ウィスキー「ジョニー・ウォーカー」などで知られる英酒類メーカーのディアジオは19日、米国の関税対策として、3年間で5億ドルのコスト削減を行うと発表した。
発表によると、トランプ大統領の関税により、ディアジオでは現在の水準で年間1億5000万ドル(約217億円)のコスト増となり、このうち半分は軽減できるという。ディアジオは下半期には売上高の伸びが改善すると予想し、通年の見通しは維持している。
ディアジオの株価は19日のロンドン市場で一時2.9%上昇した。年初から16日までに、同社の株価は15%以上下落している。
競合他社と同様、ディアジオも最大の市場である米国の景気減速や、貿易摩擦の激化で消費者信頼感が悪化するリスクの影響を受けている。同社は2月、中期販売目標を撤回した。
ディアジオが19日に発表した1-3月期(第3四半期)決算は、買収・売却や為替変動の影響を除いたオーガニックベースでの売上高が前年同期比5.9%増で、アナリストの予想を上回った。北米の卸売業者が関税発表を前に、在庫を積み増したためだ。
1-3月期の成長が、関税発表を前にした駆け込み需要に支えられたため、ディアジオは最終四半期となる4-6月期の業績は弱含むと予想している。ただ、下半期全体の業績は上半期より改善する見込みだ。
ディアジオは、コスト削減の具体的な内容については明らかにしなかった。
原題:Diageo Plans $500 Million of Cost Cuts as US Tariffs Kick In (2)(抜粋)
🧠 編集部の感想:
ディアジオの5億ドルのコスト削減計画は、トランプ大統領の関税による影響を軽減するための重要なステップです。消費者信頼感の低下に対する競争力の維持が求められる中、同社が下半期の売上改善を見込んでいるのは前向きな兆しです。しかし、具体的な削減内容が不明な点は今後の戦略に対する不安を残します。
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