スイス国立銀行(中央銀行)のシュレーゲル総裁は、同国は中銀の為替介入に関して米国とこれまで生産的な協議を行ってきているとし、スイスがフランの交換レートを操作しているとの見方を否定した。
スイス国立銀行のシュレーゲル総裁
Photographer: Pascal Mora/Bloomberg
シュレーゲル氏は16日、ルツェルンでの講演で「われわれは為替操作国ではない」と言明。この件に関して「米国当局と建設的な対話を実施した」と付け加えた。
同氏はこうした協議の形式や内容についてこれ以上の詳細を控えたが、スイス中銀は米国当局、特に米財務省と継続的に意見交換を行っていると報道官は後に説明した。
スイス中銀がこれまでフランに介入してきたのは、物価安定という使命を果たすためだけだとシュレーゲル氏は指摘。
「自国に有利になるよう為替レートに影響を与えたことは一度もない」とし、「世界経済の状況に応じて、自らの責務遂行のためにのみ行動した」と強調した。
フランは市場の混乱時に逃避先通貨と見なされる傾向がある。最近ではトランプ米大統領の関税政策による市場の不確実性を背景に、先月には対ドルで10年ぶりの高値、対ユーロでも記録的な水準に上昇した。
同中銀の過去の為替介入により、スイスはトランプ政権1期目に「為替操作国」として認定された。ただしその後、認定は解除された。シュレーゲル氏は、そうした認定の脅威があっても、必要に応じて通貨を誘導するという中銀の姿勢は変わらないとこれまで繰り返し述べている。
原題:Swiss Had Good Exchange With US on Currency, SNB Chief Says (1)(抜粋)
🧠 編集部の感想:
スイス国立銀行のシュレーゲル総裁が為替操作を否定し、米国との対話の重要性を強調したことは意義深いです。スイスは自己の物価安定のために必要な介入を行っており、その透明性が信頼を築く要素となっています。これにより、他国との関係も維持し、為替安定に寄与する姿勢が示されました。
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