金曜日, 5月 30, 2025
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サブスタンス ネタバレ感想文michiko

🧠 あらすじと概要:

あらすじ

『サブスタンス』は、デミ・ムーアが主演するホラー映画です。主人公のエリザベス・スパークルは落ち目のテレビスターで、彼女の人生は失意に満ちています。ある日、急な事故の後、エリザベスは謎の再生医療「サブスタンス」に手を出すことになります。エリザベスは、自分自身と向き合いながら、自らの変身と内面の葛藤を経て、最終的に自己受容を目指すストーリーが展開されます。

記事の要約

この記事では、『サブスタンス』の感想を述べています。デミ・ムーアの演技やホラー要素に触れつつ、映画のテーマである自己受容とアイデンティティの葛藤について深く考察しています。特に、主人公エリザベスが再生医療「サブスタンス」を通じて自分と向き合う姿を描写し、彼女の”自己対峙”的な旅路を通じて私たちが無意識に抱える自身への否定感や不安を象徴的に示しています。

映画の中で、エリザベスが同級生とのデートを試みるシーンや、自己との戦いを経て最終的に自己受容へと至る過程が強調され、観客に深い感情的な影響を与える内容です。全体を通して、自己との和解を描くことで、観覧者に共感や考察を促す作品としての魅力が伝わっています。

サブスタンス ネタバレ感想文michiko

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デミ・ムーアが四苦八苦!『サブスタンス』先日、デミ・ムーア主演の『サブスタンス』鑑賞してまいりました。なぜか、すんごい楽しみにしててスキップせんばかりにウキウキとカゴバッグぶらぶらさせてお出かけしましたが、鑑賞後は「まあ、怖いですね、怖いですね、怖いですねー!」ワタシの中の淀川長治(古すぎ失礼)が大連呼して心拍数も上がりっぱなし!怖くてグロくて辛辣でユーモラス、そして、まっぱバチこいの主演の2人、デミ・ムーア、今作はもちろんのこと、ヨルゴス・ランティモス監督の『哀れみの3章』でも、そのフィジカルをフルに活かしていた(と、すごく思った!)マーガレット・クアリーにリスペクトしかありません。以下、登場人物のセリフはワタクシの記憶再生意訳印象雰囲気によるもので、たぶん正確ではありませんが、お許しくださいませ。

ミスター醜悪、マチズモおじさんプロデューサーハーヴェイ

まず、映画の冒頭、印象的でユニークな導入部があって、サブスタンスがどんなものか、主人公のエリザベス・スパークル(なんと華やかな名前!宝塚っぽい)は、どうやら今や、落ち目のスターなんだなということがわかります。で、エアロビシーン、艶やかなロングの黒髪、完璧なスタイル、テカったブルーの、ちょっと井森美幸が脳裏をよぎるレオタードでエクササイズするデミ=エリザベス。ハッキリ言って、スタイル抜群、キレイ!すごい!カッコいい!たぶん、時代遅れで「古っ!」という演出なのでしょうが、ワタシからしたら、んなことより62歳でこれは奇跡。絶対、草笛光子コースでしょー!!!いや、ジェーン・フォンダか?しかも、実年齢より干支一回り下の50歳の役じゃん。デミがワタクシより年下なのは、解せんが、いける、いける!などと、思ったのでした。どうやら、エクササイズ番組の収録らしくエリザベスの投げキッスでフィニッシュ。お疲れさまーからの、お水飲んで、トイレ、トイレで‥え!女性用トイレ故障?!恐る恐る男性トイレへ、ラッキー!誰もいない!ホッとして個室に入るエリザベス。そこへ、醜悪マチズモプロデューサーハーヴェイ登場。スクリーンドアップで電話しながらジョボジョボします。そして、「とにかく若い女で番組はリブートじゃ!なんで、あのババアでこんなに長く続いてんだ?オスカーがどうした?契約なんて知らんし‥女は25歳から生殖機能が衰えるんだぞー」みたいなことを言うのです。個室で全てを聴いているエリザベス‥きええ!!!ムカつくー。あ、これはワタシです。エリザベスはショックで青ざめます。でもって、トイレから手を洗わずに出ていくハーヴェイ‥映画評論家の町山智浩さんによれば『シェイプオブウォーター』の悪役のパロディだそうです。そして、たぶん、そのバッチイであろう手で、これまたスクリーンいっぱいのドアップで、ムッシャ、ムッシャ、ベッチャ、ベッチャ海老を食べながらエリザベスに番組の降板を言い渡すのです。で、その時に「女って50歳過ぎたら止まるだろ」と言い放つ。「何が止まるんですか?」真顔で聞き返すエリザベス。返答に困るハーヴェイ。して、あっ、知り合い発見!とごまかし、やあやあーなんて言いながら、お友達とあの汚ったない手のまま肩を組んで去っていくのでした。止まるってなに?生理???英語でなんて言っているのか知りたいものです。にしてもヒドいですね、ヒドいですね。しかも、なんと、この日はエリザベスのお誕生なのです。これが運のつきとなり、血祭りへのプレリュードのスタートです。

