
まるでSF映画に出てきそうな特殊な見た目をしたテスラのピックアップトラック「Cybertruck(サイバートラック)」の愛好家たちが、テスラ車を運転しただけで世間から反感を買っているとして苦労を語っています。
Elon Musk’s Politics Don’t Cast a Shadow at the Cybertruck Rodeo
https://www.texasmonthly.com/news-politics/cybertruck-drivers-dont-understand-the-hate/
Cybertruck Owners Baffled After Months of Hate Aimed at Tesla Drivers: ‘I Never Expected It to Turn People Against Me’
https://www.latintimes.com/cybertruck-owners-baffled-after-months-hate-aimed-tesla-drivers-i-never-expected-it-turn-581074
サイバートラックの愛好家が集まるイベント「第2回サイバートラック・ロデオ」の主催者の1人、ジョン・クロニン氏によると、多くのサイバートラックオーナーがサイバートラックで道を走っているときに中指を立てられたり、怒りの視線を浴びせられたりするという体験をしたとのこと。クロニン氏自身も同様の体験をしたため、「サイバートラックを購入すれば注目を集めることはわかっていたが、まさか反感を買うことになるとは思ってもみなかった」とコラムにつづりました。
サイバートラックへの憎悪は、テスラのCEOを務めるイーロン・マスク氏の政治に関する言動から来ています。マスク氏はドナルド・トランプ大統領の政権下で政府効率化省(DOGE)のトップという重要な地位を任され、強引とも言える政府組織の改革を進めているほか、自身がオーナーを務めるSNS「X(旧Twitter)」での扇動的な発言から、しばしば一部の人々の反感を買うことが多くなっています。
マスク氏憎さからテスラまで憎む過激派も存在し、テスラ車を破壊したり、テスラのディーラーを攻撃したりする犯罪行為も相次いでいます。
テスラ車への破壊行為を止めるべくアメリカ司法省が放火犯を起訴、テスラに対する破壊行為を行えば「刑務所送りにする」と警告 – GIGAZINE
テキサスで開催された第2回サイバートラック・ロデオでも抗議活動の勃発が懸念され、クロニン氏は万全を期して警備員を配置しましたが、幸いにも問題は起こらず、カリフォルニア、フロリダ、カナダなど遠方から120人以上のサイバートラックオーナーと数十人のテスラ愛好家が集まってサイバートラックについて語り合ったといいます。
愛好家たちはサイバートラックに対する世間の批判を認識しており、テスラ・オーナーズ・クラブのマット・ホルム会長は「ある会社のCEOと製品は別物だということは、人間には分かると思います。フォルクスワーゲンという会社をご存じですか?ヒトラーに依頼された自動車会社で、ナチス・ドイツの人民の車になるように設計されているんですよ。テスラへの批判は不当だと思います」と述べ、テスラへの憎悪に困惑していると意見しました。ホルム氏は民主党支持で、マスク氏の思想に必ずしも賛同しているわけではありませんが、少なくとも製品と会社のトップの思想を切り分けられる分別はあるとのことです。
なお、第2回サイバートラック・ロデオではパーツの出店もあり、特にサイバートラック用に作られた防弾ガラスが人気だったそうです。伝えられるところによると、イベントが始まる前に店主が自動小銃で車両に数十発の弾丸を撃ち込み、弾丸に耐えた窓を来場者に見せて製品の強度を実証したとのこと。
また、推定で80社のスポンサーがイベントへの協力を断ったとも伝えられています。これらのスポンサーは、過去にテスラのイベントに協力していたものの、昨今のネガティブな注目を集めることを懸念していました。
イベントではテスラの従業員が「今は少し難しい時期です」と聴衆に呼びかけ、テスラを支え続けることを求めたと伝えられています。
この記事のタイトルとURLをコピーする
Views: 1