シティコネクションは4月16日、『スチーム・ハーツ サターントリビュート』と『アドヴァンスト ヴァリアブル・ジオ サターントリビュート』のXbox One版の発売を中止すると発表した。ゲーム内の表現の問題を受けての決定とのこと。
両作品は、1990年代に発売されたSFシューティングゲーム『スチーム・ハーツ』と、対戦格闘ゲーム『アドヴァンスト ヴァリアブル・ジオ』の移植版だ。PC(Steam)/Nintendo Switch/PS5/PS4向けに5月29日発売予定。
『スチーム・ハーツ サターントリビュート』は、ウイルスに侵され暴走した惑星を舞台にした縦スクロールシューティングゲームだ。 フルボイス&ビジュアルシーンで展開されるストーリーモード、シューティングステージのみのアーケードモード、制限時間内にスコアを競うスコアアタックモード、ボスキャラと連戦するボスラッシュモードを楽しめる。
『アドヴァンスト ヴァリアブル・ジオ サターントリビュート』は、外食業界のヒロインたちが最強の座と伝説の一等地を巡って戦う対戦格闘ゲーム。 好きなキャラクターで大会に出場するノーマルモード、豊富なアニメとビジュアルでドラマが展開されるストーリーモード、そして2P対戦やCOM対戦も楽しめるVSモードが搭載される。
また、今回の移植にあたり両作品には新機能が追加されている。『スチーム・ハーツ サターントリビュート』には、プレイヤーの耐久力アップオプションや、武器アイテムを持ち越せるサポート機能などが導入。一方の『アドヴァンスト ヴァリアブル・ジオ サターントリビュート』には、ワンボタンで超必殺技コマンドを自動入力できる機能や、画面横にコマンドリストを表示させる機能が用意される。


両作品は今年1月に発表され、5月29日に発売予定であったが、このたびXbox One版のみ発売中止としたことが発表された。開発・販売元シティコネクションによると、刺激的な表現を含む作品のリバイバルという性質上、リリースするにあたってはマルチプラットフォームで共通のゲーム体験を届けることを目指し開発を続けてきたものの、Xbox One版では大幅な表現の変更が必要となり、苦渋の判断としてXbox One版の発売を見合わせることにしたという。
両作品のオリジナル版はPC向けに発売され、のちにコンソール向けにも展開。「サターントリビュート」においてはセガサターン版をベースに移植されているが、当時においてはいわゆる18禁のゲームであった。イラストレーターの故・木村貴宏氏が手がけたヒロインたちの、セクシーなシーンが収録されている。
公式には、原作のセクシーなシーンは「ヒロインたちのプライバシーに配慮して令和らしい復刻」をすると案内。実際には、『スチーム・ハーツ』は「ウイルスに侵されて暴走するヒロインたちに治療をする」という設定で“光”を浴びせ、また治療中もインナーを着用。アウターの脱衣は修正なしとされた。一方の『アドヴァンスト ヴァリアブル・ジオ』は、勝利時に見えていた下着や胸の谷間が修正されているとのこと(4Gamer)。
シティコネクションによると、両作品では企画段階からプラットフォームホルダーに相談した上で修正をおこなってきたという。プラットフォーム毎にさまざまな基準があり、マルチプラットフォームでのリリースを前提に落とし所を探ったものの、Xbox One版においては、すなわちマイクロソフトからさらなる表現の変更が求められ、発売中止する判断となった模様である。
ゲーム内の表現、特に性的表現や残虐表現、あるいは未成年キャラに対する表現については、プラットフォーム毎に許容する範囲が異なる場合があることが知られる。近年では、PlayStationプラットフォームが比較的厳しい判断を下すことが多く、たとえばPS4版のみ表現が規制されたり、発売中止になったりといった事例があった(関連記事)。
その点で、Xboxはどちらかというと寛容なイメージもあったが、今回はXbox One版のみ発売中止という結果に。もっとも、過去には『ぎゃる☆がん りたーんず』にてXbox One版のみ発売中止になったケースもある(表現内容が理由だったかは不明)。今回の両作品では、特定の表現についてマイクロソフトは受け入れなかったようだ。
『スチーム・ハーツ サターントリビュート』と『アドヴァンスト ヴァリアブル・ジオ サターントリビュート』は、PC(Steam)/Nintendo Switch/PS5/PS4向けに5月29日発売予定だ。Nintendo Switch/PS5向けには、両作品をセットにしたパッケージ版『スチーム・ハーツ & アドヴァンスト ヴァリアブル・ジオ サターントリビュート』も発売される。