月曜日, 6月 9, 2025
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ガタカ/ミセンを観て 〜劣等社会人に贈る映画〜藍川純恋

🧠 あらすじと概要:

映画「ガタカ」とドラマ「ミセン」の感想

この記事では、映画「ガタカ」と韓国ドラマ「ミセン」を観た感想が述べられています。どちらの作品もエリートに囲まれた主人公が自分の道を模索する物語です。著者は「ミセン」の方がより共感できたと感じています。

あらすじ

  • ガタカ: 近未来の遺伝子操作によってエリートが生まれる世界で、遺伝子的には劣っている主人公が、自身の夢を追いかけて奮闘する。
  • ミセン: 韓国の運送関連の大企業に新入社員として就職した主人公が、オフィス業務での苦労を描く。

重要なポイント

  1. リアルさ:

    • 「ガタカ」はSF要素が強く、抽象的な感覚が強い。時には共感しにくい場面が多い。
    • 「ミセン」は日常のオフィス業務を描き、視聴者が共感しやすい具体的な描写が多い。
  2. 描写の注力:
    • 「ガタカ」は成功を重視した描写が多く、主人公の努力が最小限にしか描かれない。
    • 「ミセン」は失敗や苦悩を詳しく描き、視聴者が主人公に感情移入しやすい。

著者自身、日常の疲労や劣等感を抱える人々にとって、共感できる「ミセン」に心を動かされたのではないかと指摘しています。視聴者が求めているのはエリートの成功物語ではなく、己の苦労を理解し合えるような物語であると結論づけています。

ガタカ/ミセンを観て 〜劣等社会人に贈る映画〜藍川純恋

映画「ガタカ」と
韓国ドラマ「ミセン」の1話目を観た。

どっちもエリートに囲まれた主人公が、自分の可能性を諦めずもがく話。

私がより面白く感じたのは「ミセン」の方。
両者の違いは主に二つある。それは

・リアルさ
・注力して描いている場面

である。

まずリアルさについて!ガタカは欧米が舞台、主人公が所属している企業も宇宙関連であるため好奇心が満たされるという点では面白いが、主人公の挫折感を自分ごととして捉える際に、一度抽象的な概念に戻す手間が生じた。私の反応として、行動については「面白い」感情に対しては「共感」だったのである。また、登場する上司や同期の人となりに関してもやはり欧米チックというか、

「やっぱ言い回しがカッケーぜ〜」という印象で流し見をしていたのだ。

一方でミセンは、韓国が舞台、企業も(たぶん)運送関連の大企業ということで、いわゆる「オフィス業務」が中心に描かれる。だから描かれる「新人の苦労」に対しても、「そんな苦労があるんだ〜」という好奇心よりも、「うわわかる!わかるよ〜!」という負け犬的立場での共感が満たされたのである。(例えばガタカではランニングマシンでひたすら走る描写や宇宙飛行機の軌道経路を計算する様子が描かれていたのに対し、ミセンではコピーの仕方や電話の取り方がわからずあたふたする、

という、日本で働くサラリーマンなら誰でも経験した&共感できるような描写が描かれている)

これはつまり、私に今の自分と異なる世界の話を受け入れる余裕がなく、ストレートな共感でしか感情を揺さぶられないくらいに心と頭に余裕が無いことを示唆しているのかもしれないが、しかし今日本で一生懸命働いている人の大半はそうでは無いのだろうか?とにかく日々に一杯一杯で、余裕が無いのだ!

逆に日常に飽き飽きしている人にとっては、ミセンのそういった描写は退屈なのかもしれないが。

そして二つ目の違い、注力して描写された場面についての違いであるが、

ガタカは間一髪、他のエリートと同様に溶け込み日々を生き抜く主人公であり、「成功」の描写が比較的多く描かれる。そのための「努力」の描写は必要最低限なので、視聴者としては

「この主人公すごいな」という感想が第一に来るのである。

一方ミセンは、業務をうまくこなせず、同期や上司に馬鹿にされる主人公という、「失敗」の描写がほとんど。その上で環境に耐え、努力し続ける主人公の描写も丁寧に描かれるので「わかる、わかるぞ、、、。がんばれ!!!負けんな!」

という気持ちが爆発してしまうのである。

ここまで書いて気づいたが、これってただ私が仕事できない側の人間だから

ミセンの方が面白かったって言ってるようなもんじゃないか?

ぬぬぬ

まあそれも正解でしょう。

ただし、「エリートに囲まれてもがく主人公」を売りにしている作品に惹かれる人というのは、
仕事がうまくいってない人だと思うのだ。日々劣等感に苛まれている人だと思うのだ。

そんな奴が、誰かをすげーと思いたいだろうか。
日々十分、痛感しているのに?

求めているのは、共感なのだ。居酒屋なのだ。

というわけで、言いたいことが全部言えたので、今日はこれでお開きにします。
アディオス!

藍川純恋



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