金曜日, 5月 16, 2025
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アーケードゲーム「メトロクロス」が稼働40周年! 障害物と戦い続ける傷だらけのランナー。シンプルだけでも奥が深い、名作アクションを振り返る


 ナムコ(現:バンダイナムコエンターテインメント)が1985年5月に発売したアーケードゲーム「メトロクロス」が、今月2025年5月で稼働40周年を迎えた。

 本作は、主人公のランナーを8方向レバーとジャンプボタンで操作して、敵キャラや障害物などを避けながらマップ上を進み、制限時間内に中継地点(ゴール)にたどり着けばステージクリアとなる、任意スクロール方式のアクションゲーム。1周全32ステージで、制限時間内であれば何度ミスをしてもその場からリスタートできるが、タイムアップになった時点で即ゲームオーバーとなる。

 以下、筆者がゲームセンターで遊んでいた当時の記憶を頼りに、本作独特の面白さを改めて振り返ってみた。

想像を絶する難しさにビックリ仰天

 正確な日時は忘れてしまったが、筆者が本作に最初に出会ったのは発売されたからしばらく後、おそらく1986年の1月頃、田舎にあった土間を改造したゲームセンターだったと記憶している。デモ画面をひと目見て「何だか地味なゲームだな」というのが率直な第一印象であった。

 インストカード(※筐体に貼り付ける、遊び方や料金が書かれた紙のこと)には「傷だらけのランナー」と書かれており、画面を見ていると、確かに障害物の巨大なアルミ缶(ジャンボカン)などに主人公のランナーが何度もつぶされていていた。障害物を避けながらゴールを目指せばいいことはすぐにわかったが「コレって面白いのかな?」と、すぐに50円玉を投入する気にはなれなかった。だが、インストカードやタイトル画面にナムコロゴが描かれているの見て「ヨシ、やってみよう!」と、程なく決断することができた。当時から、筆者はナムコ作品の大ファンになっていたからだ。

 「主人公の移動とジャンプの操作しかないみたいだし、割と簡単かも?」と思いきや、いざ遊んでみたら想像以上に難しい。障害物のジャンボカンに押しつぶされたり、落とし穴にはまったりすると、大きなタイムロスになってしまう。緑色のフロア(スリップゾーン)に足を踏み入れると、ランナーが急激に減速したかと思えば、フロアに埋め込まれたクラッカーを踏むと、空高く吹っ飛ばされてうえに尻もちをついてしまう。ほかにもハードルや巨大なキューブなど、さまざまな障害物が行く手を阻む。

 初プレイ時は、確かステージ2でゲームオーバーとなってしまった。その後、あちこちに出現するアルミカンを踏むと、タイマーがほんの少し(2秒間)ストップすることに気付いたが、しばらくの間はステージ4に到達するのが精一杯だった記憶がかすかに残っている。難しかったが、数多くの障害が待ち受ける各ステージをたった1人で、しかも一切の武器を持たずに戦うランナーの姿と、軽快でありながら悲哀さも漂う、一度聴いただけでも思わず口ずさんでしまうノリノリのBGMが、絶妙にシンクロした本作をすっかり気に入ってしまった。

 本作は、ただ単に障害物が見えたら避ける、あるいはジャンプすればよいというものではない。ランナーが前進中は、画面のほぼ中央の位置にいるため、前方に障害物が出現したのを確認してから、その都度反応して避けるにはあまりにも時間が短いからだ。ハードルはジャンプのタイミングが少しズレただけでもつまずくし、前述のアルミカンも、事前に場所を覚えておかないと逃してしまうことが多く、遊べば遊ぶほどち密なパターン化が求められることがわかってきた。

 ステージ3や7など、ジャンプ台が連続で出現するステージでは、出現地点を前もって覚えておくと、ジャンプ台の真上に着地しながら連続ジャンプするとスピーディーに進めて、タイムを大幅に稼ぐことができる。なので本作は、ランナーを正確に操作するテクニックに加え、かなりの暗記力も問われる。

 とにかく難しかったが、これらの要素を頭に入れつつ、攻略パターンを研究すればするほど、ちゃんと成績(クリア時の残りタイム、およびタイムに応じて加算されるボーナス得点)に反映されるのがたまらなく面白かった。

 また本作では、4ステージおきに難しい、あるいは長いマップのステージ(※あくまで筆者の当時の個人的な印象だが)が出現し、すぐに時間がなくなってしまう。だが、4の倍数のステージでは、直前の3ステージをクリア時に余った時間の合計が制限時間に加算される仕組みになっている。よって最初の3ステージ分で、いかに多くの「貯金」を作れるかが、クリアするための大きなポイントとなる。

 しかし裏を返せば、貯金がなければ4の倍数ステージをクリアするのは極めて難しくなる。実際、本作を初めてしばらくの間はステージ4が壁となり、その後も8ステージまで進むのが、当時の筆者の腕では限界だったと記憶している。

 ステージ2など、一部のステージではスケボーが特定の位置に出現する。ランナーがスケボーに乗ると、スリップゾーンでも減速せずに進めるメリットがあるが、乗っている間はジャンプができず、障害物に1回触れただけスケボーは画面外へと消えてしまうので、使いこなすのがとても難しいと率直に思った。

 同じく、特定の場所に置かれたスペシャルドリンクを取ると、ランナーが一定時間、移動スピードが大幅にアップする効果が得られる。しかし、そのスピードが速過ぎるあまり、障害物を発見しても避け切れずに勢い余ってついつい衝突してしまい、なかなか思ったように操作できない。

 見た目があまりにも地味だったせいなのか、一緒に遊びながら攻略パターンを作るゲーム仲間も、ゲーセンに不定期にやって来る、見知らぬ「ゲームの上手なお兄ちゃん」も1人もおらず、独力で攻略せざるを得なかったのも正直つらかった。あまり人気がなかったせいなのか、程なくして本作は店から撤去されてしまった……。

スケボーに乗ると、スリップゾーン上でも減速しないので快適!

