「ねぇ知ってる?Netflixで「火垂るの墓」が配信されるんですって」「えぇ!そうなの?また見なきゃリスト増えちゃったわね」「私今まで何回も見たけど、何回見てもいいわよね〜。考えさせられるっていうか」「わかるぅ。私も何回見たか分からないけど、毎回見た後で今日を精一杯生きようって気持ちになるのよね」「映画の最初のシーンからもう胸が一杯になるのよ」「分かる。あんな幼い子どもたちがなんであんな目に遭わないといけないのか。本当に戦争はしたらダメね」「本当その通りね。でも私が一番腹立ったのは疎開先のおばさんね。最初は良い人だったのに食料が無くなってきたからって2人に当たらなくてもいいのにね」「あぁ、あのおばさんね。確かに2人に当たるのは許せないけど、イライラしてた理由は食料が少なくなってきたからじゃないみたいよ」
「え!そうなの。食料が減ってきたからイライラして2人当たっているのかと思ってた。じゃあなんであんなにイライラしてたの?」
隣の席で会話を聞いていた私は、その質問が出たと同時にググッと身体を前のめりにして、すべての感覚を2人の会話に集中させた。私も大のジブリ好きで「火垂るの墓」はジブリの中でかなり上位に入る好きな作品だ。
「なんであのおばさんがイライラしてたのかというと、ずっと応援してたアイドルがグループの卒業と結婚を発表したからなんですって」「そうなんだぁ〜。それはちょっと気持ち分かるわね。私もSMAPから森くんが抜けた時、仕事休んだもん」
「そうよねぇ〜。私もあの時、3日寝込んだ」
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