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ゲームボーイアドバンスの「カードeリーダー+」で「Balatro」の一部が再現される



 懐かしいゲームボーイアドバンスの周辺機器「カードeリーダー+」向けに,評価の高いローグライトなポーカーゲーム「Balatro」PC / PS5 / Xbox Series X|S / PS4 / Xbox One / Nintendo Switch / iOS / Android)がデメイク(新しいゲームを古い機種風にアレンジしたり,移植したりすること)された。現時点でモックアップ部分は残っているものの,プレイは可能だという。ゲームボーイアドバンス向けのゲームを開発し続けるインディーデベロッパが再現を行っているのだが,解決しなければならない課題も多いという。

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Balatro for the Nintendo E-Reader

「カードeリーダー」(任天堂公式サイトより)
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 任天堂が2001年に発売した「カードeリーダー」と,2003年の後継機「カードeリーダー+」を覚えている人は多いだろう。ゲームボーイアドバンスにバーコードの書かれた「カードe」「カードe+」を読み込ませることで,ゲームや既存作との連動を楽しめるという周辺機器だ。
 海外では「カードeリーダー+」が「Nintendo e-Reader」として発売されているが,すでにお伝えしたように,「カードeリーダー+」向けに新作ソフトを制作するRetroDotCardsのようなインディーデベロッパも存在する(関連記事)。

RetroDotCardsが制作した「Nintendo e-Reader」用新作ゲーム「Exo Attack」(左)と,そのカード(右)
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 RetroDotCardsのMatt Greer氏は,公式Blogで,「Balatro」のデメイク版である「Balatro for the Nintendo e-Reader」を開発したことを明かした。
 「Balatro」にハマったというGreer氏はゲームボーイアドバンス版「Balatro」のモックアップ画面を制作し,これが「本当に楽しかった」ことからゲーム本編のデメイクに着手,その進捗状況を動画で公開しているのだ。

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「ブラインド」選択画面(左)結果表示画面(右)だが,実はモックアップだという。ブラインドとは対戦相手のことだ。オリジナル版には特殊能力でこちらを苦しめる「ボスブラインド」も存在するが,まだ実装されていない
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 ブラインドの選択画面や勝利画面は動作していないモックアップだが,プレイは可能で,手札の交換や,さまざまな特殊効果を持つ「ジョーカー」の発動といった中核部分が実際に動いているところが確認できる。
 ただ,Greer氏によれば「ゲームの完全な移植にはまだ程遠い」状態で,ツーペアやフルハウスなど,同じ数字のカードを揃える役は問題ないものの,ストレートがうまく認識されないといった問題があるという。
 すでにお伝えした,「Balatro」をニンテンドーDSに移植するプロジェクト(関連記事)でも役の判定が課題とされており,機能の劣る旧機種へのデメイクがいかに大変であるかが窺える。

より大きな桁数を扱える画面のモックアップ
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 「Balatro」の大きな魅力である150種のジョーカーについては,挙動自体は「ジョーカーエンジン」とでも呼べる仕組みで再現できるのだが,すべてのグラフィックスをNintendo e-Readerに入れるのは容量の問題から不可能だと考えている。
 また,Nintendo e-Readerで数字を処理する「DrawNumber」関数は,5桁の数を最大で4つしか扱えないため,スコアを表示するだけでもスロットが2つ必要になる。GBAでは小数もネイティブで扱えないが,浮動小数点機能をソフトウェアで実装することは現実的でないという。
 こうした状況からGreer氏はNintendo e-Reader版「Balatro」について「多くの譲歩が必要になるだろうが,ゲームの本質と楽しさをとらえたデメイク版は実現可能だ」と語っている。


 なお,今回の「Balatro」だが,「たとえ小さなプロトタイプであっても,デメイク版をリリースすることで悪影響を与えたりしたくない」ことから,オリジナル版の作者であるLocalThunk氏の承認がなければ公開しないとのこと。
 このように,ニンテンドーDSやApple Watchなどへの移植をはじめ,「デイヴ・ザ・ダイバー」とのコラボによる作品内のミニゲーム化(関連記事),「Balatro」上でFPS「DOOM」を動かすMODの制作など,「Balatro」世界はさまざまな方向に広がっているようだ。

ニンテンドーDS版。役の判定がまだ完全ではないそうだ
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Apple Watch版
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「デイヴ・ザ・ダイバー」とのコラボ
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「Balatro」のカードで「DOOM」を動かすMODは,「BAD APPLE」のミュージックビデオを動かすMODがヒントになって制作された。オリジナル版の作者であるLocalThunk氏も承知している
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 デメイクにあたっては,何を再現して何を捨てるかのさじ加減が問われ,これは,8〜16ビット時代のアーケードゲームの移植を思わせるものがある。

Balatro for the Nintendo E-Reader



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🧠 編集部の感想:
ゲームボーイアドバンスの周辺機器「カードeリーダー+」で「Balatro」がデメイクされるのは、懐かしさと共に新たなゲーム体験を提供してくれる素晴らしい試みです。技術的な課題が多く残るものの、インディーデベロッパーの挑戦には敬意を表します。ゲームの本質を保ちながら新しい形で楽しめることに期待が高まります。

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