Danoneが、成長著しい70億ドル規模のプロテインシェイク市場へ本格参入を果たす。
同社は既に高タンパク質ヨーグルトで確固たる地位を築いている『Oikos』ブランドを冠した新製品『Oikos Protein Shakes』を投入し、ヨーグルトという従来の枠を超えたカテゴリー拡大戦略を加速させる方針を発表。
これは、健康志向の高まりとともに、手軽に栄養補給をしたいという現代の消費者ニーズに応える動きと言えるだろう。
Oikosがヨーグルトの枠を超え、歴とした“プロテイン”に
Danone North Americaでヨーグルト部門のプレジデントを務めるRafael Acevedo氏は、「Oikosブランドの中核はヨーグルトにあるが、ブランドが持つ価値はそれ以上だ」と語る。
Oikosは既に高タンパク質製品として消費者に認知されており、その強みをヨーグルト以外の分野、特に店舗の中央通路に陳列される常温保存可能な製品群へと広げることは、Danoneにとって自然な戦略展開。
プロテインシェイク市場は、ヨーグルト市場と比較しても成長率が高く、昨年だけでも売上が15%増加しているというデータが、この参入を後押しする。
Oikos Protein Shakesは、Danoneのヨーグルトブランドとしては初めての非冷蔵製品。これにより、消費者は購入後すぐに冷蔵庫に入れる必要がなく、まとめ買いや持ち運びが容易になる。
特にプロテインシェイクのユーザーは、日常的に食事代替として摂取する傾向が強く、常温保存できる利便性は大きな訴求ポイントとなるはずだ。
Danoneの調査によれば、アメリカ人の約4分の3がより多くのタンパク質摂取を望んでいるものの、忙しいライフスタイルの中で手軽かつ栄養価の高い選択肢を見つけることは常に容易ではない。
この新製品は、そうしたニーズに対するDanoneからの具体的な回答の一つとなる。
Need extra protein?
Check out OIKOS PRO yogurt
• Packed with nutrition
• Many delicious flavors
• 20g protein
• 0g added sugar pic.twitter.com/vCaWkqnXyh— chrisⒷ (@keepitchrisb) March 20, 2025
栄養バランスと利便性を追求した『Oikos Protein Shakes』
『Oikos Protein Shakes』は、1本(12オンス、約355ml)あたり30グラムという豊富なタンパク質を含有。
これに加えて、消化器系の健康をサポートするプレバイオティクス繊維を5グラム、糖類は1グラムに抑え、さらに免疫システムの維持に役立つビタミンAとビタミンDも配合している。
Acevedo氏が指摘するように、多くのプロテインシェイクがタンパク質量のみを重視する傾向にある中で、Oikos Protein Shakesはより広範な栄養的利点を追求することで差別化を図る。
フレーバーは、バニラ、チョコレート、塩キャラメルの3種類を用意。
現在、Amazon、Kroger、CVSなどの一部小売店で先行展開されており、夏までにはWalmart、Costco、Targetといった大手チェーンにも順次拡大される予定だ。
Oikosブランド自体、近年目覚ましい成長を遂げている。
2024年には小売売上高が前年比40%増と急伸し、年間売上は初めて10億ドルを突破。これは、健康や栄養価に対する消費者の関心の高まりを反映したもの。
さらに、血糖値コントロールや食欲抑制効果が期待されるGLP-1作動薬(肥満治療薬としても注目されている医薬品群)の使用者が増加していることも、高タンパク質で少量でも満足感を得やすいOikos製品にとっては追い風となっている。
Danoneは、このプロテインシェイクの成功を足がかりに、将来的にはOikosブランドをプロテインバーやその他の食品セグメントへも展開していく「長期的なイノベーションパイプライン」を構想している。
また、Oikos以外のヨーグルトブランドを新たなカテゴリーへ進出させることも検討中であり、今回のプロテインシェイク市場への参入は、Danoneの野心的な成長戦略における重要な一歩と位置づけられる。
消費者ニーズの変化を的確に捉え、既存ブランドの強みを最大限に活かすDanoneの挑戦は、食品業界における新たな潮流を生み出すかもしれない。
🧠 編集部の感想:
オイコスのプロテインシェイク参入は、健康志向の消費者ニーズに応える素晴らしい戦略だと思います。高タンパク質で利便性の高いこの製品は、忙しい生活を送る現代人にぴったりです。また、今後の展開にも期待が持てるので、他の製品カテゴリーへの進出が楽しみです。
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