Deconstructeamは4月29日、短編ADV『Many Nights a Whisper』をリリースした。対応プラットフォームはPC(Steam /itch.io)。日本語にも対応している。Steamストア上のユーザーレビューには多くの好評レビューが投稿されているようだ。

『Many Nights a Whisper』は、インタラクティブな3人称視点のアーチェリーゲームだ。プレイヤーは、10年前に儀式の執行者に選ばれた「夢見人(ゆみびと)」となり、儀式執行の日まで、師の導きのもと訓練をこなしていく。
儀式の内容は、スリングショットで火球を放ち、聖杯を点火させること。成功すれば人々の願いがすべて叶えられ、今後10年間の繁栄が約束されるという。しかしながら失敗すれば、誰ひとり願いが叶うことはなく、10年間の厄災の時代が訪れる。すなわち、1発かぎりのスリングショットに人々の命運がかかっているわけだ。
プレイヤーは儀式執行までの数日間、日中にスリングショットの技術を磨いていく。球の軌道を見定めて射出方向や距離を計り、はるか遠くにある聖杯に火球を命中させていこう。また日が落ちた夜には人々の願いに耳を傾け、その願いが叶えるに値するかどうか、夢見人としての判断が委ねられる。

そんな本作のSteamユーザーレビューは本稿執筆時点で113件のレビューのうち、100%が好評の「非常に好評」ステータスを獲得している。失敗すればすべての願いが無に帰してしまう一度きりの儀式に対する緊張感があり、引きこまれると評判。また人々の願いを聞き入れるかどうかをはじめ、儀式以外にも一度きりの選択を迫られる場面が続くため、さまざまな倫理観が問われるナラティブな体験として好評を博しているようだ。
なお本作のプレイ時間は50~75分ほど。スペインに拠点を置くインディースタジオDeconstructeamとSelkie Harbourが共同で開発している。Deconstructeamは『The Red Strings Club』『The Cosmic Wheel Sisterhood』などのピクセルアート作品の印象が強いが、本作は一風変わってSelkie Harbourとの共同開発のもと3Dグラフィックで描かれている。Deconstructeamの過去作品でもたびたび楽曲を手がけたfingerspitのサウンドも相まって幻想的な世界観が構築されているようだ。
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