日曜日, 6月 1, 2025
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セッション定番曲その216:On the Street Where You Live (君住む街で) from My Fair LadyKohji Yoshida

🧠 概要:

概要

「On the Street Where You Live」(君住む街で)は、有名ミュージカル『My Fair Lady』からの歌で、ジャズセッションの定番曲。歌詞を知っておくことが重要で、さまざまなアーティストによってカバーされている。記事では、この曲の歴史や歌詞の解釈、代表的なアーティストについて詳しく説明している。

要約

  • 曲の背景:

    • ジャズセッションの定番で、有名なミュージカルからの一曲。
    • 歌詞の内容は重要な知識。
  • アーティスト紹介:

    • Nat King Coleがこの曲の物語性を引き立てる演唱を行う。
    • My Fair Ladyにおける曲の元々の舞台は1956年初演。
  • 歌詞内容:

    • 恋する気持ちが表現されており、相手の住む街を歩くことでの陶酔感が描かれている。
  • 音楽スタイル:

    • Oscar Peterson Trioが1968年の録音で上品なインストアレンジを提供。
  • 曲のテーマ:

    • 恋愛の典型的な描写を使用しており、街の景色を通じて恋人を想う様子を歌っている。
  • 曲の構成:

    • AABA構成で、ポイントごとに「歌い上げる」部分がある。
  • 多様なバリエーション:

    • 多くのアーティストによるカバーがあり、ジャズ以外のジャンルでも親しまれている。
  • 代表的なカバーアーティスト:
    • Vic DamonePeggy LeeHarry Connick Jr.などがこの曲を録音。

記事は、曲の詳細な解説やさまざまなアーティストの解釈を通じて、聞き手にこの曲の魅力を伝えている。

セッション定番曲その216:On the Street Where You Live (君住む街で) from My Fair LadyKohji Yoshida

ジャズ(ボーカル)セッションの定番曲。有名なミュージカルからの一曲なので、インスト演奏の場合でも歌詞の内容は知っておく必要があります。
(歌詞は最下段に掲載)

和訳したものはあちこちのWebサイトに掲載されているので、ここではポイントだけ説明します。

ポイント1:Nat King Cole

こういう明るい曲調の物語性のある曲を歌わせたらNat King Coleに適う歌手はいませんね。聴いているだけで楽しい気持ちになります。暖かくて通りのいい声、とろけるような笑顔、人柄、秘めたブルースフィーリング、抜群のリズム感、それらが歌に表れている気がします。

ポイント2:My Fair Lady

1956年初公演のブローカーミュージカル「My Fair Lady」は大ヒットして、さらに1964年公開のミュージカル映画のワンシーンでこの曲の印象は固まりました。映画では吹き替えでBill Shirleyというミュージカル系の歌手が歌っています。主人公の女性にひとめ惚れして、舞い上がっている(ハンサムな)男性がその気持ちを歌っている場面です。

ポイント3:Oscar Peterson Trio

1958年録音。歌ものを上品なインスト曲にして弾くOscar Petersonは最高です。何よりもリズムアレンジのセンスが抜群。メロディだけでなく歌詞の内容も理解した上で、気持ちいい場所にブレイクを入れたり。例によって指は動き回っていますが、テクニックの為のテクニックではなく、歌心を奏でる為のテクニック。

ポイント4:君住む街で

恋をした時、誰でも相手の住む街や家のことを思い浮かべて、どんな暮らしをしているのか想像したりしますよね。さらに思いが募ると、相手が住んでいる街を彷徨いたりして「ああ、ここがあの人が歩いている道か」「ここで花を買っているのか」とまるでストーカー一歩手前の行動におよびます。・・・そんな感じの歌詞です。

I have often walked down this street before
But the pavement always stayed beneath my feet before
All at once am I several stories high
Knowing I’m on the street where you live

いきなり「君の住んでいる街度を時々歩いている」と言っています。危ないヤツ。「しっかり舗道を踏みしめて歩いていたのに、今は宙に浮いた気分」とか陶酔してしまっています。

Are there lilac trees in the heart of town?
Can you hear a lark in any other part of town?
Does enchantment pour out of every door?
No, it’s just on the street where you live

