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データ分析スキルを高める方法とは?本質的な思考法についてコアテックのマーケティングブログ

🧠 概要:

概要

この記事では、データ分析スキルを高めるための思考法と具体的なアプローチについて解説しています。コアテックのマーケティング部門が自社メンバーのデータ分析に関する疑問に答える形で、各メンバーが実践している方法を紹介し、特に有意義な分析のために必要なステップと考え方について詳述しています。最後に、AIの技術発展に対するデータ分析の重要性についても触れています。

要約 (箇条書き)

  • 目的の明確化: データ分析の前に明確な目的を設定することが不可欠。
  • ロジックツリー x MECE: 問題を構造的に理解するために、ロジックツリーを用い、漏れなくダブりのない(MECE)分析を心がける。
  • なぜなぜ分析: 繰り返し「なぜ」を問い、根本的な原因を探る分析手法を取り入れる。
  • 仮説・検証思考: 仮説を立て、その仮説に基づいてデータを収集し、無駄な工数を避けるアプローチ。
  • 基本のプロセス: データ分析は、「目的→課題設定→仮説構築→データ収集→分析→解釈→アクション→評価」の8ステップで行う。
  • 統計学の基礎理解: 平均値、中央値、相関関係など、基本的な統計知識を身につけることが重要。
  • 多角的視点: 複数のデータを組み合わせ、全体像を把握することで本質的な課題を明らかにする。
  • 仮説検証の姿勢: 仮説を立て直し、分析を繰り返すことで理解を深めることが強調されている。
  • データ可視化スキルの重要性: データを可視化することで、新たな洞察を得やすくなる。
  • AI技術の発展: データ分析のスキルは依然として重要であり、AIの活用における問題設定がより一層求められる。

この記事では、データ分析が必要不可欠なビジネススキルであり、持続的な学習と実践が大切であることを強調しています。

データ分析スキルを高める方法とは?本質的な思考法についてコアテックのマーケティングブログ

コアテックのマーケティングブログ

2025年6月5日 20:40

こんにちは、大原です。
株式会社コアテックの Webマーケティング事業部でCMD(チーフマーケティングディレクター)をしています。

Webマーケティング事業部の他にもMarketing Innovation Unit(以下MIU)という事業部を見ており、MIUの取り組みの一つとして、マーケティングに関する社内の相談窓口を運用しています。

Notionにて運用しているSEO相談窓口

今回は、データ分析に関する良い質問があったので、ブログにして発信することにしました。(質問者に許可取り済み)
データ分析スキルを高めたい方の参考になれば幸いです。

質問データ分析スキルを高める方法

資料作成の際にデータを出しても、そこから背景を読み取ったり考察したりすることがうまくいかず、課内で相談したところ、他のメンバーもデータ分析のスキルを上げるのに苦戦しているといった声が上がりました。データ分析のスキル向上に役立ったコンテンツや本、またはこういう勉強をした、こういうことを意識しているなど知見がありましたら教えていただきたいです。

個人の相談というより、MIUのメンバーがどういうことを意識しているのか気になるという声が課内で出たので、初心者にフォーカスしたアドバイスでなくても構いません。どうぞよろしくお願いします。

Hさんからの質問

とても良い質問ですね。
うまくいかないことをそのままにせず、周りを巻き込んで話し合い、周りの課題をキャッチアップして解決するためのアクションを起こしている点が特に素晴らしいと思いました。

回答データ分析スキルを高める方法

相談窓口は私とKさんの2名で運用しており、今回の相談は「MIUのメンバーがどういうことを意識しているのか気になる」ということだったので、それぞれ個別に回答を作成し、内容をまとめました。

私の回答

前提として、データ分析の定義を確認します。
Wikipediaの「データ解析(データ分析)」の説明では、以下のように定義されています。

データ解析は、データ分析とも呼ばれ、有用な情報を発見し、結論を報告し、意思決定を支援することを目的として、データを検査し、クリーニングや変換を経て、モデル化する一連のプロセスである。