「君、同級生?」

失意の中、帰宅するのか車を運転するエリザベス。そして、車内から傷口に塩レモンなショッキングな光景を目撃し、衝突事故を起こしてしまい病院で目覚めます。幸いなことに、ボディはギフティッド。軽傷ですみました。この病院に怪しい看護師がいてサブスタンスへのお誘いを巧みに受けるのですが‥それよりもワタシが気になったのはその後のシーン。病院を出て、どどんと落ち込み茫然としているエリザベス。そこへ「リジー?リジー・スパークル?」と声をかけてくるオジサンが。え?この、頭髪散らかし気味のオジサンは誰かしら、やーね、こんな時にファン?ダル‥と思うエリザベス(想像の心の声)。なんとオジサンはエリザベスの小学校か中学校(たぶん)の同級生でした。「変わらないね!君は今だに世界一の美少女だよ」みたいなことを言われます。そうですよ。一般ピープルから見れば奇跡のビューティなんだから!で、このオジサンの発言から主人公のエリザベスは小さい頃から美少女コンテストみたいなのの常連で女優になったゴリゴリ王道の人なのだ!と思ったのです。おそらく、エリザベスは生まれた時から可愛いと言われ美少女コンテストで歌い踊り愛想をふりまき(完全にジョンベネちゃん事件を思い浮かべているワタシ)、ランキングに一喜一憂の日々も、地元じゃ評判の美少女で、人生のかなり序盤に『可愛くてキレイでなければ人には愛されない』と自分のOSにプログラミングしてしまった人なのだとワタシは思ったのです。その後、同級生はキョドキョドしたまま、なんとか自分の電話番号のメモをエリザベスに渡し去っていきます。よほどの高嶺の花子さんだったのでしょう。

シンエリザベス爆誕!!!

で、なんだかんだで『サブスタンス』という再生医療(?)に手を出すエリザベス。ここからが、バキバキ、デロデロ、ゲボゲボ、ヌルヌルのホラーの序章。栄養の点滴とか、安定化の注射とか、なかなか面倒くさい上に『グレムリン』を思い出させる厳しい注意事項と忠告があって、ずいぶんと自分を律する心が必要そうな『サブスタンス』。しかし、なんと言っても新しい自分が自分の背中からメリメリメリっと出てくるとは!このシーンはアカデミー賞でもイジられてました。で、自分の裂けた背中を自分で縫うわけです。必死に、しかし絶妙にギャグ感のある雑な感じでザクザクと。そんなことできるなら、アンタなんでもできるよ、と観ているワタシは思います。この後、この感想は劇中、何度も思うことになります。でもでもー、そんなことよりー、お肌もツルツル、お腹もペッタンコだし、オッパイもキレイ、お尻もプリンとしてるー!!!と鏡を眺め、超、超まんざらでもないご様子なのです。この変身シーンの前にエリザベスが全裸で鏡に向かうシーンがあり、たぶん、いよいよやっちゃう前の逡巡タイムだと思うのですが‥この間に、そりゃさーブルースウィリスの子を3人も出産してるしなあ、デミのお尻もピーマンなんだ!じゃあ、ワタシがピーマンでもいいよね!みたいなことをしみじみ考える時間があるほどじっくりと、ちゃんと真っ当に加齢してる身体を見せてくれるのです。このシーンがあることで、シンエリザベスであるマーガレット・クアリーが若っ!すご!とそのインパクトは大となります。

