オープンシグナル(Opensignal)は7日、日本の地方部におけるユーザー体感を分析し、その結果を公表した。調査期間は、2024年第4四半期~2025年第1四半期。
モバイル回線の依存度が高いが品質は相対的に低い
地方と都市を比較すると、ダウンロードスピードは地方が44.2Mbpsに対し都市部は52.7Mbps、同様にアップロードスピードは6.5Mbpsに対し8.3Mbpsと、都市部に対して地方部のモバイル接続性は低い。ほかの指標でも都市部の方が高い傾向にあるほか、地方より都市部の方がWi-Fiに切り替える時間が長い。
同社は、地方のネットワークは都市部に比べて遅れていると分析。人口が少ない地域ほど電波の届かない時間が長い一方で、Wi-Fiを利用する時間が地方では短いため、地方のユーザーほどモバイル回線への依存度が高いにもかかわらず、ネットワーク品質が相対的に低いとしている。
地方はドコモ、都市部はauが優勢
キャリア別に見ると、たとえばダウンロードスピードを見ると地方ではNTTドコモが46.1Mbpsで1位、一方都市部ではauが56.6Mbpsで1位となった。信頼性の調査では、地方ではドコモとauが上位に、都市部ではauが1位となっており、地方でドコモが、都市部ではauが優位に立っていると分析する。
なお、電波の利用率やカバレッジエリアの指標では、地方と都市部共にドコモとauが上位に位置しており、特にカバレッジエリアではドコモがトップに躍り出た。レポートでは、ドコモとau回線は、ほかと比べて地方で電波が届かない時間が最も短いとしている。
非地上系ネットワークでエリアカバーを図る各社
なお、MNO4社は、地方でのサービスエリア拡大に向けて、非地上系ネットワークでのアプローチを進めている。au回線を運用するKDDIと沖縄セルラーは、通信衛星のStarlinkとスマートフォンが直接通信できる「au Starlink Direct」を提供している。楽天モバイルも、低軌道衛星「AST SpaceMobile」による通信サービスの計画を進めている。
ドコモとソフトバンクは、成層圏を飛行する無人飛行機による通信プラットフォーム「HAPS(High Altitude Platform Station)」の計画を進めており、実現すれば、地方だけでなく離島や海上、山間部などでも通信できるようになると言われている。
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