土曜日, 5月 31, 2025
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その言葉を誰に届ける?——私を変えたPIVOT施策Ayako Ishikawa

🧠 概要:

概要

この記事では、Ayako IshikawaがPIVOT施策に取り組んだ際の経験を通じて得た教訓や気づきを述べています。彼女は、成功するマーケティングにはターゲットや目的の明確化が不可欠であることを強調し、コミュニケーションとコンテンツ提供の大切さについて深く考察しています。

要約(箇条書き)

  • 自身の思考の変化: 初めは強い言葉で人を動かすことに焦点を当てていたが、実際の施策での体験を通じて深く考える重要性を理解。
  • PIVOT施策への挑戦: 新たな施策に挑み、コンテンツを通じて誰に何を届けたいのかを明確にすることの難しさを実感。
  • 課題の具体化: マーケティングの目的が曖昧になることからくる混乱や失敗を振り返り、明確な目標設定の重要性を感じた。
  • 自分の言葉で考える: AIを利用する一方で、自分自身の言葉で表現することができないジレンマを抱えた。
  • 感情を込めたメッセージの形成: 練りに練った結果、最終的なコピーが「課題ヒアリングは逆効果?」となり、自分の意図が明確に伝わった瞬間を体験。
  • 反響と結果: 公開した動画が3万再生を達成し、多くのポジティブな反応を得ることができた。
  • さらなる成長の意欲: 今後の施策においても、届けるべき対象やその届け方の一致を考え続け、お客様の声を直接聞くことで理解を深めたいと考えている。
  • 仲間募集中: マーケティング、営業などで成長と変革を志す仲間を募集している。

その言葉を誰に届ける?——私を変えたPIVOT施策Ayako Ishikawa

Ayako Ishikawa

2025年5月30日 16:41

「もっともっと危機感を」
「人は動く、強く尖った言葉で」
恥ずかしながら、数ヶ月前はそう思っていました。「3年後も、まだ同じ場所にいるつもりですか?」「今、知らない人は一生知らないまま終わる」毎日、通勤電車やWebで見かけるこんな広告。焦らせ、惑わせ、心を突き刺してくる。多分、心を動かすのはきっと強くて尖ったものなんだ。きっと——

そんな私はマーケター3年目。

セミナーやホワイトペーパーなどをがむしゃらに繰り返しコンテンツ作成にはそこそこ自信もついてきていた。経験値も増えた。自分のペースも見えてきた。

なのに——

期待とともに任されたPIVOT施策で私の小さな小さな自信は一瞬で粉々に砕け散りました。

サムネイルのたった20文字に12時間以上も時間をかけている——ChatGPTに頼らないと届けたい言葉が考えられない自分の言葉って何?自分で考えるって何?「私は、誰に、何を届けたいのか?」——

ただこれだけのことが答えられない

終わりが見えず心が何度も助けを求めてた。

苦しい。早く終わって。

でも、諦めるのは——いやだ。

そんな想いで、やっと抜け出した今。迷っていたかつての私のような誰かに

言葉を届けたい。

今日はビジネスメディア「PIVOT」の
企画・推進を通じて得た

  • 「お客様にコンテンツを届ける」ために最も重要なことは何か

  • 多くの落胆と苦悩先にこそある「成長」という実感

を赤裸々にお話したいと思います。

え、こんなこともできなかったの?と思われるかも・・という恐怖や恥ずかしさも勿論あります。ただ、私と同じように「コンテンツを通じて誰かを動かしたい」そんな風に熱い想いを持つ皆さんの背中を押すきっかけになりたく

初めて記事を書いてみることにしました。

こんな方に読んで欲しい・「自社は、誰のどんな困り事を解決する?」に一言で即答できない・最近業務で自分の成長をイマイチ感じられていない

・他社のマーケ施策がどのように企画・進行されているのか裏側が気になる

申し遅れました、マツリカの石川です。製薬会社でのMRや人材スタートアップでのキャリア支援を経て、現在はセミナー企画・運営やコンテンツ制作を中心に

マーケティング業務に携わっています。

【1】私たちはまだ、価値を届けられていない

新たな施策を検討した背景

マツリカのマーケティング組織では、多くのリード・商談獲得施策を実行しています。しかし、マツリカのターゲットでありながらも現在の施策では価値を届けきれていない大手・中堅企業様が多く存在しているという課題感がありました。そこで、これまでとは異なるアプローチで認知を獲得したいという背景から

