土曜日, 5月 24, 2025
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ひろゆき「儲からない偽善でもいい」1000万円寄付の過去も 能登支援で描く“損して得とれ”の哲学


パリ在住の2ちゃんねる創業者、ひろゆき氏(西村博之)が一時帰国し、「能登復興支援サブスク」を発表した。2024年1月1日の能登半島地震の被災地に新たなサブスク・ビジネスモデルを構築し、被災地に雇用を創出させようというもの。コスパ、タイパを重視する節約家・ひろゆき氏が事業を立ち上げた理由とは……。プロジェクトに著名人たちも賛同

 パリ在住の2ちゃんねる創業者、ひろゆき氏(西村博之)が一時帰国し、「能登復興支援サブスク」を発表した。2024年1月1日の能登半島地震の被災地に新たなサブスク・ビジネスモデルを構築し、被災地に雇用を創出させようというもの。コスパ、タイパを重視する節約家・ひろゆき氏が事業を立ち上げた理由とは……。(取材・文=平辻哲也)

 震災で被災した能登の地域に、持続的な経済活動をつくろうというのが今回の狙い。能登復興支援サブスクは、地域の特産品を毎月自宅に届ける定期購入サービス。6か月分一括払いで、月額換算4300円(税込)。第1弾はスギヨのカニカマ「香り箱 極」や「うな蒲ちゃん」、その後もきんつばやみそなど、地元企業の商品が続々と登場予定だ。

「被災地では人が1割減っていると聞いています。行政は道路とか水道は直せるけど、仕事までは作ってくれないんですよ。で、仕事がなければ人も戻らない。だったら“これだけ買います”って先に需要を作れば、工場も動くし雇用も生まれるかなと。本気で金儲けしたいなら、こういうのやらないですよ。“儲からない偽善のビジネス”って言われたって別にいいし、むしろそうやって回るならいいじゃんと思ってます」

 ひろゆき氏は現地に足を運んでいるわけではない。プロジェクトはオンラインで打ち合わせた。

「現場は、僕じゃなくて現地の人たちが動いてます。僕はパリからオンラインで週1回会議してるくらい。自分はそれほど頑張ってないです」

 ただ、その分、仕組みづくりには相当な工夫が詰まっている。仕入れも単純ではない。

「被災地の商品を一社でまとめると金額的に難しいこともあるので、複数の会社の商品を組み合わせてパッケージを作っています。石川県内の別の拠点に一旦集めて、梱包して全国発送する。オペレーションも全部こちらで持つようにしてるんです。最終的には自分たちがいなくても商品がちゃんと流通して、サブスクが不要になるくらいが理想。そこまで持っていけたら成功かなと思ってます」

 このサブスクには「売れすぎても困る」という悩ましさもある。被災地の生産能力には限界があるからだ。

「大量にオーダーが来ても、作れない可能性もある。だから、無理のない規模感で、少しずつ信頼関係を作っていくしかないんですよ」

 このプロジェクトには、ひろゆき氏が自ら声をかけた著名人たちも賛同している。本田圭佑氏、ダルビッシュ有、YOSHIKI、タレントの益若つばさ、経済学者の成田悠輔氏らが協力を表明している。

「LINEとかメールで“こんなことやるんですけど、どうですか?”って送ったら、“いいよ”って返ってきた。ありがたいです」

 ちなみに、ふるさと納税を活用できればベストだったが、「石川・富山・新潟といった複数県にまたがってるんで、制度的に無理だったんですよね」

 しかし、「社会貢献がしたい」といったモチベーションは、本人いわくあまりない。

「誰かがやってくれるなら僕はやらない。誰もやらないからやってるだけ。公園にゴミが落ちてても、誰か拾うなら見てますけど、誰も拾わなければ拾います。そんな感覚です」

 過去にも、児童養護施設にパソコンを寄付し、ひろゆき氏によれば、その規模は全国の3分の1にも及ぶという。過去の最高寄付額を聞くと、「児童養護施設に1000万円くらいかな。でも、協力してくれた企業はもっと出してくれたから。総額では1億円くらいにはなっています。でも、それでパソコンを使える子どもが毎年育っていくなら、そのほうが社会的にも得だと思うんですよね」

震災前から能登に来訪

 日本は災害多発国でもあるが、能登半島地震への支援には日本赤十字社を通じて寄付を行ったことを表明するなど特別な思いがあるようだが、その理由は……。

「阪神とか、東日本とか熊本は都会だったんで復興した後、ビジネスすぐ元に戻ったんですよね。でも、能登半島に関してはそこら辺が壊滅したままで。日本全体としても“もうしょうがないよね”っていう空気感がある。ここで“もう能登はしょうがないよね”って諦めると、次に何かあった時も“助けなくていいんじゃね?”ってなる気がして。それが嫌なんです。だったら、ちゃんとやってみようかなって」

 能登には、震災前から何度か訪れたことがあった。

「飯がうまいし、人がいい。旅館で“バス3時間後”って言ったら、“40分後に送りますよ”って。そういうのって、印象に残るんですよね」

 昨今の米価高騰についても語った。

「みんなが食べなければ安くなるけど、それだと農家が潰れる。難しいですね……。だから『高くても買う人』がいるせいで価格が上がる構造になってる気もします。僕は5000円でも買っちゃうタイプですけど、パリでは米が高いので、日本に来るたびに5kgとか買って、持って帰ってます」

 ひろゆき氏らしいやり方で進む「ちょっと変わった支援」の今後に注目が集まる。

□ひろゆき 本名:西村博之、1976年東京都北区赤羽生まれ。中央大学進学後、アーカンソー州で留学。1999年に「2ちゃんねる」を開設し、2005年には「ニコニコ動画」の運営会社、ニワンゴの取締役に。09年に「2ちゃんねる」を譲渡し、15年には英語圏最大の掲示板「4chan」の管理を担当。19年に新SNS「ペンギン村」を立ち上げ、21年には自身のYouTubeチャンネルでの切り抜き動画が大人気となり、月間再生回数3億回を記録。著書に『論破力』『1%の努力』『世の中の真実』『ひろゆきのシン・未来予測』『僕が若い人たちに伝えたい 2035年最強の働き方』など。

【写真】能登復興支援サブスクを説明 会見での集合写真



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編集部の感想:
ひろゆき氏の能登復興支援サブスクは、価値ある試みです。彼の「儲からない偽善でもいい」という哲学は、社会的責任を果たす良い例だと思います。被災地の雇用創出に寄与する新たなビジネスモデルとして、今後の展開に期待が高まります。

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