🧠 概要:
概要
「Jesus Children Of America」はスティーヴィー・ワンダーの1973年の楽曲で、ファンクとゴスペルの要素が融合したメッセージ性のある曲です。歌詞は「神の存在とその意志」をテーマにしており、多くのアーティストによってカバーされています。この記事はこの曲のポイントや様々なバージョンについて詳述しています。
要約箇条書き
- 曲の紹介: スティーヴィー・ワンダーの1973年のヒット曲「Jesus Children Of America」。
- 音楽的背景: ワンダーの絶頂期の作品で、先進的なファンクとメッセージ性のある歌詞が特徴。
- 歌のスタイル: ゴスペルの要素を感じるメロウファンク。歌い方が工夫されている。
- アーティスト紹介:
- Robert Glasper ExperimentのLalah Hathaway版(2013年録音)。
- BeBe Winansのゴスペル影響を受けたライブ版(2019年録音)。
- 歌詞のテーマ: 「神の存在と意志」、自己反省を促す内容。
- バリエーション: 様々なアーティストによる異なるアレンジが存在(例: Jeff GolubやMary J. Bligeによるサンプリング)。
- 歌詞の解釈: 神への呼びかけや内面的なメッセージが強調されている。
ボーカル/ファンク・セッションの定番曲。「American」でも「Jesus Children」でもない我々にはちょっと歌いにくい曲ではありますが・・・
(歌詞は最下段に掲載)
和訳したものはあちこちのWebサイトに掲載されているので、ここではポイントだけ説明します。
ポイント1:Stevie Wonder
1973年録音、Stevie Wonder絶頂期の作品です。まだ23歳でしたが、既に16枚目のアルバム(少年時代を含む)。その大半はレベール(モータウン)側から指示されたポップな曲を集めたもので、その中でも天才性は見せていましたが当人はもっと自由に先進的な音楽をやりたいと、ストレスを溜めていたようです。1970年代に入ってからはMarvin Gayeなどとも呼応しながら、ちゃんとメッセージ性のある歌詞、ファンク志向、最新楽器を使用した録音に突き進みます。ギターに対抗出来るクラビネット、ベースを代替出来るシンセサイザー、音を重ねて録音出来る電子ピアノ、など。Stevie Wonderはドラムも叩けるのでデモ録音〜本番録音も可能で、自分の頭の中にある音楽をイメージ通りにカタチにすることが出来ました。
争い事の嫌いな彼なりのメッセージをこめたメロウファンク曲で、歌も工夫してそれまでになかったような節回しで歌っています。コーラスが入る後半部からはゴスペルを感じさせるアレンジ。低音部をちゃんと歌えるかがポイント。
ポイント2:Robert Glasper Experiment, Lalah Hathaway
2013年録音。ループ的なアレンジの音の渦の中で Lalah Hathawayが歌っています。2010年代のニューヨークJazzシーンをリードしたRobert Glasperの魅力満載の一曲。21世紀に入ってからは声高なメッセージが届きにくくなっていることもあって、リスナーの耳に穏やかに囁くようにして、歌にこめられたメッセージを届けるような手法が増えました。歌に続いてポエトリーリーディングが加えられています。
ポイント3:BeBe Winans
2019年ライブ録音。ゴスペルベースのR&Bグループ「Winans」の一員である彼は見かけからしてプリーチャーの雰囲気があって、分厚いコーラスにのってトランス状態で熱唱すると、まるでゴスペル教会内のミサのようです。
ポイント4:歌詞のポイント
Hello Jesus, Jesus children
Jesus loves you, Jesus children
Hello children Jesus loves you of America
Are you hearing, What He’s saying?
Are you feeling, What you’re praying?
Are you hearing, praying, feeling
What you say inside?
You’d better tell, Your story fast
And if you lie, It will come to pass
Stevie Wonderはキリスト教徒ですが、「キリスト教」に固執している訳ではなく、もっと普遍的な「神の存在とその意志」を信じている印象です。もともとキリスト教自体は内部の「異端者」や「神の存在を認めていない文化」に対しては厳しいですが、異教徒を完全否定している訳ではなく、共存・棲み分けを模索してきた歴史もあります。
ここでは「Jesus(救世主)」と「その子供達」に対して呼びかけています。
彼の言葉に耳を傾けよう、自分の気持ちを伝えよう、と。
なんで殊更に「America」なのか疑問はありますけど。
Tell me holy, Holy roller
Are you standing, Like a soldier ?
Are you standing for everything you talk about ?
「Holy roller」は狭義には「礼拝中に熱狂的に興奮するペンテコステ派」を指す(なかば揶揄した)言葉のようですが
ここではもっと広義に「熱狂的なキリスト教信者」を指すのかと思います。
自分の主張することに本当に信念を持っているのか、と。
Transcendental, Meditation
Speaks of inner, Preservation
Transcendental meditation gives you peace of mind
「超自然的なもの」「瞑想」「心の声」「(自己)保存」と宗教/哲学用語が並びます。瞑想を重視しているあたりは伝統的なキリスト教の実践内容とも異なりますね。
いずれにしても軽々しく歌える内容ではないですね。
ポイント5:様々なバリュエーションを聴いてみましょう
Jeff Golub、2002年録音
爽やかなギターインスト
Michele Thomas、2012年録音
ストレートなファンク・アレンジで歌っています
Sheila E., Israel Houghton、2019年録音
Berklee Gospel & Roots Choir、2013年録音
声と手拍子のみ
Edwin Hawkins Singers、1974年録音
Richard Tee、1979年録音
Hello Father by Mary J. Blige、2018年録音
Jesus Children Of Americaをサンプリングした曲
◼️歌詞
Hello Jesus, Jesus children
Jesus loves you, Jesus children
Hello children Jesus loves you of America
Are you hearing, What He’s saying?
Are you feeling, What you’re praying?
Are you hearing, praying, feeling
What you say inside?
You’d better tell, Your story fast
And if you lie, It will come to pass
Tell me holy, Holy roller
Are you standing, Like a soldier ?
Are you standing for everything you talk about ?
Transcendental, Meditation
Speaks of inner, Preservation
Transcendental meditation gives you peace of mind
You’d better tell, Your story fast
And if you lie, It will come to pass
Tell ‘em, Don’t lie to ‘em
Don’t tell lies
Tell ‘em, Tell ‘em Jesus
Tell me junkie, If you’re able
Are you playing your cards, On the table
Are you happy when you stick a needle in your vein
Jesus died on, Cross for you
Mary is just, Looking at you
Mother Mary feels so much pain
You’d better tell, Your story fast
And if you lie, It will come to pass
Views: 0