ウォーレン・バフェットは、次の大きな一手を打つ準備を進めているのかもしれません。

そしてその一手はトランプ大統領による混乱した関税導入に伴って生じた、現在の市場の不安定さを活かす動きになりそうです。

バークシャー・ハサウェイが保有するキャッシュは過去最高額

『ウォール・ストリート・ジャーナル』によると、バフェットは現在、約3,180億ドルものキャッシュリザーブを保有しています。

これは、2024年を通じて、投資会社バークシャー・ハサウェイのポートフォリオの約半分を占めていたアップル株の大部分を売却したことによるものです。

その結果、バークシャー・ハサウェイが保有するキャッシュは過去最高額となり、バフェットは、4月2日にトランプ大統領が「解放の日」と称して発表した大規模な輸入関税の影響で下落した株式市場の価格を活用できる立場にあると、ウォール・ストリート・ジャーナルは指摘しています。

その後、これらの新たな関税の大部分は引き下げられましたが、現在もなお、中国製品には145%、一部のメキシコおよびカナダ製品には25%、その他ほとんどの国の製品には10%の関税が発表されたましたよね。

しかし、これらの関税率は今後の展開により変動する可能性があります。

その間にも、株式市場は、トランプ大統領や財務長官のスコット・ベッセント、さらにはホワイトハウス内外の主要関係者から発信されるあらゆる新情報に反応し、激しく上下に揺れ動いています。

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絶好の狙い目

しかし、そうした割安な株の数々は、バフェットと、彼のかつてない規模の資金力にとっては絶好の狙い目となり得ます。

『ウォール・ストリート・ジャーナル』はこのような問いを投げかけています。

「バフェットが保有する膨大なキャッシュは、弱気相場の可能性が迫っている今、安く株を買い漁るための大きな計画の一部なのだろうか?」

バークシャー・ハサウェイに焦点を当てた書籍『Buffett and Munger Unscripted』の著者であるアレックス・モリスは「バフェットの機会の範囲はかなり限られている」と、『ウォール・ストリート・ジャーナル』に語っています。

しかし、モリスが指摘する2つの可能性のある取引は、バフェットがコカ・コーラまたはアメリカン・エクスプレスを非公開化することです。これにはそれぞれ2,800億ドルと1,300億ドルの費用がかかるとされています。

バークシャー・ハサウェイはすでに両社に大きな株式を保有しています。2024年12月31日時点で、同社のポートフォリオにはコカ・コーラが10.7%、アメリカン・エクスプレスが14.7%含まれているとCNBCは報じています。

一方で、モリスは、2008年の金融危機時にバークシャー・ハサウェイがゴールドマン・サックス、バンク・オブ・アメリカ、ダウ・ケミカルなどに行った好機を捉えた投資は、今回は「効果を上げるためにはかなり規模が大きくなければならない」と述べています。

バークシャー・ハサウェイはコメントの依頼には応じていません。

さらに詳細な情報は、5月初旬に行われるバークシャー・ハサウェイの年次株主総会で明らかになるかもしれません。

この総会は、愛称である「資本家たちのウッドストック」としても知られています。

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