「トイレットペーパーはの正しい掛け方は表向きですか?それとも裏向きですか?」
どちらかが正しいと信じ切っている人もいることでしょう。
このシンプルな日常品の“向き”をめぐって、世界中で様々な論争が繰り広げられてきました。
しかし実は、現在では当たり前の「穴あきトイレットペーパー」の特許図面を見るなら、どちらが「正しい掛け方」なのか知ることができます。
本記事では、トイレットペーパー論争の歴史とそれぞれの立場の主張、そして特許が示す結論について解説します。
目次
- どっちが正しい?トイレットペーパーの掛け方論争
- 特許が示すトイレットペーパーの向きの“決定的証拠”とは?
どっちが正しい?トイレットペーパーの掛け方論争

一見どうでもよさそうなトイレットペーパーの「向き問題」ですが、実は生活習慣、心理、家庭内秩序にまで影響を与える深いテーマなのです。
トイレットペーパーの掛け方は主に2つに分かれます。
「表向き」とは、紙の端を壁から離してかけ、ロールの上から引き出す方法です。
「裏向き」とは、紙の端を壁のそばにかけ、ロールの下から引き出す方法です。
表向き派は、紙が前方に垂れる掛け方を好みます。
このスタイルは清潔さ、視認性、使いやすさの面で優れていると主張されます。
実際、ホテルやレストランの多くがこの表向きを採用しており、三角折りによって部屋を清掃したことをアピールすることもできます。

また、壁に紙が触れにくいため衛生的で、シートの先端が見えるためすぐに掴めるという利点があります。
一方、裏向き派は、紙が壁側に垂れる掛け方を支持しています。
このスタイルは、子供やペットのいたずらを防止しやすいという理由から選ばれています。
紙が視界から隠れるため、空間の見た目が整って見えるという声もあります。
どちらの主張にも理があり、生活スタイルや価値観によって支持が分かれるのも納得できる話です。
ちなみに、2020年代の複数の世論調査によれば、アメリカでは70%以上の人が「表向き」を好むという結果が出ています。
あなたはどちら派ですか?またどちらが正しい掛け方だと感じていますか?
実は、「トイレットペーパーの正しい掛け方」は、「最初の穴あきトイレットペーパー」の画像からいくらか理解を得ることができます。
特許が示すトイレットペーパーの向きの“決定的証拠”とは?
この終わらない論争にひとつの歴史的証拠が提示されました。
それが、1891年にアメリカ人のセス・ウィーラー氏が取得した「穴あきトイレットペーパー」の特許です。
The patent for toilet paper should settle the over vs under debate pic.twitter.com/arZl6l6ALn
— Owen Williams ⚡ (@ow) March 17, 2015
穴あきトイレットペーパーのアイデアはもともと1871年に特許が取得されましたが、その後、無駄を防ぐ方法として、1891年にロールの形で再度特許が取得されたのです。
この特許には、ホルダーにセットされたトイレットペーパーが明確に「表向き」で描かれています。
この図面が近年SNSを通じて再発見・拡散され、「ほら見たことか! 表向きが正解だ!」と注目を集めました。
Googleが提供する特許データベース「Google Patents」には、トイレットペーパーを使用する際の一連の図も掲載されています。

つまり、特許に基づいて、あえてどちらの掛け方が正しいかを判断するなら、「表向き」が正解だと言えます。
とはいえ、これは便宜上の図ではないかという意見もあります。
実際にこの特許画像は、ペーパーのミシン目について表現・解説しており、正しい向きを示すというよりも機能を説明することが目的なのかもしれません。
そして、すべてのトイレ環境でこの特許図面どおりに機能するわけではありません。
子供やネコがいる家庭では、「裏向き」が明らかに実用的な場合もあるのです。
ちなみに、この「トイレットペーパーの掛け方論争」は、心理学や社会学の研究対象にもなっています。
「自分と違う掛け方を見るとイライラする」「ルールが曖昧な場で自分の正しさを主張する」など、人間のささいな違いにこだわる心理が如実に表れるテーマでもあるのです。
あなたは、どちらの掛け方が正しいと感じていますか?
参考文献
This 134-Year-Old Patent Reveals The Proper Way to Hang Toilet Paper
https://www.sciencealert.com/this-134-year-old-patent-reveals-the-proper-way-to-hang-toilet-paper
Wrapping or tolier paper roll
https://patents.google.com/patent/US459516
ライター
大倉康弘: 得意なジャンルはテクノロジー系。機械構造・生物構造・社会構造など構造を把握するのが好き。科学的で不思議なおもちゃにも目がない。趣味は読書で、読み始めたら朝になってるタイプ。
編集者
ナゾロジー 編集部
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