KDDIとJR東日本は、JR新宿駅の1・2番線ホームにおいて、5Gミリ波の通信エリアを安定して拡大する実証実験に成功した。人や列車が絶えず移動する駅構内でも、1Gbpsを超える通信を安定的に確保したといい、国内の鉄道駅においてミリ波による安定した5Gエリアを構築できることを確認した。


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 5G向けの周波数帯であるミリ波は、帯域幅が広く高速大容量通信に向く反面、直進性が強く、遮蔽物の影響を受けやすい課題がある。そのため、駅構内など構造が複雑な場所では面的なエリアを構築できない課題があった。

 そこでKDDIは、小型軽量の「ミリ波中継器」を開発した。同中継器は、基地局からの電波を受信し、自律的に最適なルートを算出して再送信する仕組みを持つ。設置に光回線を必要とせず、限られたスペースにも対応できる。新宿駅ではホームの柱や設備に中継器を設置し、ビルや屋根に遮られ、直進性の高いミリ波が届きにくい環境においても、電波を柔軟に迂回させることで、駅ホームに通信エリアを拡張した。

 実験は2025年2月から4月にかけて実施され、1・2番線ホームのほか、停車中の列車内でも通信品質を評価した。特に、乗降客で混雑する時間帯や、列車がホームを遮るように出入りする瞬間でも、中継器が自律的に最適な通信ルートへと切り替えることで、1Gbps超の通信速度を安定的に維持した。

 さらに通常は電波が減衰しやすい列車の運転席でも、高速通信が可能なことが確認された。車両のガラス越しでも十分な信号強度を確保できることが示され、将来的な車内サービスの展開や、列車運行システムのリアルタイム化も期待できるという。

 KDDIは実証結果を踏まえ、駅構内や沿線において5Gミリ波の通信エリア拡大を今後さらに進めていく。一方、JR東日本は、高速・大容量通信を活用した駅サービスの向上や鉄道業務のデジタル化(DX)に取り組む方針だ。

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