ピラミッドを背景に、そこから現れるミイラと財宝、そして剣を持って立ち向かう主人公の冒険家ビックのイラストが描かれているパッケージでした。

 当時の懐かしい広告とゲーム画面で、国産PCの歴史とノスタルジーに浸れる連載コーナー。今回取り上げたのは、コナミが1985年に発売したアクションパズルゲームの傑作『王家の谷』です。

広告では、「ぞくぞく登場! コナミのNewソフト!」とのキャッチのもと、『モピレンジャー』と合わせて紹介されていました。発売日に関して調べてみたところ、WebArchiveにコナミの過去ホームページがアーカイブされていて、そこでは1985年3月18日になっていました。

 MSXパソコン向けには、多彩なソフトハウスがさまざまなタイトルを発売していました。中でも、群を抜いて大きな存在感を示していたのがコナミでしょう。MSX向けに数多くの名作をリリースしてきましたが、今回取り上げた『王家の谷』も、非常に良く出来たアクションパズルゲームでした。そのストーリーは、次のようになっています。

 エジプト史上最も栄えた新王国時代、国王達は豪華な埋葬品の盗掘を防ぐため人里離れた山間の中に密かに墓を造った。墓はいずれも崖の面に深く掘った横穴式で、王のミイラは主室の一段低い場所に置かれた石棺に納められた。以後歴代の国王や貴族が64もの墓を造り、やがて「王家の谷」として国王達の安眠の地となった。だが被葬者たちの願いにもかかわらずツタンカーメンを除く全ての墓は盗掘され、大部分は廃墟と化した。しかし秘かに他に移された何人かの国王のミイラは、3400年もの時の流れの中で、やがては神の国“太陽”への導きを与える秘宝珠を守り続けていたのである。

 この秘宝珠を求めて、今一人の男が王家の谷へと向かった。英国マンチェスター生まれの冒険家、ビックである。果たして彼は、古代エジプト文明を結集した石室の謎とミイラ男達の呪いを解き、封じ込められた秘宝珠を無事手に入れることが出来るのだろうか。

どのパターンでも、まずはF1キーを押してポーズをかけ、じっくりと攻略手順を考えるのがセオリーです。ただし、なかには通過後に壁が閉まる通路があることも。

 プレイヤーは冒険家ビック(VICK)として王家の谷を探索しつつ、サイドビューで表現されるピラミッド内に隠されたすべての秘宝珠を、触れるとミスになるミイラを避けながら集めるのが目的となります。カーソルキーで主人公の移動のほか、スペースキーを押すと何も持っていないときは自分の身長分だけジャンプすることができます。ピラミッド内にはアイテムとしてツルハシと剣が置かれているのですが、それらを所持しているときはジャンプできません。

 ツルハシを持っているときは、左右の向いている方向の地面を縦2マスまで掘ることができますが、ツルハシ1つにつき1度しか使えません。剣を所持しているときは、スペースキーを押すと前方に向かって投げます。壁に当たった場合は跳ね返るのですが、ミイラの場合は倒すことができました。その後、剣は付近に落下するので、拾えば何度でも使うことが可能です。この、“アイテムを持っているときはジャンプ出来ない”という仕様が、『王家の谷』を魅力あるアクションパズルに仕上げていると言えるのではないでしょうか。

偶数面は、2画面構成となっています。左右の画面がどのようになっているのかを把握してから移動しないと、隣の面に移動した瞬間にミイラに捕まる、という悲しいことに。

 ピラミッドの中にはA型、B型、O型、AB型の4人のミイラ男が住んでいるとマニュアルには書かれているのですが、それぞれが血液型の性格に合わせた動き(?)でプレイヤーに迫ってきます。あるものはフラフラしていたり、またあるものは階段で猛ダッシュを仕掛けてくるなどの個性を持っているので、それらを見極めて逃げたり倒す必要がありました。なお、所々に設置されている青色から白色方向への一方通行となる回転扉は、ミイラは通ることができません。このような仕掛けを上手に利用して、難を逃れながら秘宝珠を回収していきましょう。

 肝心の秘宝珠は、通路に無造作に置いてあるときは簡単に回収できますが、時には石室の中に配置されていることも。その場合、ツルハシを使って穴を開ける必要があるのですが、ツルハシは剣と違い1つにつき1度しか使用できません。そのため、あまり関係の無い場所で無駄に使ってしまうと、ハマって詰んでしまう事態になることも。

主人公は、剣やツルハシを持っているときはジャンプ出来ません。特に、掘りたい場所がジャンプを使わないと行けない、という場合は思考が間違えている可能性が高いので、初期状態に戻して考え直すのが吉です。

 さらには、そこが閉じた空間の場合は出口のことまで考えてから行動を起こさないと、せっかく秘宝珠を回収できても出られなくなり泣くハメに……。いずれの場合もF2キーを押してやり直すしかありませんが、引き替えにプレイヤーのストックを1人失ってしまいます。ストックが無くなるとゲームオーバーですが、10,000点を超えたときと、その後は20,000点ごとにプレイヤーのストックが増えていくので、ミイラを積極的に倒すのも攻略方法の一つとなるのでした。

 見事にパターン内の秘宝珠をすべて集めると、ステージのどこかに扉が出現します。そこから出ればクリアとなるのですが、2面以降は入ってきた扉と次のパターンに進める扉の2つが出現するので、どちらから出てきたのかを覚えておかないと無駄足を踏むことにもなりかねません。

ツルハシは縦に2マスの穴を掘れるだけでなく、主人公が凹のような地形に入ったときは壁を崩すこともできます。これが分かると、戦略も更に広がるというもの。

 各パターンは、奇数面が1画面分で偶数面が2画面分となっていました。特に偶数面では、例えば左画面でツルハシを取って右画面に持って行ったり、敵を片方の画面に集めてその隙に秘宝珠を回収するなど、奇数面とは違った攻略法が要求されます。そのため、初めて訪れたパターンではF1キーでポーズをかけて、クリア方法をじっくりと脳内で練り上げてから動き出したいもの。とはいえ、実際にプレイヤーキャラを動かしてみないと分からないことも多いので、何度も挑戦する必要があるでしょう。

 本作は今でも人気が高いようで、オークションサイトやフリマアプリなどでは手が出しづらい価格になっていることもあります。実機にこだわらないのであれば、プレイステーションまたはセガサターン用に発売された『コナミアンティークスMSXコレクション Vol.3』に収録されているので、それでプレイするのも良いかもしれません。

ステージ間には、このような画面を見ることができます。これによると、全部で15パターンあるのがわかります。果たして、あなたはGOALにたどり着くことができるでしょうか?

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