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クリエイター視点から広告倫理を考える『クリエイティブエシックス』の可能性中村ホールデン梨華@AD-LAMP

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概要

この記事では、広告の倫理についての考察がなされており、日本とイギリスにおける「広告倫理」という言葉の使い方の違いが強調されています。特に、イギリスでは「広告倫理」という表現が使われなくなり、その代わりとして「クリエイティブ・エシックス」という概念が提唱されています。これは、広告の表現が消費者の視点に基づき、客観的な正解が存在しないことを示すものです。著者は、クリエイティブ・エシックスが広告の質を向上させる可能性を見出しています。

要約(箇条書き)

  • 背景: イギリスで広告ガイドラインに関与する大学からの「広告倫理」という言葉への反応が皮肉であった。
  • 用語の違い: 「広告倫理」は国際広告学会やイギリスの広告審査機関で使われなくなった。
  • 倫理の解釈: 倫理が「画一的な正解」を暗示しないようにするため、広告業界では「クリエイティブ・エシックス」が提唱されている。
  • 日本の現状: 日本では倫理に関する議論がトップダウンで行われ、客観的な正解があるという誤解が広がっている。
  • クリエイティブ・エシックス: コンプライアンスを超え、人権を基に広告メッセージや表現を考える新しい倫理観。
  • 将来の展望: クリエイティブ・エシックスの導入が日本の広告業界におけるクリエイティブの質の向上につながると期待されている。
  • 対話の場: 記事では、クリエイティブ・エシックスの提唱者へのインタビューが予定されており、その詳細が紹介される予定。

クリエイター視点から広告倫理を考える『クリエイティブエシックス』の可能性中村ホールデン梨華@AD-LAMP

中村ホールデン梨華@AD-LAMP

2025年5月23日 03:28

「”広告倫理”って言葉を使っているの、興味深いわ」イギリスで、2023年に広告ガイドラインを作っている機関に、学術リサーチを提供している大学のヘッドから、言われたことば。え?と思った。イギリスでは「お前は頭がおかしい」と言う代わりに

興味深い」という皮肉な言い回しで伝えるのを知っていたから。

そこで気づいたのですが、たしかに、

広告倫理の元の英語Advertising Ethicsは国際広告学会でも、イギリスの広告審査機関でも今は使われていない2008年ごろまでの言葉でした。

私は広告倫理という言葉を日本でずっと使ってきたので、
驚きました。

なぜ?広告倫理という言葉はズレ

倫理が何を意味するか、
倫理という言葉は、まるで広告の倫理のあり方に画一的な正解があるように思わせるから倫理という言葉を使わなくなったそう。

ある広告表現は、ある属性によってはいいもので、ある属性によっては悪く受け取られます。
倫理にも広告表現にも客観的な正解はなく、
広告屋さんにできることは、消費者に何をなぜ伝えたいか考え、
ターゲットを優先しつつ、
社会の害悪に加担しないような広告表現を覚悟をもって選び取ることです。

広告倫理のシステムが整ったイギリスではこのような思想から、

広告審査機関の定める広告ガイドライン

危害、深刻で広範な不快感を引き起こす可能性のあるジェンダーステレオタイプの描写ガイダンス
「危害と不快感:ジェンダー・ステレオタイプ」
という名前で、「広告倫理ガイドライン」という名前ではないのがポイント。

消費者保護のためであって、ルールを作って審査機関の権威を見出したり、上から「あれはダメ、これもダメ」と決めつけたりしませんよという姿勢が見える。また、広告の善し悪しを判断する広告審査機関が

「不快感」という、一見、不確かであいまいなお気持ちを重視していることからも、

倫理にも表現にも客観的な正解はない、消費者起点であると示されているといえます。

だからこそ、今やイギリスでは「倫理」という言葉を広告に使うにはズレているらしいのです。

私としては、背景にあるこのような価値観が大切なのであって、「広告倫理」という言葉を使うかどうかは、そんなに大事だとは思いません。

日本ではまだそんなこと言えない

日本ではまだ、メディアや業界内で広告表現が炎上するたび、

判断をトップダウンでしようとする姿勢

「倫理的にダメか」「倫理に反しているので放映NG」といった倫理に客観的な正解があるような物言いが横行しています。

例えば、「非実在型炎上」「ノイジ―マイノリティー(うるさい少数派)」という言葉で権力者が広告への批判をなかったことにしようとする事例もその典型です。

さらに、どうしても日本では、コンプラを嫌ってしまう文化が、

たった一度の間違いでも許さない雰囲気によって炎上を怖いと思ってしまう広告担当者がほとんどだからです。

このような文化の中では、「倫理に客観的な正解はない」とか言っている場合ではなく、

まず「倫理が何か」「大まかな正解」をインストールする必要があります。

でも性教育も、男女平等も、エロ広告の規制も進まないのが現状です。

日本のリスク管理の最適解はクリエイティブエシックス

そんな折、日本では「クリエイティブ・エシックス」という言葉が、広告界で使われるようになっています。

このクリエイティブエシックスは、
人権をベースとして、広告コアメッセージや表現を考えよう、という、コンプラに代わる倫理観だそうです。

「クリエイティブ・エシックス」とは、広告や映画、ドラマなどのコンテンツ全般のつくり手に求められる倫理観を指します。「クリエイティブ・エシックス」は、作品の質とビジネス面の結果を両立する上で欠かせない、世界的な潮流です。
目先のトレンドを追う従来の広告がフローだとすれば、クリエイティブ・エシックス広告はストックなのです。コンプライアンスは守りであり、クリエイティブ・エシックスは攻めである

橋口幸生. クリエイティブ・エシックスの時代 世界の一流ブランドは倫理で成長している

イギリスでの「広告倫理」は、
まるで広告の倫理のあり方に画一的な正解があるように思わせることから、広告業界や学術界では使われない言葉になってしまいましたが、日本では、新たなワードの「クリエイティブエシックス(≒広告倫理)」で語ることで、コンプラへの嫌悪感を払拭し、

包括的で、よいクリエイティブがになっていくのだと思います。

クリエイティブエシックス提唱者に聞く!

クリエイティブエシックス提唱者の橋口さんにお話を伺える機会を用意しました!
『クリエイティブエシックス』の内容を紹介しつつ、クリエイティブの現場に立つ当事者からの広告倫理の考え方をお伝えすることを目的としています。
クリエイティブ業界のビジネス倫理の最前線の電通・橋口さんにお話をうかがいます。



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