日曜日, 5月 18, 2025
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イスラエルの軍事的優位に揺らぎ、トランプ氏中東ディール外交の波紋 – Bloomberg


トランプ米大統領の中東訪問を受け、イスラエルでは安全保障を基盤とする米国の外交政策が、商業的な取引を重視する方向へ変化しているとの懸念が広がっている。

  とりわけイスラエルを国家として承認していない中東諸国への武器売却によって、イスラエルが長年享受してきた「質的軍事優位(QME)」が損なわれる恐れがあるとの危機感が高まっている。QMEとはイスラエルが中東で軍事的な優位性を維持できるよう米国が保障する政策を指す。

  今回の中東訪問で、米国はサウジアラビアに1420億ドル(約20兆7100億円)、カタールに2430億ドル規模の武器を売却する計画を発表。いずれも防衛分野に重点が置かれている。

  イスラエルの懸念はこれだけにとどまらない。リヤドで開かれた投資フォーラムで、トランプ氏は親イスラエルの強硬的な外交姿勢で知られるネオコン(新保守主義派)を無知な介入主義者と一蹴。またイスラエルの宿敵であるイランとの核合意を改めて目指す姿勢を表明した。

  さらにイスラエルにとって衝撃だったのが、トランプ氏が対シリア制裁を解除する意向を表明したことだ。トランプ氏はまた、シリアのシャラア暫定大統領と会談した。イスラエルは過去に過激派イスラム主義とのつながりがあるとして、シャラア氏を信頼していない。

シャラア暫定大統領(左)と会談するトランプ氏(5月14日)

Photographer: Saudi Royal Court/Anadolu/Getty Images

  シャラア氏との会談には、同氏の支援者であるトルコのエルドアン大統領も遠隔で参加した。トルコは19カ月にわたるパレスチナ自治区ガザでの戦争を受けて、イスラエルとの関係を断っており、両国はシリアへの影響力や支配を巡って対立を深めている。

  トランプ氏は、シリア政策について事前にイスラエル側に伝えていたと主張している。米国家安全保障会議(NSC)は現時点でコメントの要請に応じていないが、米政府は一貫してイスラエルの安全保障を確保する方針を掲げている。

  イスラエルが特に神経をとがらせるのが、2012年に米国の法律で明文化されたQMEの行方だ。今週発表された武器売却がこれを脅かすのかは不透明で、例えば最新鋭戦闘機「F35」がサウジに供与されるかどうかも分からない。同機がイスラエル以外の中東諸国に供与されれば初のケースとなる。

  米議員からは、トランプ氏がトルコへのF35売却も検討しているとの声も上がっている。米国はこれまで、トルコがロシア製地対空ミサイルシステム「S400」を保有していることから、F35の売却を拒否してきた経緯がある。

Federal President Steinmeier in Israel

イスラエルのネタニヤフ首相

Photographer: Bernd von Jutrczenka/dpa/Getty Images



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🧠 編集部の感想:
トランプ氏の中東政策がイスラエルの軍事的優位に影響を及ぼす可能性があり、特に武器売却の動きが懸念されるのは注目に値します。米国の外交が商業重視に傾くことで、イスラエルの安定性が脅かされることは深刻な問題です。また、イランとの核合意の進展がイスラエルに新たな緊張をもたらす恐れもあり、地域の変化に対するイスラエルの対応が問われています。

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