引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/データ解析

記載の通り、データ分析は

  • 表層的な変化ではなく、データから根本要因の特定や解決策を提示し、新たな知見を得ること

  • 分析結果から次のアクションに繋がる適切な意思決定ができること

を目的として行い、これを満たす分析は有意義なものになります。

この定義を満たす「有意義なデータ分析」を行うために、個人的に意識していることは以下の4つです。

  • 目的の明確化

  • ロジックツリー × MECE

  • なぜなぜ分析

  • 仮説→検証思考

目的の明確化

分析の前には、必ず目的を明確にしてからデータを見るようにしています。

目的がなかったり、ざっくりしすぎていたりすると、

  • 分析に必要なデータの種類や期間が定まらず、無関係なデータを収集するなど無駄な工数が発生してしまう

  • 分析結果を見ても、「この結果が何を示しているのか」「どのように次のアクションに繋げるべきか」が分からず、データから得られる示唆や考察が弱くなってしまう

このように、有意義な分析ができなくなります。

目的を明確にすることで、

  • 必要なデータや分析の手順・方向性が定まり、適切な方法で分析できる(無駄な工数が発生しない)

  • 分析結果の解釈が明確になり、次のアクションや意思決定がスムーズになる

というメリットがあり、目的の明確化は有意義なデータ分析において必要不可欠です。

そのため、まずは分析の目的を明確にすることが重要になります。

ロジックツリー × MECE

データ分析の際には、ロジックツリー × MECE のフレームワークで考えることが多いです。

ロジックツリーとは、問題をツリー状に分解することで、その原因や解決策を論理的に導き出すフレームワークです。ロジックツリーを使うことで、一つの事象の原因や構造、流れが明確になり、問題の全体像を把握することができます。

これにより、問題の根本的な原因を特定することができ、適切な打ち手を考えることができます。

出典:ロジックツリーとはロジックツリーの作り方と具体例図解 – Mission Driven Brand

ただし、これには MECE という考え方とセットでロジックツリーを考える必要があります。
MECE(ミーシー)とは、「漏れなく、ダブりなく」という意味で、 Mutually(お互いに)Exclusive(重複せず)Collectively(全体的に)Exhaustive(漏れがない)の頭文字を取った言葉です。

なぜ MECE が重要かというと、ロジックツリーの要素に漏れがある場合、根本的な原因の特定ができなかったり、誤った打ち手を選択してしまったりすることに繋がるからです。
また、要素に重複がある場合、無駄な分析が発生してしまい、分析精度の低下に繋がります。

MECE にロジックツリーを用いることでデータ分析の精度を上げることができるため、分析の際には「ロジックツリー × MECE 」を意識することがおすすめです。

なぜなぜ分析

なぜなぜ分析も、データ分析の際に(特に関連する事象を構造化する際に)意識して用いることが多いです。

なぜなぜ分析とは、「なぜ」という問いかけを繰り返すことで、根本的な原因を探る分析手法です。
問題に対して原因を見極め、さらにその原因に対して「なぜ?」を問うことを繰り返し、直接的な原因だけでなく背後にある根本的な原因を特定します。

出典:5回の「なぜ」で導き出す「なぜなぜ分析」とは?キーエンス

以前、「技術・SEO情報 交流部屋」(※社内の情報共有スレ)で共有しました『解像度を上げる』において、「深さ」が足りないことで課題の解像度が低くなり、適切な打ち手が選択できなかったり、方向性にズレが生じてしまったりするとお話しました。
参照:解像度を上げる 🔬 – Speaker Deck

この「深さ」とは、一つの事象をどこまで掘り下げて詳細に把握しているか、というロジックツリーの深度的な考え方です。
有意義な分析に必要な深さを十分に担保するためには、「なぜ?」を繰り返して事象を深堀りしていくことが有効だと思います。

仮説→検証思考

仮説・検証思考は分析の際に常に意識しており、データ分析において最も重要な考え方だと思っています。理由を以下で説明します。

仮説・検証思考を用いずに分析を行った場合、問題に関連するデータを網羅的に収集し、それらを分析することで新たな気づきを得て結論を導き出します。このケースでは、どこに根本的な要因が隠れているか分からない状態で総当たり的にデータを見るため、膨大なリソースが必要となります。また、最悪の場合、そもそも準備すべきデータに不備があり、総当たり的にデータを見ても結論を導き出せないケースも考えられます。

