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概要
ドイツのアウグスブルクで、アニメグッズ専門店「Figuya」とゲームショップ「Konsolenkost」が2025年に共同で新店舗を開業することが報じられました。この動きは、米大手ゲームチェーン「GameStop」の撤退を受けたもので、ドイツのアニメとゲームの中古市場が広がりを見せています。新店舗はコミュニティスペースとしても機能し、ファン同士の交流を促進します。また、市場の活性化は日本の事例を参考にしたもので、特に若年層のコレクター人口も増加しています。
要約（箇条書き）
- アウグスブルクに新しいアニメ・ゲーム店舗が2025年5月に開業。
- 運営は「Figuya」と「Konsolenkost」が共同で行う。
- 米大手ゲームチェーン「GameStop」が撤退し、その隙間を埋める形で新店舗の出店。
- 新店舗は最新ゲーム、レトロタイトル、アニメフィギュアを取り扱い、コミュニティスペースとしても機能。
- ドイツ国内には約3,500万人のコレクターが存在し、特に若年層の関心が高い。
- 日本における中古市場の成功例が、ドイツ市場にも影響を与える可能性がある。
- 中古アニメグッズがファン同士の交流を促進し、新たな文化エコシステムが形成されつつある。
ドイツのアウグスブルクのショッピングモール「City-Galerie」に、2025年5月、ゲームショップ「Konsolenkost」とアニメグッズ専門店「Figuya」が共同で新店舗を開業しました。（地元紙『アウグスブルガー・アルゲマイネ』の報道↓）
ドイツでアニメグッズやゲームの中古市場が広がり始めているのかもしれません。今回はそのあたりを紹介してみます。
背景には、今年1月末をもってドイツ国内の全店舗を閉鎖した米大手ゲーム販売チェーン「GameStop」の撤退がありそうです。ピーク時には国内に約200店舗を構えていたGameStopですが、デジタル配信の普及により中古ゲーム市場が縮小し、その結果、事業の継続が困難になりました。（撤退関連のドイツでの報道）
一方で、ゲームやアニメといったカルチャーへの愛着は根強く、空白地帯となった市場を埋める形で、上記のような新たな取り組みが始まったと見ることもできそうです。
さて、このアウグスブルクの新店舗ですが、最新ゲームからレトロタイトル、アニメフィギュア、日本のポップカルチャー雑貨まで幅広く取りそろえ、コミュニティスペースとしての機能も備えています。運営会社は「コレクター同士が集まり、交流できる場所を作りたい」と話しており、単なる販売だけでなく、ファン同士の出会いを後押しする場づくりに力を入れています。また、今後の多店舗化にも意欲を見せています。
旧GameStopの店舗跡地に、今回の合同店舗が進出していくのか、今後の動向が気になるところです。
こうした中古市場の活況は、日本が先行しています。静岡市を拠点とするホビー販売大手「駿河屋」は、2025年秋に新たなゲーム専門の旗艦店を開業予定で、訪日外国人観光客の来店も視野に入れています。「ゲームの世界首都化」を掲げ、レトロゲームの希少性や日本独自のカルチャーを軸に、観光資源としての価値を高めようとしています。
このような動きが、ドイツ市場にも広がる可能性があります。オークションサイトの運営会社catawikiの調査（2024年）によると、ドイツ国内には約3,500万人のコレクターが存在し、年間平均1,623ユーロをコレクションに費やしており、これはドイツ人の年間旅行費用を上回る水準です。特に若年層の関心は高く、60%のZ世代が今後コレクションへの支出を増やしたいと考えています。収集対象は書籍、ファッション、玩具、デジタルコレクションなど多岐にわたります。（調査結果のプレス発表、ドイツ語）
アニメグッズやガンプラといった日本発のアイテムも、その熱狂の対象となり得るのではないでしょうか。
現地で循環するアニメグッズ
日本にグッズを買いに来る人々がいなくなることはないでしょう。しかし、ドイツを含め、世界各地で中古グッズが自国内で循環し、ファン同士が出会い、文化が根を張る——そんなエコシステムが芽吹きつつあるのかもしれないと思った筆者なのでした。皆さんはどう思われますか？
タイトル画像：アニメグッズ店Figuyaの様子。2022年ベルリンで筆者撮影。
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