旅行のスタイルが多様化するなかで、Z世代が旅に何求めているもの。彼らは、単なる観光を超えて、よりパーソナルで、自己表現の場としての旅を求めているようだ。JTB総合研究所の「Z世代の暮らしと旅」(ライフスタイルと旅行に関する調査2025)調査からは、Z世代のユニークな旅の価値観が見えてくる。

趣味×旅:Z世代男性の新たな境地

同調査によると、Z世代男性は「自分の趣味・好きなことや得意分野を追求すること」への関心が高い。この傾向は旅のスタイルにも反映されており、「趣味を深める旅行」を選んだZ世代男性は24.3%と、全体平均を上回っている。さらに、「旅」を表す一言でも「趣味」「自然」「非現実な体験」といったキーワードが上位に挙がっており、旅を自己探求の手段として捉えていることがうかがえる。

また、多くのZ世代男性が「ひとりだけの時間を楽しみたい」(23.3%)と考えている。これは孤独を好むというわけではなく、むしろ「同行者が見つからない」という潜在的なニーズの表れのようだ。趣味に特化した旅は、同行者探しに苦労するケースも少なくない。だからこそ、ひとりで没頭できる趣味×旅のスタイルが注目されていると言える。

©株式会社JTB総合研究所

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タイパ×リア充:Z世代女性の欲張り戦略

Z世代女性はタイパ(タイムパフォーマンス)を重視する傾向がある。同調査では、「好きなことをする時間のため、他のことは時短したい」と回答したZ世代女性は80.6%、「二つの行動を同時に行うことが多い」人は76.7%と、いずれも全体平均を大きく上回った。効率性を重視するいっぽう、「時間に追われない生活を心がけている」と回答した割合も34.0%と高く、メリハリのあるライフスタイルを重視していることがわかる。

この価値観は、旅においても「タイパ×リア充」という欲張りともいえる戦略を生み出しているのではないだろうか。限られた時間を有効活用しながらも、充実した旅行体験を求めるZ世代女性は、綿密な旅行プランを立て、効観光スポットを効率的に巡る。そして、その体験をSNSで発信し、承認欲求を満たす。旅は自己実現と自己表現の両方を叶えるための重要なツールとなっているように思える結果だ。

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Z世代をトリコにする
新しい旅行体験

Z世代の旅のキーワードは「パーソナライズ化」と「自己表現」だ。彼らは画一的な観光ではなく、個々の趣味や価値観に合わせた特別な旅行体験を求めている。旅行業界は、このニーズに応えることでZ世代の心を掴むことができるだろう。

たとえばZ世代男性向けには、よりニッチな趣味に特化したツアーや、旅先でのワークショップなどを企画することで、深い満足感と新たな発見を提供できるだろう。Z世代女性向けには、「コト消費」から「記録に残るモノ消費」への回帰トレンドを捉え、旅の思い出を形にする体験型サービスを提供するとよさそうだ。旅行中の写真や動画を編集したオリジナルムービー制作サービスや、旅先での体験を元に制作するオリジナルグッズ作成サービスなどは、彼女たちの心を掴むはず。

Z世代はSNSネイティブ世代でもある。彼らにとってSNSは情報収集ツールであると同時に、自己表現の場でもある。旅行業界はSNSを効果的に活用することで、Z世代へのアプローチを強化できるはず。インフルエンサーとコラボレーションした旅行プランの開発や、ハッシュタグキャンペーンの実施など、Z世代の共感を呼ぶような企画がこの先も求められるに違いない。

「Z世代の暮らしと旅」(ライフスタイルと旅行に関する調査2025)

【調査手法】インターネットアンケート調査
【対象者】全国の18歳以上79歳までの男女個人
【調査期間】2025年2月10日~11日
【サンプル数】事前調査 10,000名 本調査1,030名
※過去1年以内に観光旅行をした人
※帰省・ビジネスは除く、日帰り旅行は半日以上実施したものが対象
※本調査では、1990年代後半から2000年代に生まれた世代をZ世代と定義し、男女29歳以下をZ世代として分析しています。

Top image: © iStock.com / martin-dm



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