結局、おのれvsおのれ

『サブスタンス』は『不思議なメルモ』とか『ひみつのアッコちゃん』のようなキラキラ変身方式ではなく、それぞれの身体に決められたケアをしながら、各々が1週間ごとに交代交代で活動するシステムです。ちなみに、この映画には、あらゆる『あるある』を超え敏腕でグラマラスで陽気なマネージャーも、意地悪な後輩美人ライバル女優も、ゲイでオシャレで優しいスタイリスト兼親友も、感謝祭に帰って来いと言う折り合いの悪い家族も一切出てきませんし、はい!サブスタンス代金は1億ドルでーす、と料金を請求されることもありません、謎の存在としてマスコミに素性を暴かれる危機もありませんし、本気の恋もしません、笑ウせえるすまん的存在も出てきません。というわけで、この映画は素晴らしくスカっとしており、本当は1人である2人の主人公の言動を核にして、物語は進みます。シンエリザベスはスーと名乗り、自身の看板番組の後釜の座を勝ち取り、イケイケでスター街道まっしぐら、テキトーな男性とデートも楽しみます。一方、母体エリザベスは、やりたいことも思いつかずテレビを眺めたり過食に走る1週間となります。しかも、スーがルールを破り、自分を延長すると、母体の方は老いが加速するのです。さらに、素敵なマンションの広々とした窓から、ずーっとスーの看板が見えるという過酷な環境下‥そして、1週間交代というシステムのせいで、各々が目覚めた時に「くそっアイツやりやがったな!」と相手に腹を立てるようになっていくのです。結局『敵は己の中にあり』?というか、別の人格として存在し、活躍してて、窓の外にもいます。という状態。ここから、自分vs自分の戦いが開幕です。

サブスタンスがデフォルメして見せてくれていること

一応、自称ではありますがスピリチュアリストを名乗るワタクシです。で、たまにはスピリチュアルな発信もしたいなあ、と思っておりまして人生をより良くするために、誰にでもできて、ウサン臭くなく、そして万能なことってなんだろうか?と暇さえあれば考えておりました。で、結論『自分自身と仲良くなること』なんではなかろうか?と思っております‥で、『サブスタンス』です!観て!観て!この本当は1人の2人、むちゃくちゃ仲が悪いのです。でもって、まあ、お互いの身体の扱いが、これまた、恐ろしく雑! 最低限の処置はしているものの、休んでいる身体は基本、全裸でゴロンと床に放置です。移動させる時は足を引っ張りながら運んで、段差でゴン!なんてザラ。申し送り(これは日本人的過ぎか!)や、感情の分かち合いもなく、そこにお互いへの労りや愛は全く垣間見ることもできません。この映画で、エリザベスとスーの攻防は荒唐無稽で極端に見えますが、自分を愛せない、自分を尊ばない、自分を大切にしない、自分の身体を大切にしない、自分を労らない、自分を責める、自分に怒る、自分を認めない‥、私たちが無自覚に生きれば、ついついやってしまいがちなことをデフォルメして見せてくれていると思いました。

1番切なかったシーン お出かけしたいのお出かけできないエリザベス

ほとんどの時間をテレビ、やけ食いで過ごし、お出かけといえば、サブスタンスのキットをコソコソ取りに行くだけのエリザベスでしたがふと、例の同級生のことを思い出します。彼だけは自分を若い頃と全然変わらないと言ってくれました。そこで、スーによってガラクタ認定されダンボールに封印されていた私物から必死に彼の電話番号のメモ書きを探し出し、電話をかけ、彼をデートに誘います。その姿は中学生くらい初々しく、とても可愛らしかったです。彼の戸惑う様子が電話からも伝わってきましたが、その日の夜、飲みに行くことになります。観ているワタシは、ようし、よーし自己肯定感回復のチャンス到来か?と心の中のブラスバンド総動員で応援します。場面は、いつものバスルーム、真っ赤なミニのドレスに久々にお化粧バッチリのエリザベス。とってもキレイだぞー!さあ、行ってきまーす!と思いきやバスルームでスヤスヤ眠る美しいスー、窓から見える若くて可愛いスーの看板が目に入り、コンシーラー、コンシーラー、トントントントン、唇ももっとふっくらツヤツヤにしなきゃ、グロス塗り塗り‥いや、胸元が開きすぎかしら?やっぱりチークが濃すぎる???もう、おめかしは迷宮入り。彼に会いに行くことができませんでした‥しくしく‥(これはワタシの心情)別に好きな人でもないのに。あっちは頭髪ちらかしてるのに。赤いドレス姿に、彼はベタに「ワーオ」とか言ってくれたはず!だって病院の前で会ったのに怪我してるのにも気がつかないぐらいだったのだから。本当に切ないシーンでした。

