暗号資産(仮想通貨)取引所最大手のコインベース・グローバルは、米国外の契約社員もしくは社員がハッカー集団に買収され、機密性の高い顧客データが盗み出されたと明らかにした。ハッカー集団はコインベースに2000万ドル(約29億円)の身代金を要求してきたという。
サンフランシスコに本社を置くコインベースは、身代金の要求には応じない方針を示したほか、この対応で最大4億ドルのコストがかかると可能性があると述べた。
同社発表によると、ハッカー集団はコインベースの顧客サポート担当者に現金提供を持ちかけ、顧客の名前や住所、アカウントデータ、身分証明書の写真などをコピーさせて入手。コインベースになりすましてユーザーから暗号資産をだまし取ると同時に、この事実を隠すための身代金をコインベースに要求した。
影響を受けたのは、月間取引の1%未満にとどまったという。セキュリティー統制を強化するとともに、資金を失ったユーザーには全額補償すると同社は述べた。またハッカーの逮捕や有罪判決につながる情報提供者には、2000万ドルの報奨金を提供すると発表した。
ニューヨーク・タイムズ紙はコインベースが過去の開示で、ユーザー数を不正確に報告した可能性があるとして、証券取引委員会(SEC)の調査が入っていると報じた。この報道を受けて、15日の米株式市場ではコインベース株が一時9%近く下げた。
NYタイムズが関係者4人の情報として報じたところによると、SECの調査はバイデン前政権当時に始まり、トランプ政権になってからも継続している。
原題:Coinbase Workers Leaked Data to Hacker Seeking $20 Million (2)(抜粋)
Coinbase Shares Drop on Report of SEC Probe of Its User Numbers(抜粋)
🧠 編集部の感想:
コインベースの顧客データ盗難事件は、サイバーセキュリティの脆弱性を浮き彫りにしました。このような内部からの情報漏洩が発生することで、ユーザーの信頼が損なわれる恐れがあります。さらに、SECの調査が進んでいる中、同社の株価にも悪影響を与えているのは厳しい状況です。
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