サムスンの可愛らしい球体ロボット「Ballie」が、GoogleのAI「Gemini」で強化される。今夏に発売予定のこの家庭用ロボットは、皆さんや家族、友人、ゲストと、より高度な会話ができるようになる。


黄色い球体ロボット「Ballie」
提供:CNET

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 音声コマンドを使って、ムード照明の調整やスケジュール作成、玄関での来客対応など、住環境の管理をBallieに指示できる。

 サムスンによると、Geminiを統合したことで、朝の服選びをする際にBallieが「新しいアクセサリー」や「カラフルなシャツ」の提案など、スタイリングのアドバイスをしてくれるようになるという。

 Ballieの進化は、Geminiのマルチモーダル機能とサムスン独自の言語モデルの統合によるところが大きい。さらに、Ballieがマイクやカメラ、センサーから収集したデータも組み合わせている。両社は長い協力関係があり、ここ数年はサムスンのフラッグシップスマートフォン(Galaxy S25シリーズなど)にGoogleの最新AIを組み込むため、とりわけ密に連携してきた。

 「Geminiの強力なマルチモーダル推論とサムスンのBallieにおけるAI機能を組み合わせることで、オープンなコラボレーションの力を活用し、パーソナライズされたAIコンパニオンの新時代を開く。これはユーザーとともに動き、ニーズを予測し、これまでにない動的かつ意味のある方法でやり取りできるものだ」と、サムスンのビジュアルディスプレイ事業担当エグゼクティブバイスプレジデントであるYongjae Kim氏はプレスリリースで述べた。

Ballieのゆっくりとした展開

 サムスンがラスベガスのCES 2020で初めてBallieを発表したときは、このロボットが実際に販売されるかは不明だった。筆者はCESでロボットの展示を10年近く取材しているが、大半は人目を引くためのコンセプトで終わることが多い。しかし、Ballieは違った。

 BallieはCES 2024でも再び姿を見せ、2025年のCESでも登場した。そしてサムスンは、ついに2025年夏に米国と韓国でこのロボットを発売すると発表した。

 それでも、自宅にBallieが必要だと多くの人に思わせるのは容易ではないかもしれないと、CCS Insightの主任アナリストであるBen Wood氏は指摘する。「Ballieのようなパーソナルロボットは大きな話題になり、消費者の想像力をかき立てるが、Amazon が2021年に発売したロボット『Astro』で経験したように、これは難しい市場だ」

 人々は確かに家庭用ロボットというアイデアに関心を持っているが、それが購入につながるわけではない。Wood氏によれば、AmazonのAstroは数百台しか売れなかったと考えられているという。ただし、最近のAIの進化や、Appleが近年中にロボット市場に参入するといううわさ(その間にもコンセプトを披露している)を考えると、注目を集めているこの技術がいずれ家庭に普及する可能性は十分にある。

 「サムスンはBallieでより大きな成功を狙うだろうし、Geminiアシスタントとの統合でより魅力的な製品にするだろう」とWood氏は言う。「しかし、スマートフォンにGeminiが入っているのに、わざわざBallieが必要なのかという疑問は残る」

 サムスンはまだBallieの価格を発表しておらず、その人気を正確に見通すのは難しい。もし比較的手頃な価格なら、多くの人にとって初めて家庭に迎えるロボットとなる可能性があり、Geminiをさらに生活や家庭へ浸透させることになるかもしれない。

この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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