金曜日, 5月 16, 2025
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スマホを首から下げていたぼくを笑っていた友人がスマホをスられた話暁はるね

🧠 概要:

概要

この記事は、著者がコロナ前に友人とバルセロナのクリスマスマーケットに行った際の旅行記です。著者は防犯対策に気を使っていたが、友人は軽装でスマホを無造作にポケットに入れていました。旅行中に友人がスマホを盗まれる事件が発生します。この経験から、スマホの管理の重要性と安全対策についての教訓が語られています。

要約の箇条書き

  • 著者は友人とバルセロナのクリスマスマーケットへ旅行。
  • 初めてのヨーロッパ旅行で、防犯対策に過剰な注意を払う著者。
  • 友人は身軽なスタイルで、スマホをポケットに入れたまま。
  • バルセロナ観光を楽しみつつ、友人の新型iPhoneが狙われた様子。
  • 地下鉄の帰り道、友人がスマホを盗まれる事件が発生。
  • 著者は「iPhoneを探す」機能で位置を特定するも、犯人に逃げられる。
  • 最終的に友人はスマホを初期化し、「I must kill yo bro」というメッセージを設定。
  • 事件をきっかけに、友人は国内でもスマホを首から下げるように。
  • 旅行中は美しい景色と美味しい食事も大切だが、安全第一の重要性が強調されている。

スマホを首から下げていたぼくを笑っていた友人がスマホをスられた話暁はるね

暁はるね

ひとつ印象深い旅の話があるので記しておこうと思う。

これはコロナ前、ぼくと友人がある作品にはまり、バルセロナのクリスマスマーケットに行こう!となった時の話である。

当時のぼくは、まだヨーロッパを訪れたことがなかった。
治安のことも、現地の雰囲気も、すべてはネットで得た知識ばかり。だからこそ、少し気負いすぎなくらい、防犯対策には気をつかっていた。

前に抱えられるボディバッグを選び、チャックが簡単に開けられないよう、ダイヤル式の南京錠でロック。

スマホにはストラップをつけて首から下げ、必要がないときは服の中にしまっておけるようにしていた。

今思えばちょっと過剰だったかもしれないけれど、初めてのヨーロッパ旅行。
後でやりすぎだったかな、と笑い飛ばすつもりで用意していた。

そんなぼくをよそに、ヨーロッパ渡航N回目の友人は、驚くほど身軽なスタイルだった。シンプルなコートに、財布も持たずカードと現金はそのままポケットへ。

スマホも例に漏れず、無造作にコートのポケットに突っ込んでいるだけだった。

「スリが多いって聞いたけど、スマホそこはまずくない?」と、思わず声をかけたぼくに、
友人は笑いながら「ポケットに常に手を入れてるから大丈夫。それにしても……首からスマホはやりすぎじゃない?」と、まったく気にする様子はない。

そんな様子を見て、「まあ、そんなもんなのか」と思ってしまう自分がいた。

ちなみに、クリスマスマーケットといえば12月。ここで勘のいい人ならピンとくるかもしれないが、iPhoneの新作はたいてい秋に発売される。そう、友人はちょうど新型のiPhoneに機種変更したばかりだった。

それも、ポケットに突っ込まれたままの状態で——。

……閑話休題。

バルセロナに到着してから数日、ぼくたちは観光を存分に楽しんでいた。

美しいガウディ建築に目を奪われ、トロッコに揺られて巡るコドルニウの酒蔵ツアーでは、ワインの歴史に触れた。

雑にとっても映えしかないガウディの建築素直にいうと英語のガイド3割くらいしかわからなかった

街中では生ハムにパエリア、チュロスなど、スペインならではの料理を堪能。

チョコにディップする。朝ごはんの定番らしい。うまい。おもい。

そしてもちろん、どこか厳かな雰囲気すら漂うクリスマスマーケットも欠かせない。

クリスマスマーケット

そのひとつひとつが、今でもぼくらの間で語られる大切な思い出だ。

——だが、この旅行を語るうえで、何より忘れられないのは、やはり「あの事件」である。

夜の街をぶらりと散策した帰り道、ぼくたちは地下鉄でホテルの最寄駅へ向かうことにした。ホームでは壁を背にして立ち、あえて目の前のドアからは乗らず、少し離れた位置にある別のドアから乗車する。

これは、いわゆるスリ対策の基本である。背後を取られず、仲間に囲まれて逃げ道を塞がれるのを防ぐためだ。

電車を待つあいだ、友人は明日のスケジュールをスマホで確認していた。
──今思えば、あのときすでに狙われていたのかもしれない。

車内では、友人はスマホを出さず、ポケットに手を入れたままだった。
そのままホテルの最寄駅に到着し、ぼくたちはエスカレーターで地上へ向かった。

ところがそのエスカレーターが、突然止まったのである。
「不具合かな?」と、ぼくらは軽く困惑しつつも、歩いて階段のように登り始めた。

そのときだった。後ろにいた男性が急にイライラした様子で、ぼくらを追い越して駆け上がっていった。

ほんの一瞬、1秒もなかったと思う。

エスカレーターを上り切ったところで、友人が呟いた。

「スマホが……ない」

そこからは、まさに時間との戦いだった。ぼくは自分のスマホを使い、「iPhoneを探す」機能で友人のiPhoneの位置を特定。

すると地図上に、先ほどの駅からほど近いエリアにある点が浮かび上がった。

ぼくは友人に引っ張られるようにして、夜のバルセロナの街を全力で駆け回った。まるでリードを握られた犬のように。しかし──数分後。

突如、地図上の点が消えた。

iPhoneの電源が切られたのだ。こうなると、追跡は不可能。位置情報は更新されず、犯人の行方は完全にわからなくなる。

残された手段は、スマホ内の個人情報を守るため、遠隔でデータを初期化することだけだった。

ところで、iPhoneにはデータを削除する際、「次に電源を入れたときに表示されるメッセージ」を設定できる機能がある。
友人はほんの一瞬だけ考えたあと、こう入力した。

「I must kill yo bro」

ぼくは思わず、「なんでそれ⁉︎」とツッコミを入れたが、友人はいたって真剣だった。

──これが、ぼくたちのバルセロナ旅行で語り継がれる、「あの事件」のすべてである。

余談だが、あの事件をきっかけに、友人は国内でもスマホを首から下げて生活するようになった。
MagSafeで取り付けられる小さな収納ポケットが思いのほか便利で、気づけばその身軽さが性に合っていたらしい。

旅先では、美しい景色も美味しいごはんも大切だけど、やっぱり“安全第一”。
旅行に行くときは、どうか盗難にも気をつけて過ごしてほしい。

建設中のサグラダファミリア。完成したらきっともう一度。

#わたしの旅行記

暁はるね

ITエンジニアとして奮闘中の魔法使いVtuber。寄り道と冒険が好き。 バーチャル世界の片隅でひっそりと生息中。主に日々の雑記とちょっとしたナレッジを共有中。



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