『仁義なき戦い 広島死闘篇』と『孤狼の血』という東映が誇る実録路線の新旧アウトロー映画2作品が、7月27日(日)に閉館する東映最後の直営映画館・丸の内TOEIで上映される。
5月11日(日)の『仁義なき戦い 広島死闘篇』上映後には主人公を演じた北大路欣也さんが、5月18日(日)の『孤狼の血』上映後には主演の役所広司さんと、白石和彌監督がそれぞれ登壇するイベントも開催。
この上映イベントは、1960年9月20日の開業から約65年、丸の内TOEIの閉館に向けたプロジェクト「さよなら 丸の内TOEI」の一環として開催される。ファンの熱気はもちろん、血の気も多いイベントになりそうだ。
東映のお家芸「実録路線」を確立した『仁義なき戦い』
1973年に第1弾が公開された「仁義なき戦い」シリーズといえば、映画製作/配給大手の東映にとって、その後お家芸として確立した「実録路線」の先駆け的伝説的作品だ。
高倉健さん主演の「日本侠客伝」シリーズをはじめ、同社が1960年代以降に展開していた任侠映画とは一線を画している。服装も着流しからスーツになり、ヤクザを義理人情に厚いヒーロー的な存在としではなく、現実的な暴力団として描いている。
『仁義なき戦い 広島死闘篇』©︎東映
5月11日のイベントでは、上映される『仁義なき戦い 広島死闘篇』の主人公でもある村岡組の若衆・山中正治を演じた北大路欣也さんが舞台挨拶に登壇。
北大路欣也さんは丸の内TOEIについて、「あらゆるポジションの方々が、力を結集し全身全霊で築き上げられた東映本社ビルと劇場『丸の内TOEI』。私も幾度か作品を通して劇場の舞台でファンの皆さまと交流をさせていただき、楽しい時間を共有できたことは嬉しい思い出です」とコメントしている。
時代のうねりを生きる刑事とヤクザを描いた『孤狼の血』
一方、5月18日に上映される『孤狼の血』は、柚月裕子さんの同名小説を原作に、広島を舞台に「昭和から平成へ」という時代のうねりに抗う県警刑事と、裏社会に生きる者を描いた人気作。2018年に公開された。
白石和彌監督をはじめ、主演の役所広司さんや松坂桃李さんの熱演が光った同作では、「仁義なき戦い」シリーズを生み出した東映のスピリットを継承。2021年には続編『孤狼の血 LEVEL2』も公開された。
『孤狼の血』©︎2018「孤狼の血」製作委員会
ファンを中心に「東映の実録路線が復活!」と高い評価を得た同作。今回の上映後には、刑事・大上章吾役で主演した役所広司さんと、監督をつと白石和彌さんが登壇。
二人が丸の内TOEIに揃って登壇するのは、2018年5月12日の『孤狼の血』初日舞台挨拶以来、実に7年ぶり。撮影時や公開時の思い出など貴重なエピソードが披露されるかもしれない。
東映株式会社本社の入る東映会館の再開発に伴い、2025年7月27日に閉館する丸の内TOEI。『仁義なき戦い 広島死闘篇』と『孤狼の血』の舞台挨拶イベントは、丸の内TOEIの閉館に大きな花を添えることになりそうだ。
舞台挨拶イベントのチケットなどの詳細については、東映の劇場窓口や劇場公式サイトを確認しよう。
©︎東映
©︎2018「孤狼の血」製作委員会