つまり、膨大なリソースが必要にも関わらず、有意義な分析ができるかどうかが最後まで分からないという点で非効率なアプローチになってしまうリスクがあります。

一方で、仮説・検証思考を用いて分析する場合、分析の前に仮説が先行するため、「仮説を検証するために必要なデータを集める」というアプローチになります。これにより、無駄な手間がかからず、リソースの削減と分析速度の向上を図ることができます。

つまり、限りあるリソースの中でできる限り早く結論にたどり着くためには、仮説・検証思考が必要だということです。

また、仮説・検証思考は、データ分析のスキルを上げるためにも重要な考え方だと思います。
なぜなら、ある事象に対して仮説を立てて検証することで考察が生まれ、それを繰り返すことで仮説の精度も高まり、分析において「アタリをつける」ことができるようになり、効率的に精度の高い分析ができるスキルが身につくからです。

この「アタリをつける」=「初期仮説の精度を高める」には、もちろん仮説・検証の試行回数を増やすことは必要ですが、サービス全体像の理解を深めることも重要です。
問題に対するステークホルダーを把握し、そのそれぞれがどのような力学で動いているのかを理解することで、対峙する問題の重要度を踏まえたうえで精度の高い仮説を立てられるようになります。

以上、データ分析の際に個人的に意識していることをまとめました。
あくまで個人の意見ですが、データ分析以外にもビジネススキルとして参考になる点もあるかと思いますので、ぜひ参考にしてみてください。

また、上記の思考をインプットするのに役立った書籍を2冊共有します。

  • イシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」

ご参考までに。

Kさんの回答

データ分析スキルとひと口に言っても幅が広いので、特にデータ分析における基本的なプロセスと、データを読み取る力を向上させるためのアプローチについて、個人的に意識していることを回答いたします。

データ分析の基本プロセス体系化

まず、データ分析においては “正しい手順で実行すること” が重要です。分析の基本フローとして「目的→課題設定→仮説構築→データ収集→分析→解釈→アクション→評価」という8つのステップが有効です。

下記の記事の解説が非常にわかりやすく、仮説の立て方・検証の方法・結果の解釈の仕方などの基本を身につけることができます。

特に、下記のステップ表については、ぜひとも頭に入れておきたいところです。

出典:【ゼロから始めるデータ分析#1】データ分析初心者がまず知るべき「分析の8ステップ」 | 株式会社サイカ

一番最初に「目的」があるからこそ、その目的を達成するために必要な「課題」を設定し、課題解決のための「仮説」を立てることができます。

そして、その仮説を検証するために必要な「データ」を集めて「分析」し、目的に立ち返って「解釈」することで、次のアクションに繋げていくことができます。

つまりデータ分析というのは、単に数字を見るだけではなく、目的からアクションまでを一気通貫で考えることが大切だということです。

データ解釈力を強化する

次に、データを読み取る力を向上させるためのアプローチについてですが、
以下のようなことを意識すると良いと思います。

・統計学の基礎知識を習得しておく

データ読解力向上には、統計学の基本概念の理解が不可欠です。平均値・中央値・最頻値の違いや相関/因果関係の判別、標準偏差の意味など、基礎的な統計についてのリテラシーが分析精度を左右します。

以下の記事が、各用語を注意点含めて解説していて分かりやすいです。特に相関・擬相関についての解説セクションは非常に興味深いです。前提知識として知っているかどうかでデータの見え方も変わってくると思います。

・多角的な視点を持つ

1つのデータだけですぐに結論を出してしまうのではなく、他の関連データも併せて見ることで、本当の要因や課題が見えてくることもあります。単点で捉えず、全体を俯瞰する視点を持つことが大切です。

例えばサイトのアクセス分析を行う場合、以下のような多角的な視点が考えられます。

時系列分析日次・週次・月次のアクセス推移を見て、季節性や曜日効果を把握する

カテゴリ分析
カテゴリ別のアクセス構成比を分析し、強みや弱みを特定する

チャネル分析
 自然検索や広告、SNS など、集客チャネルごとの効果を測定する

顧客セグメント分析

新規顧客/既存顧客、会員/非会員、年齢層や性別などでのサイト内行動の違いを比較する

地域分析

地域ごとのアクセス傾向を把握し、地域特性を理解する

これらの視点を組み合わせることで、より深い洞察が得られます。例えば「東京に住む20代の新規顧客が、広告経由で美容関連商品を購入する傾向が強い」といった具体的な特徴を見出すことができます。

