「Looks Good To Me みんなのコードレビュー」を読み、これまでの開発経験と照らし合わせながら、コードレビューにおいて特に重要だと感じた点をまとめました。本記事では、レビュイー(レビューを受ける側)の視点から、効果的なコードレビューを実現するために意識すべきポイントを整理しています。
コードレビューで見込める効果
品質向上
- 不具合の早期発見: 複数の目でコードをチェックすることで、バグや問題を早期に発見
- 可読性への意識向上: レビューを前提とすることで、読みやすいコードを書く意識が高まる
チームのコードの理解度向上
コードレビューを通じて、チーム全体でコードベースの理解を深め、属人化を防ぐことができます。
この記事では、レビューの仕組みを表す言葉として**PR(プルリクエスト)を使用しています。GitLabを使用している方はMR(マージリクエスト)**に読み替えてください。
また、ツール特有の使い方には言及せず、コードレビューというプロセスの考え方に触れています。
レビュイーとして意識すること
よいPRとは
良いPRの条件として以下の5つを挙げます。
- チケットに関する必要な変更だけが含まれ、関係のない変更が最小限
- 変更されたコードが500行以下、変更ファイル数が20未満
- 30分程度の短時間でレビューできる
- レビュワーに必要な情報が添えられている
- コードの変更について説明できる、または説明なしで理解できる
1. チケットに関する必要な変更だけが含まれ、関係のない変更が最小限
実装中に「気になる箇所を直しておこう」という経験は多いでしょう。しかし、関係のない変更が多いとレビュワーは「本実装に影響があったのか?」と都度考える必要があります。
レビュワーは別の実装を中断してレビューすることが多く、すでに脳のメモリを使っています。余計なコンテキストを省き、レビュワーがスムーズにレビューできるよう、変更は本筋のみに絞りましょう。
2. 変更されたコードが500行以下、変更ファイル数が20未満
コードの変更行数とファイル数を最小限にすることで、PRのマージまでのスピードを早め、他のブランチとのコンフリクトリスクを減らせます。
3. 30分程度の短時間でレビューできる
重要なのは「レビュワーが30分で納得感を持って承認できるように準備すること」です。つまり**「単位時間あたりのレビュー品質を高めること」**が目標です。
時間が長くなりすぎると、レビュワーの集中力が落ちてしまうため、30分程度を目指します。
4. レビュワーに必要な情報が添えられている
必要な情報を整理することで、レビュー時間を短縮し、今後の開発でのコミュニケーションにも活用できます。
コードだけには含まれていないドメイン情報(実装思想、エンドユーザーとのやり取りなど)を適切に伝えることで、未来の開発にも活かせるでしょう。
5. コードの変更について説明できる、または説明なしで理解できる
AIを使うようになって実装スピードは向上しましたが、自身で実装していないコードも増えました。コードレビューでは「意図がわからないコード vs 新しい提案」を比較するため、実装者は自身のPRについて説明できるよう理解を深めることが重要です。
ただし、AIによる実装スピード向上のメリットも大きいため、テストで品質を担保するなど、品質とスピードのバランスを取ることが大切です。
まとめ
効果的なコードレビューは、不具合発見だけでなく、チーム全体の技術力向上とコードベースの品質向上に貢献します。レビュイーとして上記の5点を意識することで、より良いコードレビューサイクルを実現できるでしょう。
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