新しい施策を検討することになったのです。

では、どのような施策を新たに始めるべきか?まず考えたのは、単に ”プロダクトの機能” だけではなく

我々がプロダクトに込める “想い” も含めて届けたいということです。

そのためには、「動画コンテンツ」が最適だと考えました。ただ、自社のYouTubeを立ち上げて動画を配信したところですぐに多くの方へ届けることは難しい。それなら既に勢いのあるメディアプラットフォームを活用し

発信しようとなりました。

なぜ今、PIVOT?

過去に自社で実施したことがないこと、そして、ビジネス感度の高い層に向けて厳選された情報やコンテンツを発信している動画メディアであり、

急速に存在感を高め続けていることが理由で、PIVOTに決めました。

PIVOT株式会社プレスリリースより引用

【2】今だから語れる、失敗と苦悩

多分マーケあるある、”施策の目的が曖昧化”

今回の施策では当初、「今はまだ興味を持っていない人に向けた認知獲得」を主目的に据えて動画の企画を進めていました。そもそも、PIVOTの動画をYouTubeで視聴する方の大半が、元々興味を持っている訳ではないが視聴する層であると考えたからです。

そのため、

  • マツリカの思想や事業を知り、面白い会社だと興味を持ってもらうこと

  • 1〜2年後にマツリカを想起するきっかけとなるキーワードを刷り込むこと

  • 「本気で営業と向き合い、営業DXに革新を起こす企業」というイメージで認知を得ること

をコンテンツの目的として設定し、

本編ではプロダクトの直接的な紹介は抑えめにし、“営業における本質的な気づき”を与える構成を意識して企画していました。しかし、企画を進める上で社内の関係者と会話する機会が何度かあり、「費用対効果はどう計測するの?」「新規リードや商談は何件創出想定?」などと質問されるうちに、潜在層〜顕在層までまるっとターゲットとして考え、

認知拡大とともにリード創出や商談創出も狙った方が良いのかも・・・

考えるようになってきて。途中から自社プロダクトの具体的な機能紹介や導入効果を

加える方向にシフトしました。

実際の企画書(変更後)

ただ、これは今回に限らずマーケ施策あるあるだと思うのですが、進めていく中で欲が出てきて「あれもこれも・・」と目的も内容もてんこ盛りになってきてしまうんですよね。

最初にしっかり目的とゴールを明確化して関係者と合意形成しておくこと、そして最初に決めた目的 / ゴールに度々立ち戻りながら進めていくこと

重要性を改めて感じました。(文字で読むとそんなの当たり前だと私も感じますが、いまだに気を抜くとできていないことが多々あります)そして、目的が曖昧化してしまったことだけでなく、

その目的に私自身が腹落ちできていないまま進めてしまったことが、

振り返ると大きな反省点だったように感じます。

「誰に、何を届けたいのか?」がわからない

今回のPIVOT施策で、最も向き合った問いは
「私は、誰に、何を届けたいのか?」という根源的なものでした。

誰の何を解決できるプロダクトなのか?
このコンテンツで誰を動かしたいのか?

コンテンツ企画終盤に差し掛かった時、
上長からのこの質問に即答できない自分に驚きました。

今思うと、より多くの人に見てほしい、より多くのリードを獲得したいという思いから、

“誰”の輪郭がどんどんぼやけていき、

“何を”がどんどん当たり障りないものとなっていき、結局、私は誰に何を伝えるためにこのコンテンツを作っているのか?が

わからなくなっていたんだと思います。

自分の頭で考えるって何?

