🧠 あらすじと概要:
あらすじ
クリストファー・ノーラン監督の「オッペンハイマー」は、実在の物理学者ロバート・オッペンハイマーが原子爆弾を開発する過程を描いた映画です。彼の功績とその後の良心の呵責、そして科学と倫理の間での葛藤を中心に、第二次世界大戦時の複雑な国際情勢が物語の背景にあります。
記事の要約
この感想文では、映画「オッペンハイマー」を通じて、科学技術の発展とそれに伴う倫理的問題について考察しています。著者は、科学と倫理がトレードオフの関係にあることを指摘し、特に原子爆弾の開発が持つ二律背反を強調しています。また、オッペンハイマーが直面した道徳的葛藤や、戦争がもたらす技術の進展についても考察し、「勝てば正義」という言葉を通じて、選択の重要性と責任について触れています。記事は、倫理的な問題が答えのないものであるため、こうした題材の映画が興味深いと締めくくられています。
最近Youtubeで物理学を見たり変な気を起こしている647だからか?「オッペンハイマー」は楽しめましたね!実在する「原爆の父」こと「オッペンハイマー」を題材にした作品。
まあ言いたいことはただ一つ。
科学と倫理はトレードオフ。重要なのはバランス。つまり量子力学。
社会という枠組み自体、量子力学(0であり1である)ということ。この題材めっちゃおもしろいよね。この世の構造を解くのが学問的に「物理」なんだけど、なんというかな~人間心理や社会構造などの文字通り「物理」的じゃないものもある意味量子力学的な側面を持っていて非常に面白いと思う。つまり我々の思考も量子力学で説明がついてしまうんじゃないの。我々の心理すらそういう風にプログラムされてんじゃないの。これ面白すぎるだろ普通に!
と、映画の話じゃなくなってしまいましたが。
いわゆる世界大戦時、原子力爆弾を開発するアメリカの物理学者オッペンハイマーの話です。日本なんかよりも、世界大戦下のアメリカ情勢というのは複雑で、その辺の政治的思想とも絡まって非常に面白い作品(私好みの作品)でした。
いわゆるナチス・ドイツ、日本という敵国はもちろん、ソ連(共産主義)も敵国とみなすアメリカ国内情勢は複雑で難しいところですね。ソ連とアメリカは同じ連合国(後の戦勝国)であるというのに……。
原子力爆弾を開発することは量子力学の発展で人類的には喜ばしいことなのですが、その反面、大きな犠牲者を出すことになるという二律背反、トレードオフ……。
物理学は実験なくして立証できない学問ですので、爆弾を落とさなけば学問は進歩しないのです……。
ある意味で世界唯一の原爆投下国である日本は物理学の進歩に貢献したと言えるのか……皮肉なものですが。
もちろん原子力が発展すれば医療やそのほか(工学とか化学とか)の便利な技術も発展していくわけなので……。ナチスドイツの人体実験が医療に貢献したともいわれますし……。
倫理と学問のバランスって難しい……。
戦争が技術を発展させるとはよく言われますが、人間の競争心理や欲深さは技術発展のためには必要不可欠なのかも……。
考えれば考えるほど世の中というのはよく作られていると思います。神様すごい。
話それまくりですが、オッペンハイマーは原子力爆弾の開発でアメリカの勝利に貢献し一躍時の人になるものの、その後は本人の良心的呵責から水爆開発には消極的となります。敵も増えて情勢的には悪い方向にいってしまう……。
大体歴史ってそうですよね。風向きが変われば、英雄は大罪人となるのです。
勝てば正義。
これにつきます。
負けたら悪になるのですから、一時先頭に立ったならば、死に物狂いで勝ちを取りにいかねければならないのです。
しかたがない。彼のように頭がよく理性的な人間ばかりではない。民衆は馬鹿で流されやすいマジョリティーなのですから。
それにこの世に絶対的な正義なんてないんです。
たとえ世界で一人だけあなただけが信じた正義だとしても、それは正義なのです。
私はオッペンハイマーは英雄だと思います。原子力爆弾を開発したという「結果」をだしているから。世の中の大半の人が何の結果も出さずに死ぬ中、彼は明確な結果を出しているから物理学者として称えられてよいはずなのです。それに、アメリカ大統領も言っていたように、多くの日本人が死んでも、長引く戦争を終わらせることができたのであれば、原爆を落とした方が犠牲者は少なかったかもしれない。でもそれもすべて仮定の話です。そもそも原爆がなければあそこまで犠牲者は増えなかったかもしれないですから。
しかし辛いかな。原爆で死んだ家族を持つ日本人ならば納得できないかもしれないけれど、結局戦争に勝ったのはアメリカ。負けた日本は世界から見ると悪なのです。民間人が何人犠牲になろうが、勝てば正義になる。負けた日本が悪いのです。
オッペンハイマーには無理だったかもしれないけれど、自分が技術を突き詰めるときめたのならば、心を痛めることはない。あなたは技術的には正しいことをしたのだから。そう思い込む強さがなければ政局を利用して技術を突き詰めてはならない。アインシュタインのように政治と距離を置くべきだった。
結局選択に正しい・間違いはないのです。
だから、自分の選択に責任をもって後悔しないと心を決める強さ。
弱い我々人間に必要なのは、この強さだけです。
話の論点がまとまらなかったですが、「前提」を置かなければ語れない「物理学」と同様です。
誰に何と言われようと自分の中で組み立てた「前提」に基づいた「信念」がブレないようにする「努力」がいちばん大切。
オッペンハイマーは罪人か偉人か?原子力爆弾は開発すべきかそうじゃないか?
という疑問を投げかける映画ですが、それに答えがないからこそこのような題材の映画は面白い。
真実は小説より奇なり。
そもそも物語とは我々の想像から描かれるのだから、我々の体験(歴史)以上に面白い物語はないのかもしれませんね。
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