
スウェーデン中央銀行は8日、政策金利を据え置くと発表した。ただ、政策当局者がトランプ米大統領の貿易戦争の影響を精査する中、政策の軸足は金融緩和に傾きつつあると示唆した。
政策金利の据え置きは、ブルームバーグが調査したほぼすべてのエコノミストの予想通りだった。スウェーデンの政策金利は、2年ぶりの低水準にある。今回は、新たな予測や金利の道筋は発表されなかった。
エリク・テデーン総裁をはじめとする当局者は、8日の声明で「3月の予測よりも、インフレ率が低くなる可能性がやや高い。これは、今後の金融政策の緩和を示唆している」と述べた。
また、「現在の政策は適切にバランスが取れている。見通しがより明確になるまで、さらなる情報を待つことが賢明だ」とした。
スウェーデン中銀の様子見姿勢は、7日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを急がない態度を示した米金融当局と一致している。
スウェーデン中銀の政策発表後、スウェーデン・クローナはほぼ変わらず、0.1%安の1ユーロ=10.9390スウェーデン・クローナで取引された。スウェーデン・クローナは今年に入ってから、他の先進国中央銀行よりも利下げ回数が少ないとの見方から、ユーロとドルに対してG10通貨で最もパフォーマンスの良い通貨となっている。
スウェーデン中銀は1月以降、既に175ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の緩和を実施し、その後はさらなる利下げを避けてきた。当局者は、変動の大きい食品やエネルギー価格を除いたコア・インフレ率が年初に約3%に急上昇したことに警戒感を強めると共に、トランプ氏の発言で引き起こされた市場の混乱を注視していた。
短期金融市場では、同銀が6月の会合で、25bpの利下げに踏み切るとの予想が拡大している。
原題:Sweden Avoids Rate Cut for Now But Shifts Stance Toward Easing(抜粋)
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