イスラエル軍、シリア大統領官邸付近を攻撃－ドルーズ派保護の目的で – Bloomberg

イスラエル軍は、シリアの大統領官邸に近い標的を攻撃した。シリアでは政府軍とイスラム教少数派のドルーズ派との武力衝突が続き、両国のドルーズ派からイスラエル政府に支援を求める声が上がっていた。

　　イスラエル軍は２日、ダマスカスを見下ろす丘の上に立つシリア大統領宮殿に近い地域を、戦闘機が攻撃する動画をソーシャルメディアのテレグラムに投稿。死傷者や被害の報告はなかった。

　　ダマスカスとその近郊でイスラエルが軍事行動を起こしたのは今週２回目。長期独裁体制を敷いたアサド前大統領をアハマド・シャラア氏ら反体制派が昨年12月に打倒して以降、イスラエルはシリアに対して広範囲に及ぶ攻撃を続けている。イスラエルは2023年10月にイスラム組織ハマスの攻撃を受けてから防衛方針を転換し、越境攻撃の回数が増えている。

　　２日の攻撃後、イスラエルのネタニヤフ首相とカッツ国防相は「これはシリアの政権に対する明確なメッセージだ」と説明。「ダマスカスの南への派兵やドルーズ派への脅しを、我々は許さない」と主張した。

　　シリアのドルーズ派は、政府軍が関与する一連の暴力で少なくとも70人が死亡した。これを受け、同派の精神的指導者は国際社会に保護を要請。イスラエルのドルーズ派指導者がこれに呼応し、ネタニヤフ首相に介入を求めていた。

原題：Israel Hits Damascus After Plea for Help From Druze Minority (1)（抜粋）