2度目のサブスタンス、統合からの血祭り

スーのやり過ぎで、すっかり老婆になってしまったエリザベスはサブスタンス終了を決意し、なぜだか持っていたグラニーファッションを身に纏い、ダッシュでキットを取りに行き、サブスタンス終了の注射をスーに打ちます。半分ほど注入したところで躊躇してしまいスーを起こそうとします。スーは目覚め、まさかのがっぷりよつの戦いになります。まさに肉体的にも精神的にも。自分vs自分の戦いは、若い肉体の勝利で決着がつきます。これまでの鬱憤を晴らすような暴力でスーはエリザベスを殺します。だって、今日は大事な年末特番の日なのよー!!!エリザベスがサブスタンスの終了を躊躇してしまったのもスーがMCに大抜擢された『笑っていいとも』みたいな年末特番のためでした。悲しくなるほど生真面目な女性なんですねー焦りつつも、現場へ向かうスー。ボチボチ本番ですが視界は歪み、身体が、歯が、爪が、耳が大変なことになっていきます。どうしよう、どうしよう!みんなの期待に応えなければ!そして、ダッシュで家に帰り、最大の禁忌だった2回目のサブスタンス注入。そして、スーの背中から再び新しい生命が誕生します。モンストロ・エリサスーです(と、ウィキペディアにも書いてあり、劇中、本人も名乗ったような???このへん記憶が曖昧です)背中にエリザベスの顔がついています!グロテスクではありますが、どことなく愛嬌がある気もしないでもありません。そして、ちゃーんと仕事をこなすべく、彼女なりに体裁を整え年末特番のスタジオへ。音楽とダンスが盛り上げる中、オープニングの挨拶です。「どーもー!モンストロ・エリサスーです、今日はがんばりまーす」この後、てめえらは、こうゆうのが望みだろーって感じでエリサスーがオッパイの形の塊をボローンと生み出すシーンがあるのだけれど、こんな時にもサービス精神旺盛な彼女に笑ってしまいました。そして会場の観覧客のドン引きからの悲鳴とともに血祭りの開幕。とにかく、エリサスーはハーヴェイとステークホルダーお爺集団とドレスアップしたお客さんに、復讐するかのごとく、これでもかと血を浴びせます。エリサスーはモンスターのようなグロテスクな姿ですが、バラバラだった2人はやっと統合されて、ひとつになることができました。そして、仕事を終わらせたのです。

ある種のハッピーエンディングとデミ・ムーアの誕生数

途中、ぶった斬られたりしましたが、会場の外に飛び出すエリサスー。細胞分裂なのか、なんなのか身体は変体しながらだんだんとコンパクトになってゆきます。そして、最終形態、背中が顔になっているダイオウグソクエリザベスになって(ワタシが勝手に名前をつけました)、道路をシャカシャカと張っていきハリウッド・ウォーク・オブ・フェームの自分のプレートの上で夜空を眺め、やっと訪れた安らぎの中、ワンネスに溶けていきます。人々の要求と期待、肉体(容姿)に縛られ過ぎ、自己執着状態だったエリザベスの魂はやっと解放され、自己受容し真の愛とやすらぎを得たのです。めでたし、めでたし‥これはある種のハッピーエンディングということでいいよね?と思いました。皆さんは、できればモンスターになってしまう前に、まずは自分と仲良く、そして、自己受容して愛に満ちた人生をお送りくださいませ。ちなみに、デミ・ムーアは1962年の11月11日生まれ、誕生数はなんと22/4です。このゾロ目でドン!な、お誕生日と誕生数からわかるのは、彼女の激しさです。22/4の人のキャッチフレーズは『スクラップ&ビルド』です。そりゃー『サブスタンス』主演しちゃうよねー。なんて思います。

なぜかというのは、また、別の機会に‥

michiko

数秘術家、オラクルカード、タロットカードリーディングセラピストをしている自称スピリチュアリスト。1970年生まれ、射手座のO型。夫と大学生の息子と3人家族。絶賛更年期中。ガンガンゴリゴリ行くのが苦手なので、おずおずとユルく楽しく地味にやっております。



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