常に「他にどんな要因があるだろうか」「別の切り口で見るとどうなるだろうか」と考える習慣をつけることが、データ分析力向上の鍵だと言えます。

なお、データ分析の領域とはやや逸れるかもしれませんが、有用な記事があるので紹介します。

記事では、顧客インサイトを得るための具体的な方法として、矛盾から探る、ポジティブとネガティブから探る、フレームワークから探るなどが紹介されています。

特に、マクドナルドのアンケートの話や Dove のブランディングの話などは多角的視点が重要であると考えさせられる内容なので、一読の価値はあると思います。

・仮説検証を繰り返す

立てた仮説が正しいかどうかを検証し、新たな示唆を得たら仮説を立て直します。仮説はあくまで仮の説なので、それが間違っていても何も問題はありません。何回でも立て直しましょう。

この仮説検証のサイクルを繰り返し行うことで、データを深く理解して活用する力が身についていきます。

下記の記事の「仮説の立て方」の章が、例も交えていて分かりやすいです。

同記事でも触れられていますが、データから「気づき」を得るには勉強だけでは不十分で、業務に携わることで得られる「経験」と「勘」も必要になってきます。

自身が担当している媒体であればそうした気づきは得られやすいですが、担当していない媒体のデータ分析を行う場合は、どうしても知見に限りが生じてしまうため、できれば媒体担当者と協力してデータ分析を実施することをおすすめします。

・データ可視化を工夫する

データをグラフや図で可視化することで、傾向や特徴がつかみやすくなります。ツール(Excel・PowerPoint・LookerStudio・Google Sheets 等)を使いこなすスキルを身につけると同時に、どのようにすればわかりやすく情報が伝わるか、他の表現方法はないかを考えながら可視化するのがコツです。

以前、BI ツールを使ってデータ可視化する業務を遂行した際に、データを見た社員の方から多くのフィードバック(こういうデータを追加してほしい、こういう見せ方はできないか、等)をいただきました。

結果として、現場の方や意思決定者の方が求める形で図表やグラフを作成していくうちに、これまでの標準的な図やグラフからは見えてこなかった、新たな洞察を得ることができました。

また、複数の指標を組み合わせたダッシュボードを作成した際には、一見関係のなさそうな指標間に相関関係があることを発見し、新たな施策立案のヒントを得ることができました。

データ可視化は、単なる結果の表現手段ではなく、データ分析のプロセスの重要な一部であり、適切な可視化によって新たな仮説を生み出して、さらなる分析につなげることができると考えています。

以上のように、データ分析スキルを高めるには、基本的な考え方と流れを理解した上で、基礎知識・多角的視点・仮説検証力・可視化スキルを身につけていくことが大切です。

AI 技術の発展により自動化が進む現代においても、分析目的の設定や結果解釈における人間の判断力が重要性を増しています。

地道な学習と実践あるのみですが、マーケター・SEO担当者において必須のスキルではあると思うので、ぜひ継続して取り組んでいただければと思います。

以上が回答です。

おわりに

生成 AI の台頭によって、誰でも簡単にデータ分析ができる時代になりました。
しかし、データ分析のスキルが不要になったわけではなく、「問いを立てる力」や「適切な目的設定力」は、AI という武器を最大限活かすためにさらに重要になっています。

今回ご紹介したデータ分析の考え方は、AI 活用の文脈においても参考になる本質的なスキルなので、ぜひ自己学習に役立てていただければと思います。

コアテックのマーケティングブログでは、WebマーケティングやSEO、データ分析などのノウハウや社内事例を今後も紹介していく予定です。フォローやスキをいただけると励みになります。

一緒に働く仲間も募集しています。

最後までお読みいただきありがとうございました!

コアテックのマーケティングブログ

株式会社コアテックのマーケティングブログです。SEOを主軸としたマーケティング施策を通して得た知見やノウハウを発信していきます。



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