今ではコンテンツを企画・作成する上で、ChatGPT無くしては考えられない!という程、日々お世話になっています。勿論、使うことで効率的に進められるのは間違いないですし、良い壁打ち相手にもなってくれるので使わない手はないと思います。ただ、私は知らないうちに自分の頭で考えることや

自分で言語化することを辞めている(できなくなりかけている)ことに

強い危機感を覚えました。特にそれを痛感し印象に残っているのが、

YouTubeのサムネイルに入れる“たった一言”のコピーをどうするかについての上長との議論です。

何も難しいことは聞かれていないのに、言語化できない、自分の言葉で答えられない。「AIの回答に引っ張られないで。自分の頭で考えて自分の言葉で答えてください!」そんなこと言われてもAIが出してる言葉は良さそうに見えるし・・言いたいこととズレてないとも思うし・・そもそも自分の言葉って何?と、Slack上で何度もやりとりを往復し、上長からの返信が来るたびに自分の無力さというか、

頭では分かってるのに考えられない苦痛に苛まれました。

それでもここで投げ出すのは悔しい、という思いだけでなんとか食らいつきました。

マツリカは誰の何を解決できるのか?

誰に何を伝えて、どう動かしたいのか?この2つだけをひたすら考え抜き、言語化しました。(時間にして、12時間くらいかかったと思います)

↓下記、実際のやりとりを一部抜粋

私が考えた言葉が炎上リスク?!

よし、誰に何を伝えたいか固まったぞ!・・そう安堵した私でしたが、
すぐに次なる試練が訪れました。

「どんな言葉で、どう届けるか」

サムネイルで表現できるのは、たった20文字程度。そして、メインメッセージは12-15文字。その中で、マツリカが届けたい言葉を、

届けるべき人にしっかり届く言葉を考えなくてはいけません。

とはいえ、まずは目に留まってもらうことが第一だと考えた私は、
とにかく「キャッチーさ」とか「危機感を煽る」といったことを意識して
いくつかの案を作成しました。

私が考案したサムネイル案の抜粋

この案を受けて、上司からきたフィードバックはこちら。「全員、って誰ですか?」「これを見て、自分のことだと共感しますか?」

「”うっとうしい”や”量産”はネガティブワード。炎上まではいかなくても、ネガティブな影響やリスクはある。仮に炎上した場合、マツリカ全体のインパクトを背負って対処できますか?」

ネガティブワードを使って炎上リスクはあるのに、共感してもらえない上に、誰に届けたいのかも明確じゃないのか・・・

でも、確かにそうだ。

それに、ネガティブな言葉を届けるのは、なんだかマツリカっぽくないなとも同時に感じました。

(マツリカっぽさとは?を言語化すると長くなるので、これはまた別の機会に。)

悩み抜いた先にあった、腹落ち感と成長実感

こうして、合計80回ものラリーを繰り返して最終的に採用したコピーは、
「課題ヒアリングは逆効果?売上を伸ばす信頼獲得プロセス」
というメッセージ。

実際に公開されたPIVOTのサムネイル

一見すると営業の常識を否定するように見えますが、

「お客様が言うこと=課題として捉えていないか?」
「ヒアリングが目的化していて、お客様が疲弊していないか?」

といった、
私たちが営業現場でリアルに見てきた課題に根ざした問いでした。

このコピーが決まったとき、心の底から「これだ!!!」と腹落ちした感覚を覚えています。“誰に”届けたいのか、“どんな問い”を投げかけたいのか、そして“どんな変化”を促したいのか。マツリカの届ける価値とその伝え方が、ようやく重なった瞬間でした。上司と怒涛のSlackラリーをしている間は正直本当に辛い時間でしたが、対話を通じて、「マツリカのお客様は誰なのか」「どんな困りごとを解決できるのか」「どう伝えたら最も伝わるのか」これを改めて自分の頭で考え、言語化するまでのプロセスを体現でき、

これは今後どのような場面でも非常に重要な思考回路だと感じています。

【3】魂をこめたコンテンツへの反響

動画公開まで、あと10日

やれることはやり切った。

そう思えるだけの情熱を注いだコンテンツが配信されるまでの10日間、
もう何もできない中、ただソワソワしながら過ごしていました。

本当に、できることはもうないか?

