新技術、数千の雇用を得ることで、より大きく、より強く成長します。USスチールは、トランプ大統領のリーダーシップと、何千人もの鉄鋼関係者と象徴的企業の将来に対する個人的配慮に大いに感謝します」とも述べました。
なお、日本製鉄は「日本製鉄とUSスチールのパートナーシップを承認されたトランプ大統領のご英断に心より敬意を表します」との声明を出したとのことです。
日本製鉄によるUSスチールの買収は、2025年1月にバイデン前大統領によって正式に阻止されており、USスチールのデビッド・ブリットCEOはバイデン氏の声明を「恥ずべき、腐敗したもの」と表現していました。
日本製鉄によるUSスチール買収に対するバイデン大統領の阻止行動にUSスチールCEOが「恥ずべき腐敗したもの」「中国共産党指導部が喜ぶ」と怒りの声明 – GIGAZINE
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🧠 編集部の感想:
トランプ大統領が日本製鉄とUSスチールの提携を承認したことは、アメリカの製造業にとって大きな前進です。雇用創出や経済成長が期待される一方で、国際的な製鉄市場の動向にも注目が集まります。この提携がもたらす影響が、新しい産業政策の一環としてどのように展開されるのか興味深いです。
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