「照明ひとつで空間の印象は劇的に変わる。内装設計の専門家の方々からも、『一番コスパよく空間の印象を変えられる方法は照明を変えること』とよく耳にする」――パナソニックエレクトリックワークス(パナソニックEW)が新たに発表したオフィス向けスポットライト『TOLSO+ BeAM Free』の狙いについて、担当者はこう話す。
従来、スポットライトは舞台や展示会、店舗などで使われるケースがほとんどだった。商品や展示品をピンポイントで際立たせることに特化し、店舗での販売促進効果が注目されてきた。そんなスポットライトだが、昨今はオフィスへ導入する動きが広がっている。職場の雰囲気を手っ取り早く「今風」にできるためだ。
さらに、近年の働き方の多様化も背景の1つだという。特定のデスクを持たず、仕事の内容に応じて場所を選ぶABW(Activity Based Working)型オフィスが広がり、集中エリアや打ち合わせエリア、リラックスエリアなどが混在する空間が増えた。これらに一律の「のっぺりした」均一照明を当てるのではなく、エリアごとに適した明るさや光の質を与えることで、生産性や居心地を高めるという考え方だ。
パナソニックはスポットライトを組み合わせた照明を「メリハリ照明」と呼び、オフィス向けに訴求してきた。実際、奈良県庁が「メリハリ照明」を導入したところ、「『こんな場所で働きたい』という学生が増えてリクルーティング活動にもプラスになった」と好評を得たという。
とはいえ課題もあった。従来の店舗用スポットライトは光のムラが多く目が疲れやすい、グレア(まぶしさ)が強いなど、長時間の執務に不向きだった。また、電源ユニットが大きく、天井がすっきりしない。さらに、座席ごとに1台必要となるため、導入コストがかさむという問題もあった。
パナソニックが今回開発した『TOLSO+ BeAM Free』は、こうした課題を解決する新製品だ。光ムラを抑えた高均斉度配光を実現し、目の疲れを軽減。また電源ユニットを器具と一体化・コンパクト化したことで、天井もすっきりと見える。広角配光のため1台で2席分をカバー可能となり、台数も半減できる。
コスト面でもメリットがある。均一照明のオフィスに比べて消費電力を約31%削減でき、モデルケースでは年間電気代も約11万円から約7万6000円へとコストダウンを実現。担当者は「メリハリ照明は快適性と省エネ性を両立させることができる」と胸を張る。
「配光調整が自在で、グレア対策を施した電源一体型スポットライトはまだ少ない。他社との差別化になる」と同社は自信を見せる。
🧠 編集部の感想:
新しいパナソニックのスポットライト『TOLSO+ BeAM Free』は、オフィス環境を劇的に変える可能性を秘めています。雰囲気作りだけでなく、働きやすさや省エネ効果も考慮されているのが素晴らしいです。特に、ABW型オフィスの多様なニーズに応えるための工夫が感心させられます。
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