
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)をきっかけに、世界中がトイレットペーパーの供給障害を経験したのはそれほど昔のことではない。だが今、トランプ米大統領の関税政策により再び混乱が生じる恐れが出ている。
そう指摘するのは、ブラジルの製紙大手スザノだ。同社は、トイレットペーパーを含む紙製品の原料であるパルプの世界最大の輸出業者。ジョアン・アルベルト・デ・アブレウ最高経営責任者(CEO)はインタビューで、輸出関税によりブラジルから米国へのパルプの出荷が落ち込んでいると説明。同社は現在、関税のコストを米国の買い手に転嫁していると付け加えた。
関税が紙のサプライチェーンにどの程度深刻な影響を与えるかについて判断を下すのは時期尚早だが、パルプへの影響は、貿易摩擦が生活必需品の国際物流をいかに混乱させ得るかを示す最新の例だ。ブラジル政府のデータによれば、広葉樹さらしパルプの対米輸出は4月、前年同月比で20%減少した。スザノは広葉樹さらしパルプを生産している。
同社のエグゼクティブ・バイスプレジデント、レオナルド・グリマルディ氏は、アナリストとの電話会議で、米国の関税政策によって生じた不確実性が消費者心理や交渉に影響していると指摘した。
原題:Toilet Paper Supplies Are Now at Risk Under Trump’s Tariffs (1)(抜粋)
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