社内の色々な人に協力してもらって出来上がったコンテンツなので、動画公開の瞬間は全社で盛り上がりたい!そして、少しでもたくさん活用してほしい!という気持ちから、

セールスやHR、広報など別部門への事前共有活動を始めました。

「採用候補者さんへのスカウトメールでも活用できそう!」「展示会でも流せるかな?」

「今から公開が楽しみです!」

社内の温かい声に励まされながら公開日を待ちました。

誰に、どのように届いたのか?

結果的に、YouTubeでの動画公開から1週間で3万再生を突破。「理想の営業スタイルをしっかり言語化できていることが素敵」

「これこそDXですよね」とポジティブなコメントが多数寄せられました。

また、「自分の現場にも取り入れたい」「お客様に答えを求めるな、という指摘にハッとした」といった気付きや行動に繋がる声もあり、私たちのコンテンツで誰かを動かすという点では

一定の成果を得られたと感じています。

また、実際に商談前のお客様から、「PIVOTで製品デモを見て、御社のツールが使いやすそうだと感じている」「PIVOTを見て、マツリカの話を聞いてみたいと思い問い合わせをした」

といったお声をいただくケースもありました。

▼実際の動画はこちらからご覧いただけます
【最短で顧客に信頼されるには】
「状況いかがですか?」はもったいない/営業は医者を見習うべき/ヒアリングの罠

【4】まだまだ、もっと成長したい

今回のPIVOT施策を通じて、
届けるべき対象と届け方を一致させる難しさと、その面白さを改めて実感することができました。

今後は、こうした施策の設計段階で

  • どんな人に

  • どんな状態でコンテンツを見てもらいたいのか

  • その結果、どうなってほしいのか

というところまで、しっかり言語化することが重要だと考えています。(これまでもやっていた”つもり”でしたが、甘かったなと。)「この一言がその人の心に刺さるか?」という視点でコピーを考える際は、これだと弱いかな…と不安になり、過激な表現(煽るような表現)を使いたくなってしまいますが、

 “誰かに届く言葉”は、届けたい相手を知って、考えて、理解することから生まれる——

それが、今回の取り組みから得た一番の学びでした。そして、届けたいお客様への理解を深めるには、

実際の声を聞いた上でひたすらお客様のことを考えるしかないと思います。

この経験を受け、お客様に直接インタビューを実施し、「声」と向き合うことで、本当に多くの気づきが生まれました。

↓下記は実際に聞いている質問の一部です

・誰の何がきっかけで情報収集を始めたのか・今やらなければならない理由が何かあったのか・何を解決したいと考えているのか・最初はどのように情報収集を行なったか

・導入を決定したツールの決め手は何か  など

また、私の成長を止めていた要因は、『考え抜くこと』から逃げていたからだと痛感しました。こんなことに時間をかけていいのかな?と躊躇して、時間をかけて考えるよりとにかくアウトプットを出すことに注力してきました。最初のうちは量をこなすことも大事ですが、しばらくするとどこか頭打ちが来ているような気がしていて。今回の施策を通じて半ば強制的に時間をかけて考え抜けたことで、

今まで私の脳内には無かった“新たな思考回路が生まれた感覚”があり、

それがまさに自分自身の“成長実感”でした。

【5】一緒に成長できる、仲間を募集してます

今回、PIVOT施策を通してどのようにコンテンツ作りと向き合っているのかをお伝えしてきました。私たちは、営業という営みをもっと進化させたい。 そして、誰か一人の力ではなく、チームや仕組みの力で成果を生む営業を当たり前にしたい。 そんな想いで、日々プロダクトを磨き、言葉を届け続けています。もしこの記事を読んで、 「マーケターとして深い思考プロセスを経て、成長実感を得たい」 「プロダクトを“ただ売る”のではなく、“届け方そのもの”を設計してみたい」 そう思ってくださった方がいたら、ぜひ一度お話しできたら嬉しいです。マツリカでは現在、マーケティング・インサイドセールス・フィールドセールスなど、 様々なポジションで仲間を募集しています。ちょっとでも興味が湧いた方は、

カジュアル面談からでも大歓迎です。

お客様のこと、プロダクトのことをとことん考え抜いて、
一緒に事業を成長させましょう!

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Ayako Ishikawa



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