スペシャルドリンクを取れば、さらにスピードアップしてスイスイ進める

基板を入手し、およそ9年越しの悲願達成

 地元の店から撤去されてから数カ月後。本作の紹介、攻略記事が掲載された電波新聞社が発行した本「オールアバウトナムコ」を友人から見せてもらう機会に恵まれた。記事には、本作の全32ステージのマップ写真が掲載され、障害物の名前や特徴に加え、全ステージの攻略テクニックや隠しボーナス得点の獲得方法が詳細に書かれていたので、「超」が付くほど驚かされた。

 本書のおかげで、本作は32ステージまで存在すること、全ステージクリアするとゲームオーバーになること、アルミカンを踏まずに連続で蹴ると高得点が稼げることなど、今までまったく知らなかった多くの情報を得ることができた。筆者が特に衝撃を受けたのが「クラッカージャンプ」と「ライン合わせ」のテクニック解説だった。

 それまでクラッカーは、てっきり「純粋な障害物」と思っていたのに、実はジャンプ台と同様に前方へ大きくジャンプしてタイム稼ぎにも利用できると知ってビックリ。後者のテクニックは、タテの2ライン間の狭いスペースに、ランナーをピンポイントで合わせて障害物をすり抜けるというもの。どちらのテクニックも、デモ画面にもインストカードにも書かれていなかったこともあり、後で遊ぶ機会があったらぜひチャレンジしたいと大いに興味をそそられた。だが、本作は地元の店だけでなく、数カ月に1回のペースで出掛ける遠方のゲーセンでもすぐに撤去されたため、本書で予習した成果を試す機会を完全に失い、やがて筆者の脳内からも本作の存在自体が消えてしまった……。

 月日は流れ、すでにライター業を始めて久しい、1995年の年末を迎えたある日のこと。ふらりと立ち寄った某基板屋さんで、偶然「メトロクス」の基板を目にした。直後、久々に本作にチャレンジしようとモチベーションが再燃し、1枚で23,000円もする基板なのに即買いしてしまった。帰宅後、久々に「ベーマガ」を片手に本作を遊び始めたら、これが面白いのなんの!

 ゲーセンでは、なかなかうまくできなかった「クラッカージャンプ」や「ライン合わせ」などのコツをつかみ、並行して各ステージのマップも、ついでに隠しボーナス得点の取り方も覚えられたことで、未知のステージにどんどん進むことができた。特にクラッカーが多数出現するステージでは、ランナーの飛距離をレバーで微調整しつつ、連続で「クラッカージャンプ」ができるようになったときは、この上ない快感を覚えた。

 もう100円玉を一切使わなくてもいいからと、本作を夢中になって数日間遊び続け、何十回とコンティニューを繰り返した結果、ついにステージ32をクリアすることに成功し、部屋の中で絶叫した思い出は今なお忘れられない。最初にプレイしてから9年ものブランクがありながら、その場の勢いで高価な基板を買ってまで「遊びたい!」と筆者に思わせた本作は、それだけ魅力にあふれていたことの何よりの証拠だろう。

 その2年後の1997年に発売された、プレイステーション用ソフト「ナムコミュージアムVOL.5」には本作が収録され、基板よりもはるかに安い値段で遊べるようになった。それでも、基板を買った自身の判断に「後悔などあろうハズがありません」と今でも胸を張って言える。

【オマケ画像:隠しボーナス得点】

スケボーに乗ったまま、新たにスケボー乗り継ぐと2000点

スケボーに乗ったままゴールすると1万点の高得点

ゲートを跳び越えると5000点のボーナス。いずれも簡単そうに見えるかもしれないが、いざやってみると意外に難しい

 ありがたいことに、本作はハムスターの「アーケードアーカイブス」の1タイトルとして、Nintendo SwitchとPS4向けに配信されているので、高価な基板を買わずとも、今でも手軽に遊ぶことができる。シンプルな見た目からは想像もつかないほどち密に作り込まれ、レバーとボタン入力の気持ち良さ、ランナーの動き、そしてBGMが絶妙にシンクロした、本作ならではの面白さをぜひ体験していただきたい。

□PS4版「アーケードアーカイブス メトロクロス」のストアページ
□Switch版「アーケードアーカイブス メトロクロス」のストアページ





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🧠 編集部の感想:
アーケードゲーム「メトロクロス」が40周年を迎えるのは感慨深いですね。シンプルながら奥が深いゲームシステムが、多くのプレイヤーを魅了した証です。今でも楽しめる形で復刻されているのも、名作の証ですね。

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