「歌詞に動植物が登場する際はなにかの気分を表すシンボル」という法則があります。

「lilac」は「紫丁香花」、春になると香りの良い花を咲かせます。花冠の先は普通4つに裂けていますが、まれに5つに裂けているものがあり、これは恋のまじないに使われる(Wikipediaより)そうです。一種の媚薬ですね。

「lark」は「雲雀(ヒバリ)」、春の鳥で、愉快で楽しい浮かれた気分の例えで使われるようです。

日本でもかつてはこういう「象徴」が共通認識(教養/コンテキスト)としてあり、詩を交わして気持ちを婉曲に伝える習慣がありましたが、徐々にそういうものが薄れてきて、ソーシャルメディア時代のメディア/コンテンツでは尚更「分かりやすくストレートなもの」が優先されるようになってしまっていますね。ローコンテキスト社会での表現芸術のあり方って難しいですね。

「 enchantment」は「魔力、魅力」で、それが「この街のすべてのドアから漏れ出しているみたいだ」「それは君が住んでいる街だから」と。

And oh, the towering feeling
Just to know somehow you are near
Thе overpowering feeling
That any second you may suddеnly appear

さらに気持ちが高まって「この街角にいれば、君にばったり出会うかもしれない」とか言っています。危ないやつですね。この大袈裟な表現はいかにもミュージカル曲の歌詞という感じです。
「towering feeling」「overpowering feeling」、「near」「appear」で露骨に韻を踏んでいます。

People stop and stare, they don’t bother me
For there’s nowhere else on earth that I would rather be
Let the time go by, I won’t care if I
Can be here on the street where you live

さすがに周りの人達にジロジロ見られ始めますが「そんなの関係ねぇ」とか言っています。
「there’s nowhere else on earth that I would rather be」は「この地球上で自分がいたいのはこの街角だけだ」という強い思い。

場面的にはイライザはヒギンズ教授の家で「淑女として振る舞う為の特訓中」で、ふらっと家の外に出てくる可能性は低そうです。

我々お米の国の人としてはちょっとお腹いっぱいになってしまうほど熱い思いが歌われていますが、ポイントは相手がいま目の前にはおらず、しかもこの街から出かけてしまっているかもしれないのに、自己陶酔して歌っているところ。相手が近くにいたらとても聞かせられないくらいの恥ずかしい表現も含まれています。普段はモテモテのイケメン君が舞い上がっているという図式ですかね。

ポイント5:曲の構成

AABA構成で、ポイントポイントで「歌い上げる」箇所が出てきます。冒頭からのウキウキした気分をうまく歌いたいですね。

リードシート例(途中まで)

ポイント6:様々なバリュエーションを聴いてみましょう

映画化以前の録音も多く、人気ミュージカルからの流行歌だったことが分かります。ジャズ畑以外の歌手も多く歌っています。

Vic Damone、1960年録音
太い声で朗々と歌う古いタイプの歌手ですが、この曲調には合っています。


Peggy Lee
、1960年録音
速いテンポでウキウキした気分を歌い上げています。クッキリした太い声質が合っていますね。

Ben E. King、1960年録音
リラックスした雰囲気の歌唱、アレンジ的にはR&Bっぽい。歌の説得力が抜群ですね。

Harry Connick Jr.、1992年録音
イケメンな彼が柔らかく歌うと納得感があります。

Dennis DeYoung、1994年録音
Styxのフロントマンだった彼ですが、ソロでは幅広い曲を歌っています。ドゥワップっぽい楽しいアレンジ。

Willie Nelson、2009年録音
スタンダードナンバーの録音も意外と多い人です。この声で歌えば、どんな曲も素敵に。


André Previn, Shelly Manne
、1956年録音
Shelly Manne & His Friends名義のアルバム「Modern jazz performances of songs from My Fair Lady」から。聴きやすいご機嫌な演奏のアルバムです。

◼️歌詞

I have often walked down this street before
But the pavement always stayed beneath my feet before
All at once am I several stories high
Knowing I’m on the street where you live

Are there lilac trees in the heart of town?
Can you hear a lark in any other part of town?
Does enchantment pour out of every door?
No, it’s just on the street where you live

And oh, the towering feeling
Just to know somehow you are near
Thе overpowering feeling
That any second you may suddеnly appear

People stop and stare, they don’t bother me
For there’s nowhere else on earth that I would rather be
Let the time go by, I won’t care if I
Can be here on the street where you live



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