ケルヒャージャパンは、ドローン技術のスタートアップ企業であるスカイコードと業務提携し、ドローンと高圧洗浄機を組み合わせた「空飛ぶ高圧洗浄機(正式名称:高圧洗浄ドローン)」を開発。5月末より最初の事例に導入され、高所などの清掃に対する新たなソリューションとして社会実装を目指す。
従来、高所や傾斜面の清掃には、危険な高所作業や足場の設置が伴い、大きな労力とコストがかかっていた。例えばビル外壁の洗浄はクレーンやゴンドラを用いて行なわれるケースが多く、作業員にとって墜落などの事故リスクを伴う非常に危険な作業と指摘されているという。
「空飛ぶ高圧洗浄機」はドローンを活用することで、危険な高所や傾斜面の清掃作業を省力化し、作業時間の短縮やコスト削減につなげられる。また、高速道路脇の法面(のりめん)や橋梁上部、屋根上の清掃など、足場を組めない・組みにくい現場での清掃にも対応。さらに太陽光パネルの洗浄や、温水高圧洗浄との組み合わせによる雑草駆除、除雪サポートなども可能になるという。
ケルヒャーは歴史的建造物や文化財の洗浄ノウハウをもち、スカイコードはドローンを用いた撮影や洗浄など、すでに商用運用の実績がある。業務提携では、スカイコードがケルヒャーの高圧洗浄機に最適化したアダプターを設計・製造。あらゆるドローンにケルヒャー高圧洗浄機の噴射ノズルを搭載できるようにしている。
洗浄にはケルヒャーのノウハウと、スカイコードのドローン操縦技術を活用。洗浄対象物や現場環境に応じて最適な洗浄方法やノズル選定・水圧・飛行ルートを設計し、作業時間を短縮しながら、ムラのない美しい仕上がりを実現する。
実際のドローン操縦はスカイコードのプロパイロットが行なうほか、導入先で自由に運用できるように操縦研修なども用意する。具体的には、現場での安全かつ効率的な運用を実現するための「オペレーションガイド」を整備し、あわせてプロパイロットによる実践的な操縦・運用研修プログラムを提供。講習は、スカイコードの保有する専用のドローンスペースにて、十分な実地訓練を行なうという。
「空飛ぶ高圧洗浄機」による洗浄は、5月末に第1号案件がスタートするとのこと。新たな清掃ソリューションとして、社会実装を目指していくとしている。
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